鳴神山
関東甲信地方では、7月14日に梅雨明けが発表された。しかし、その後もはっきりしない天気がぐずぐずと続く。この週末、土曜日は晴れたが、休日出勤(;_;)。日曜日は、午後ににわか雨があるかも知れないが、午前中は晴れとの予報だ。近場の手軽なところで、鍋割山と荒山でも登って来ようかなと車で出発したが、桐生市街を抜けて赤城山が見えるところまで出たら、赤城山全体が雲の中に隠れている。気が変わって、鳴神山に行き先を変更する。まだ歩いたことがない赤柴コースを登って、駒形コースへ周回してみよう。
駒形登山口に向かう途中で、気になるスポットの一つの白滝神社に立ち寄る。白滝神社は、桐生に養蚕・製糸・機織りの技術を伝えたという白滝姫を祀っている。山の端に巨木を背にして本殿が建ち、なかなか神さびた雰囲気。境内の一角を降臨石が占めていて、目を引く。高さ3mくらいの、ちょっと登りたくなるような巨石だが、注連縄が張られていることが示すように、登攀禁止(^^;)。また、神楽殿もあり、説明板によると、毎年8月の例祭には太々神楽が奉納されるとのこと。
寄り道から戻って、鳴神山の駒形登山口へ向かう。低山歩きには暑過ぎるこの時期でも、登山口には6、7台の車があった。少し戻った路側に車を置き、歩き始める。駒形コースを右に見送って、左の林道赤柴線に入る。それにしても、今日は最高に湿度が高い。林道の脇を水量の多い川が流れていて、近づくとヒンヤリとした風が巻き起こっていて涼めるのだが、少し離れるとその効き目もなくて、汗だくだく。ちょっと気分が悪い。
未舗装の林道を辿ると、赤柴の集落跡に着く。無住の建物が草藪に埋もれて不気味だ。元は住居ではなく、何かの集会所のような感じがする。
林道はここで右に曲がり、東に進む。T字路に突き当たり、左は小平方面へ舗装された林道が続いている(小平に繫がっているかどうかは知らないが、全面通行止の看板がある)。
「鳴神山(赤柴)登山口0.4km」の道標に従って、右に進む。林道を覆い尽くして夏草が繁茂し、露で登山靴が濡れる。7分程で林道は終点となり、小広い平地がある。草藪に隠れて道標の類いは見あたらないが、ここが赤柴登山口のようだ。
山道に入っても最初は草が深いが、ようやく道型が見えるくらいには草が薄くなって、ハイキングコースらしくなる。沢の二股は「鳴神山 右へ」という道標に従って、右の沢に沿って登る。
沢沿いの山道を緩く登ると、やがて浅い沢の中を歩くようになる。周囲は自然林で、なかなか好ましい雰囲気だ。やがて、半壊した「…登山道」という道標があり、ここから山腹を登る。急坂にさしかかって、また一気に汗が噴き出す。
短い登り(時間にして約6分)だが、十分にげんなりして椚田の鞍部に着く。丸太に腰掛けて、ポリタンの水をがぶ飲みする。ここから鳴神山の頂上の間には、なんか山野草でも咲いていないかなと見ていたが、めぼしい物はなし。駒形登山口には車が数台あったが、頂上はもぬけの殻。みんなもう下ったのかな。アキアカネだけが、ツイー、ツイー、と飛び回っている。
湿った空気に包まれて展望はきかず、水蒸気の厚い膜の向こうに桐生市街がぼやーと見えている。コッヘルとガスストーブを持って来たけど、この蒸し暑さではお湯を沸かして昼食を食べる食欲が湧かない。時間も早いし。笊ヶ岳の残り物のチョコレートを食べ、水を飲む。
頂上直下の岩場を下るとき、ようやく目新しい花を見つけた。帰ってから調べるとノギランというらしい。初めて見る花なので、ちょっと嬉しい。肩の広場から駒形コースを下る。降り始めではヤマアジサイ、下の方ではタマアジサイがたくさん咲いていた。
下る途中で3人グループのハイカーさんと行き会い、赤柴コースは歩けますか、と尋ねられた。藪っぽいけど道ははっきりしているので大丈夫、と答えたが、その後、歩けただろうか?
駒形登山口に降り着くと、他の車は件のハイカーさんのものと思しき1台しか残っていなかった。いやー、蒸し暑かった。途中のコンビニで500mlの缶ビールを買い込んで帰る。夕方になると、重たい大気をとうとう支えきれなくなったかのように激しい雷雨となった。