鍋割山(赤城)
この週末は近場の気になるスポット探訪第3弾。赤城の鍋割山に出かけて来ました。
鍋割高原登山口に着くと、10台位の駐車があった。ここは通り過ぎて、林道を箕輪の方へさらに2〜300m走る。逆S字のカーブを過ぎると鍋割山登山口の道標があり、そのすぐ先の道幅の広くなった所に車を置く。こちらには他の車はない。
登山口には「この付近で熊が出没しました。注意して下さい。」という、比較的最近のものと思われる張り紙がある。付近一帯はスズタケが繁茂する松林で、いかにも熊に出くわしそうな雰囲気。しかし、登山道の脇は刈り払いされ、見通しが良くなってありがたい。
登山道を登ると石鳥居の残骸の石柱が2本立っていて、行く手には意外と急峻な鍋割山が見える。今日は軽い山歩きのつもりだったが、これはなかなか歯応えありそう。
十字路があり、地元の高校山岳部が昨年秋に設置した道標が立っていて、左は「鍋割相吉林道」、右は「青少年の家方面、登山口」、直進は「鍋破山前不動を経て鍋割山(急坂につき要注意)」、さらに「鍋割山まで標高差470m、距離1.0km」と書いてある。因みに、この値を元に計算してみると、平均斜度はarctan(0.47)=25度で、なかなかの急斜面だ。
十字路を直進すると、一部、笹がかぶさる区間があるが、すぐに林間の背の低い笹になり、急斜面を一直線に登り始める。道にはドングリがたくさん落ちている。この夏の猛暑のせいか、ドングリは丸々と太っていて、これなら熊も冬ごもりの食べ物は安心じゃなかろうか。
左上に岩場を見て、急坂をさらに登り詰めると、気になるスポットの鍋破山前不動がおわす大岩に着いた。憤怒の表情だが、体型というか、お姿は素朴でユーモラスだ。不動様の前は木立が開いて、今日は霞みがかかっているが山麓が見渡せる。不動様が睨む先は何処だろう。
前不動から、少し古いトラロープが下がる急斜面を登る。単独のハイカーさんが降りて来て、すぐ先の地面に蜂の巣がある、掘る道具があれば持って帰るのに、とおっしゃる。見ると、直径30cmくらいの穴の中に蜂の巣があり、黒い蜂がたくさん蠢いている。帰宅後に調べるとこれは地蜂(クロスズメバチ)で、幼虫が珍味として食されているらしいが、その場ではそれどころではなく、急いで通過する。
急斜面を登りきった所には「覚明霊神、一心霊神、普寛霊神」と刻まれた石碑がある。これも後で調べると、木曽御嶽の山岳信仰と関係があるようだ。ツツジ林をくぐり抜けると、鍋割高原(獅子が鼻)からの登山道と合流する。そして、開けた気持ち良い笹原の斜面を登って、鍋割山の頂上に到着した。
山頂には10数人のハイカーさんが寛いでいた。山頂からの展望は霞んで、山麓のもやった緑の中にピカピカ光る屋根がいくつか目立つくらいで、あまりよろしくない。しかし、頭上の青空には白い雲が流れて、秋らしい爽やかな気候だ。
昼食は、山用に買って余っていた食料の中に埋もれていて、今回、発掘した棒ラーメン(賞味期限10日後)。同じく埋もれていたフリーズドライのラーメンの具(賞味期限、内容物とも不明(^^;))を加えて作る。お湯で戻った様子はどうもキャベツのように見えるが、不味かった(T_T)。まあ、その後、腹痛とかはなかったから良かったが、もったいないと思うのも程々にして、こういうチャレンジはもう止めようと思った。口直しにリンゴを食べて、鍋割高原に向かって下山する。
前不動分岐を過ぎ、樹林の中の岩の多い急坂を下ると、笹原が広がる鍋割高原の上端に出る。気持ち良い所だなー。展望解説板によると、伊勢崎、前橋、高崎、渋川の市街、遠くは秩父連山、八ヶ岳、浅間山まで望めるそうだが、今日は残念ながら霞んで見えない。しかし、振り返って仰ぐ鍋割山の眺めはなかなかいい。
鍋割高原の末端からは岩場の多い急斜面を大きくジグザグに下る。ところどころにお助けロープが下がっている。
刈り払いされた樹林園に出ると、前不動コース(右)と鍋割高原登山口(真っすぐ)の分岐に着く。ここから登る場合は、道標によると「鍋割山まで標高差500m、距離1.4km」となる。右へ、山裾を回り込む道を辿る。往路に通った十字路までは少し登りになるが、再び鍋割山を見上げてのんびり散歩する。十字路から前不動登山口に降りて、車に戻る。3時間と短い山歩きだったが、なかなか歩き応えがあった。
帰りは前橋荻窪♨あいのやまの湯に立ち寄る(500円)。設備が新しく奇麗で、いいお湯でした。