金精峠
この冬は暖冬で雪不足が続いていましたが、先週3連休の大荒れの天気が各地にまとまった降雪をもたらしたようで、雪センターの情報によると、奥日光・中宮祠で積雪21cm。スノーハイクの季節がやって参りました!という訳で、スノーシューを携えて、まずは足慣らし。日光湯元から冬期閉鎖中の金精道路をテクテク歩き、金精峠を目指してみました。峠への登路は険しく、途中で撤退となりましたが、雪の感触を楽しんで来ました。
桐生を車で出発して、R122、R120経由で湯元へ。いろは坂には積雪があったが、スタッドレスに履き替えているので問題なし。中禅寺湖畔では男体山がくっきり見える良い天気でも、白根山は雪雲の中、湯元は粉雪がキラキラ舞う天気。その湯元の駐車場には、雪遊びに来た人たちの車がぽつぽつとあり、スノーシューハイクの団体さんが出発準備をしていた。
温泉源泉の登り口でスノーシューを履いて、まずは金精道路までひと登り。身体が温まったので、上着を一枚脱いで衣類を調節する。金精道路の上では、雪はちょうどガードレールの高さまで積もっている。スノーシューやスキーのトレースがたくさんついている(しかし、この日は結局他の誰とも行き合わず)。
ここから金精道路を辿る。ほとんど傾斜がないから歩き易いが、雪はまだ締まっておらず、足首くらいまでもぐる。群馬県側から国境稜線を越えた雪まじりの強風が吹き付けて、冬の奥日光らしい凍える天候だ。石楠花平という看板のある地点を過ぎると、行く手に険しい岩壁を擁する金精山が現われる。この迫力ある山容を見ただけでも来た甲斐があったというものだが、さらに先に進む。
1時間程歩いたところで一休みし、テルモスのホットココアとパンをお腹に入れる。ここまでは単調な車道歩きだったが、ここから先は谷沿いに歩いて、大きくつづら折れを繰り返す金精道路を大幅にショートカット。変化がついて、ちょっと山歩きらしくなる。正面に見える稜線が一段と低くなったところが金精峠らしい。よーし、あそこまで行ってみよう。
雪の詰まった浅い谷を上がり、低い砂防堰堤を越えると、金精トンネルの入口に到着した。もしかしたらトンネルを歩いて群馬県側に抜けられるかな、と思っていたが、入口はしっかり板囲いされて塞がれていた。残念(^^;)。
トンネル入口からも、岩壁と雪を纏って険しく聳える金精山が仰がれる。トンネルの左側に峠道を示す雪に埋もれかけた道標があり、先行者の微かな足跡がその奥に延びていた。どこまで行けるかわからないが、まぁ行ってみますか。
トンネル上部の樹林の尾根に取り付くと、ところどころ退色した赤テープがあり、夏道の場所を示している。先行トレースは少し登った所で終わりになっていた。この先、かなり傾斜がきつく、樹林も密なので、あきらめて引き返したらしい。
私も、さてどうしようと思ったが、周囲を見渡すと右手の斜面に赤テープを発見。もう少し登ってみることにする。夏道沿いは樹林が空いていて歩き易い。傾斜は急だが雪質が良く、スノーシューでステップを切って登る。一段、尾根を上がると緩くなり、これはスノーシュー向きと一旦は喜んだ…。
が、その先で稜線は両側が切れ落ちて急角度に登って行く。右も左も、滑り落ちたら大事(おおごと)だ。慎重にこの難所を通過する。登り切ると小テラスになっていて、一息入れる。ルートはこの先、尾根の左の急斜面をトラバースしていて、ますます嫌な感じなので、ここで撤退に決定。
小テラスから振り返ると、雪煙にけぶる湯ノ湖と男体山が見える。また、金精山もさらに間近になって、鋭い稜線を見せる。金精トンネルから時間にしてたった30分の登りだったが、なかなか手強かったので、かなり満足。金精峠には再訪を期して、下りにかかる。
雪の急斜面を慎重に降りれば、あとは楽なスノーシューの下りだ。金精トンネル入口で残りのパンを食べて一休みしたあと、往路を湯元に戻った。
湯元では、荷物を車に放り込んで、早速、温泉旅館のお風呂へ(530円)。冷えた身体を温める。あ〜、ごくらく。硫黄の臭いをたっぷり付けて、桐生に帰った。
注意:金精トンネル入口から金精峠への道は急峻で、冬期は滑落の危険があることを付記しておきます。