破風山・鍬柄岳〜大桁山

天気:時々
メンバー:T
行程:南西神社 11:10 …破風山(450m) 11:40〜11:55 …南西神社 12:25 =(車)= 鍬柄岳登山口 12:45 …鍬柄岳(598m) 13:20〜14:05 …大桁山(836m) 15:05〜15:15 …川後石峠 15:40 …鍬柄岳登山口 16:10

この日は昼頃から晴れとの予報なので、軽い山歩きを計画。西上州の入口にある大桁山は群馬百名山のひとつでもあり、中腹に突き出た岩峰の鍬柄岳も共に気にかかっていた山なので、良い機会だから登ってこようかな。

ということで、「群馬300山」の大桁山・鍬柄岳の項を読んでみると、隣りの破風山にも繫げて登っている。破風山の頂上は鉈を立てたような岩稜と紹介されていて、面白そうだ。また、山麓の南西(なんさい)神社は、鍬柄岳頂上の石祠の里宮とのことなので、順序として、まず南西神社にお参り。破風山を往復した後、鍬柄岳の登山口に車で移動し、鍬柄岳から大桁山を周回する、という計画で出かけて来ました。

桐生を車で出発して、上信越道を下仁田ICで降りて、近くのコンビニで昼食を調達。この時点では暖かかったので、500mlの缶ビールを買い物かごに入れる。

上信電鉄の南蛇井(なんじゃい)駅のそばを通り、蒟蒻畑と民家の間を抜けて、南西神社に向かう。南西神社の東隣りの最興寺の前に空き地があり、駐車は最興寺幼稚園に許可を得るように、という看板があったので、車を置いて幼稚園に出向き、許可を頂く。その際、破風山に登って来ます、と告げると、猪や熊が出るから気をつけて、と心配される。今日は、東急ハンズで約500円で買った熊よけ鈴をザックに付けているので、多分大丈夫。ついでに最興寺山門も見学させて頂く。1863年の築で、江戸時代に諏訪地方で興った建築様式で建てられているそうだ。

南西神社は鳥居をくぐり、石段を上がった尾根の上にある。立派な社殿のある境内は静まり返っていた。社殿の左から細い踏み跡が杉林の尾根筋に入っている。これを辿り、やがて雑木林になると、小さな岩場が二か所あり、最初は真っすぐ越え、次は左から巻く。岩がボロボロなので注意。このあたりから、藪こそ薄いが道なき道になる。

南西神社
登りの途中から破風山を望む

暗い杉林の中を急登し、突き当たった岩場を右へ回り込んで登り易そうなところを登ると、破風山の頂上に着いた。北側が絶壁の岩稜になっていて、南北の山麓やこれから登る鍬柄岳、大桁山の眺めが良い。三つの石祠が少し離れて祀られている他、御嶽大神と刻まれた石碑があり、信仰で登られている(いた?)様子がある。しかし、登山道らしき物は付近に見当たらなかった。

破風山頂上から鍬柄岳と大桁山
破風山頂上から下仁田IC方面

展望を楽しんだ後、往路を車まで戻り、破風山の北側山麓を通る姫街道を経由して鍬柄岳の登山口に向かう。途中から見る鍬柄岳は鋭い岩峰だ。峠を越えてT字路を左に下ると、3台分の駐車スペースがあり、車を置く。ここからも鍬柄岳を見上げることができる。間近に仰ぐと、なかなかの迫力だ。

鍬柄岳登山口の駐車場
駐車場から仰ぐ鍬柄岳

駐車スペースから少し車道を下がったところが登山口になる。富岡市が設置した立派な道標に導かれて、杉林の中の山道に入る。しばらく行くと、お堂がある。周囲にイチョウの黄金色の落ち葉が散り敷いて、色鮮やかだった。

