石尊山〜深高山

天気:
メンバー:T
行程:山神社 10:00 …鞍部 10:40 …石尊山(486m) 11:05 …見晴らし台 11:10〜11:20 …深高山(506m) 12:15〜12:45 …猪子峠分岐 13:05 …山神社 14:15
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

先週、朝のジョギング中にちょっと足を痛めた。左脹脛に違和感があり、多分、軽度の肉離れ。普段歩く分には何ともないが、無理は避けた方が良さそうだ。週末の山歩きは遠出が続いたこともあるし、今回は軽い山歩きにしておこうということで、南麓の粟谷町(あわのやちょう)山神社から石尊山と深高山を周回するコースを歩いて来ました。

桐生を車で発ち、足利市葉鹿町を経由して粟谷町に向かう。行く手には台形の右肩が小さく三角に持ち上がった端正な山容の深高山が望まれる。刈り取りの終わった田んぼが広がる谷を進み、林道粟谷・松田線に入って最奥の民家を過ぎると、両側から山肌が迫って急に山奥の雰囲気に包まれる。溜め池の堰堤を過ぎ、林道の分岐に杉林に囲まれて山神社があった。すぐ手前の路側のスペースに車を置く。

短い石段を上がって石鳥居をくぐり、山神社にお参りする。三面の板壁がない古い拝殿が建ち、中を覗くと奥に小さな祠が祀られていた。拝殿の屋根は先日の台風で痛んだのか、ブルーシートで覆われていた。傍らの説明板によると、神社の周囲に立ち並ぶ杉の大木は粟谷町山神社のスギとして、足利市指定天然記念物に指定されているとのこと。


南麓の粟谷町から仰ぐ深高山


粟谷町山神社

山神社から左の林道須花沢線に入る。薄暗い杉林の中、小さな沢に沿った未舗装道を15分も進むと終点となり、その先は林道の痕跡を進む。ところどころ林が切れて、露岩を配した急峻な山肌の上に石尊山〜深高山の稜線を仰ぎ見る。


林道須花沢線を行く


林道終点付近から487m標高点
付近の稜線を仰ぐ

やがて、谷を塞ぐ杉の倒木帯に差し掛かる。これも台風の被害かな。距離は短いが、倒木を潜ったり跨いだりと通過に苦労する。左岸に渡って踏み跡を探した方が良い。ますます藪っぽい林道跡を辿ると、水が滲み出て湿地化した広場に着く。谷はここから左に曲がって417m標高点に詰め上がって行くが、右手の杉林の斜面を登る。鞍部の直下には棘に覆われた太い幹の木(タラノキ?)が群生していて、うっかり摑むことが出来ない。

登り着いた鞍部は樹林に覆われている。左の稜線は湯殿山に通じているが、大規模な採石場に接する個所があるため通行禁止になっている。石尊山〜深高山の稜線を目指して右の急斜面を登り始めると、赤ペンキや古いトラロープがあって、かつては良く歩かれたコースだったようだ。藪もなく、稜線上の「湯殿山への登山道通行禁止」という看板が立つ地点に登り着いた。厳密にいうと通行禁止の道の一部を通ったことになる訳だが、採石場とは関係ない区間なので無問題だろう(もちろん、一般ハイキングコースではない)。


石尊山〜深高山の稜線への急登


稜線上に到着
通行禁止の看板がある

まずは稜線を西に辿って、石尊山に向かう。平坦な尾根を僅かに進むと石尊山の三角点がある。ここは全く展望がないので、その先の見晴らし台まで足を延ばす。明るい芝の広場にはベンチもあり、寛げる場所だ。今日は良く晴れていて、おじさんが一人、木陰でのんびり休憩していた。


石尊山三角点


石尊山見晴らし台

一段下に石尊宮が建つ。傍らの枯れたアカマツが台風で折れ、石祠がいくつか壊れていたが、石尊宮の社殿には幸い影響がなかった(しかし、瓦はだいぶ痛んでいる)。石尊山のすぐ前は急崖で、眼下には採石場、その向こうには小俣方面の展望が広がる。


