山王帽子山

天気:
メンバー:T
行程:光徳駐車場 9:30 …山王峠 10:40 …山王帽子山(2077m) 12:00〜12:45 …光徳駐車場 14:35
ルート地図 GPSのログ(往路は赤、復路は青)を地理院地図に重ねて表示します。

奥日光の積雪は、雪センターの積雪情報によると10〜15cmで、なかなか増えない。しかし、関東では2月に入って週末毎に雪が降っているし、そろそろ山には雪が充分あって、スノーハイクに適した状態になっていると期待。雪山登りの本番の前に偵察ということで、光徳から山王帽子山に登って来ました。

桐生を車で発ち、R122、R120を経由して奥日光に向かう。途中のいろは坂は、路面には全く雪がない。明智平でちょっと車を停めて、華厳渓谷を隔てて男体山から女峰山にかけての白い連山を眺める。今日は青空が広がって、穏やかな天気だ。

波も静かな中禅寺湖畔を通って、光徳の無料駐車場に車を置く。3連休の最終日で人が多いかなと思っていたが、車はそう多くなかった。スノーシューを履いて出発する。まずは地形図上の破線に沿った、スノーシューで何度か歩いた馴染みのコースを山王峠に向かって歩く。トレースがしっかり付いていて、ルートファインディングの必要もない。

光徳駐車場(背景は三岳)
山王峠への道

雪原のところどころで笹がパサパサ出ているので、積雪量はまだ十二分とは言えない。しかし、降ったばかりなので、トレースを一歩外すと深く潜る。予定では、山王峠への登りの途中から、山王林道の方へショートカットして、山王帽子山の南西尾根を登るつもりだったが、深い雪に日和って(^^;)楽なトレースを辿り、山王見晴しまで上がる。まぁ、いいか。ここからは、涸沼の深い窪みを隔てて於呂倶羅山が屛風のように聳えているのが見える。私のお気に入りの眺めの一つだ。

山王見晴しから右に折れて山王林道に出て、光徳の方に少し戻ると山王帽子山の登山口がある。ここから山王帽子山に登るルートは、5年前に初めてのスノーシュー登山(山行記録)で歩いたところで、そのときは深い雪と針葉樹の密藪にかなりてこずった(それもまた、登り応えがあって面白く、スノーシューハイクがすっかり気に入った訳だが)。

しかし、今日は登山口から山王帽子山に向かって、これまた立派なトレースが付いているでないの。今日のふかふかの雪質では、トレースの無いコースを登るのはかなり大変だろう。ということで、日和ったついでに南西尾根を登る予定も変更。ここから、ありがたくトレースを辿らせて頂くことにする。

山王見晴しから於呂倶羅山
山王帽子山登山口

つぼ足でも歩けるトレースがずっと続いている。傾斜が急になり、密な針葉樹林の中をジグザグに登るようになると、スノーシューよりつぼ足の方が登り易い。しかし、スノーシューを脱いで担ぐのもなんだし、トレーニングと思ってそのまま登って行く。それにしても、前回はトレースがなくてこんな樹林中の急なところを良く登ったなー、と5年前の自分にちょっと感心しつつ登る。

山王帽子山へのトレース
コメツガの樹林帯を登る

展望のない樹林帯の登りが続くが、やがて樹林が切れると、背後に戦場ヶ原から日光白根山にかけての眺めが開ける。傾斜の緩い雪原となり、気持ち良く歩ける。男性2人組パーティが先行していたのに追いついて、その後に続いて歩く。彼らはスノーシューを携行していたが、つぼ足で歩いていた。つぼ足でも無問題。しかし、トレースをはずせば、パフパフの雪だ。

戦場ヶ原を望む
一番奥に皇海山が見える
頂上へ向かう二人パーティ
頂上直下から日光白根山
頂上直下の登り

ところどころの密な樹林を縫うように雪原を登ると、男体山を正面に望む山王帽子山頂上に到着した。トレースはさらに太郎山の方にまで続いているようだったが、2人組パーティもここまでのようだ。こんな良いトレースがあれば、太郎山まで日帰りもできそうな気がするが、なければ物凄く大変だろう。

山頂で昼食にする。雪を踏み固めて腰を下ろす場所を作ろうとするが、雪がサラサラで全然固まらない。スノーシューを脱いで、その上に腰掛ける。さてさて、まずは薫製玉子をツマミに缶ビール。そして、餅入りスープを作って食べる。頂上でのんびり40分程過ごす。2人組パーティはその間に往路を戻って行った。

黒岩山(中央)と会津駒を遠望
山王帽子山頂上から男体山

さて、下山にとりかかろう。下りは南西尾根を歩いてみようと、ちょっとトレースを外れて下ってみたが、場所によっては腿まで潜る深雪、樹林帯の吹き溜まりはさらに雪が深い。一度、ズボッと潜って足を取られて転倒したら、雪が深くて起き上がるのに苦労した。まるで雪の中を泳いでいるような状態なので、南西尾根は断念。往路を戻ることにする。スノーシューで自在に歩けるようになるのは、もう少し雪が締まるのを待った方が良さそうだ。

トレースを辿って下るのは楽勝で、山王帽子山登山口に降り着く。ここから山王林道を歩く。やはりトレースがずっと続いている。ときどき、行く手に男体山や大真名子山、太郎山が眺められる。林道のつづら折れの箇所は適当にショートカットして下る。そこで、ようやくスノーシューが効果を発揮。しかし、やはり雪が深くて重たい。

光徳駐車場に戻る少し手前の山王林道の入口で、雪上車が停まっているのを見る。車体の側面には、古河電工裸線開発部と書いてある。山王帽子山と於呂倶羅山の間には、一区間だけのどこにも繫がっていない謎の送電線があるのだが、そこに行くための交通手段らしい。以前、山王林道で雪の上にキャタピラの轍を見たが、現物を見るのは初めてなので、興味津々。

山王林道を下る
正面の山は大真名子山
古河電工の雪上車

車に戻り、直ぐ隣りの日光アストリアホテルに移動して、ホテルの温泉に入る(1000円タオル付き)。熱いお湯にざんぶりとつかる。やはり、奥日光は好いがあるから、たまりませんな。風呂でポカポカに温まったあと、ホテルのロビーで男体山を眺めながら食べたアイスがとても美味しかった。