さらに杉林の中をジグザグに登ると尾根に出て、ここにも立派な道標がある。尾根を少し登ると鍬柄岳の岩峰の基部に着き、左に大桁山への道を分けて、右の頂上への道を進む。

鍬柄嶽阿夫利大神のお堂
杉林の中を登って尾根に出る

注連縄の下をくぐると、鎖場が始まる。斜め右上に新しい鎖が延びていて、岩場にはしっかり足場が刻まれているので、困難は感じない。高度感が爽快だ。

岩峰の基部から鎖場が続く
鎖場の途中から四ッ又山と鹿岳

岩壁を登り切ると、松が生えた岩稜を今度は左に辿る。途中、ワイヤーを手摺代わりに岩根を渡る所の方が、むしろ注意を要する。南西神社奥之院入口と刻まれた石碑があり、そのすぐ先が幟の立つ鍬柄岳山頂だ。

鍬柄岳の石祠と荒船山方面の山並
南西神社奥之院の幟の立つ山頂

頂上は小広く、4人グループのハイカーさんが幟の根本で休憩中だった。三つの石祠が祀られた頂上の周囲は断崖絶壁で、いかにも西上州の山らしい。灌木の他は樹木はなく、360度に近い展望がある。東にはさっき登った破風山がちょこんと岩峰を見せ、その先には富岡方面の平野が広がっている。北には杉の植林に覆われた大桁山があり、西にかけては物語山を手前にして、少し白くなった物見山から荒船山にかけての山並が遠望される。もちろん、鹿岳、四ッ又山も間近だ。展望がある分、風当たりも強く、ちょっと寒い。

鍬柄岳山頂から破風山と
富岡方面の展望
鍬柄岳山頂から大桁山

4人グループのハイカーさんが下山して行ったので、幟の根本に腰を下ろし(灌木の陰で、ここが一番風が当たらない)、缶ビールを開ける。昼食は鶏鍋。MSRのストーブで鶏鍋をぐつぐつ煮ていると、入れ替わりに3人グループのハイカーさんが登って来て、豪勢な昼食ですね、と感心された。いやー、コンビニで出来合のものを買って来ただけです(^^;)。

昼食後の休憩をゆっくり取ったあと、頂上から下り、岩峰基部の分岐を大桁山方向に向かう。分岐には大桁山を示す道標はないが、進んで行くとところどころに道標があり、道もはっきりしている。林道を横切って、対面の切り通しの斜面を急な梯子で登る。その上でもう一回林道を横切り、斜め右前の踏み跡に入ると、木の階段が整備された山道に合流する。これが関東ふれあいの道の大桁山登山コースらしい。

あとは杉林の中の幅広い山道で、山腹を大きく切り返しながら緩く登って行く。途中、虻田バス停(4.6km)への道を分ける。最後は、意外と急な階段道を登り切ると大桁山頂上に到着した。

鍬柄岳から大桁山への稜線を辿る
大桁山への登り

細長く平らな頂上は木々に囲まれて展望には恵まれないが、榛名山の方向はよく見えた。ベンチがあり、ゆっくり休憩するのに良い場所だが、既に3時を回って陽が傾き始めたので、下ることにする。

大桁山頂上
大桁山頂上から榛名山を望む

往路を戻り、関東ふれあいの道と合流した地点は真っすぐ降りると、未舗装の林道に出る。千平駅4.9kmの道標がある。あとはこの林道を辿る。川後石(かわごいし)峠のところに鎖のゲートがあり、下からはここまで車で入れるのかな。林道をてくてく下る。途中から見た鍬柄岳は茜色に染まり始めた空を背景に、もうシルエットになっていた。林道のカーブから歩道を降り、大桁やすらぎの森の入口を過ぎると、車を置いた鍬柄岳登山口まではすぐだった。

大桁山の下りから稲含山(左)と
鍬柄岳のシルエット(右前)
林道をてくてく下る

帰りは、かぶら健康センターかのさとに立ち寄る。で温まって外に出ると、陽は落ち、すっかり暗くなっていた。