石尊宮


石尊宮の天狗のお面

見晴らし台からUターンして、深高山に向かう。雑木林に覆われた平坦な稜線が続き、のんびりとプチ縦走が楽しめるいいコースだ。台風のせいか、青いままの落ち葉が多いなあ、などと道の脇を見ていたら、でっかいキノコを発見!傘の差し渡しは20cm近くある。立派なツボとツバを持っているところを見ると、テングタケ科のキノコかな。これは怖くて手が出ない。傘の表面は滑らかで、縁に明瞭な線条がある。付近を探すと、タマゴ状の幼菌もあった。これも握り拳くらい大きい。いやー、珍しいものを見ました(^^)


テングタケの仲間?


タマゴから出たての幼菌

じっくりキノコを観察したのち、プチ縦走を続行する。途中の487m標高点も、越えるという程の顕著なピークではない。


487m標高点


平坦な稜線を歩く

最後に短い坂を登ると、深高山の頂上に到着した。頂上の石祠も折れた枝の直撃を危うく逃れていた。以前は南面に展望が得られたが、木が成長して遮られてしまっていた。簡易なベンチに腰を下ろして、缶ビールとサンマ蒲焼き缶を空ける。今日は行程が短いので、ビールと言ってもキリンフリー。あんまり美味いと思わないが(^^;)、飲んでる気分は出る。これで結構お腹が膨れたので、昼食はなしにして下山にかかる。

トラロープが張られた急坂を下ると、鞍部の十字路に着く。左は猪子峠、右へ下れば山神社だが、途中から林道粟谷・松田線の歩きになるのがあまり嬉しくないので、直進して稜線を辿る。送電線(新栃木線)の巡視路になっていて、明瞭な歩道が通じている。


深高山頂上


猪子峠・粟谷町分岐

鞍部から少し登ると419.6mピークに着く。三角点(点名:松田)の標石と標高を記したR.K氏のプレートがある。この山には名前はないのかしらん。丸々太ったジョロウグモの巣を払いつつ稜線上の巡視路を辿ると林道粟谷・松田線に出て、深高山が眺められる。


419.6m三角点


林道粟谷・松田線からの
深高山の眺め

林道を横断し、道標に従って再び巡視路に入る。144号鉄塔を過ぎ、稜線を辿って143号鉄塔に向かう。台風で落ちた枝葉が多いが、雑木林に囲まれた良い道だ。143号鉄塔は稜線から支尾根を少し下った所にあり、鉄塔基部から深高山が垣間見える。


143号鉄塔への稜線


143号鉄塔から深高山を望む

予定では、巡視路をずっと辿って下の林道粟谷・松田線まで降りる計画だったが、ここでルートを間違えて、143号鉄塔から支尾根を下る。まあ、道がないのは承知だが、樹林が疎らで下れそうだったので、ついつい。最後はかなり急な斜面となるが無事に下り着き、沢を渡って林道に出た。林道を下るとすぐに巡視路の入口があり、「141号に至る」と書かれていた。どうも142号と141号鉄塔をショートカットしたらしい。


道のない支尾根を降りる


林道粟谷・松田線に降り着く

林道を歩くこと僅かで、車を置いた山神社に到着した。左脹脛は下りで少しかばいながら歩いたが、幸い異常なし。いい運動になった。


南麓の最奥の民家から
深高山を仰ぐ


粟谷町から望む深高山

帰りは足利の山歩きではお馴染み、東葉館地蔵の湯に立ち寄る(700円)。某学校の同窓会で宴会場は大賑わいだったが、風呂に入る人は数名で、露天風呂にのんびり浸かった。

参考URL:オッサンの山旅「深高山」。ほぼ同じコースを歩いています。