浅間山

天気:
メンバー:T
行程:浅間山荘 7:15 …火山館 8:55 …前掛山(2524m) 10:35〜11:00 …火山館 12:10〜12:50 …浅間山荘 13:55

一か月ぶりの山歩きは、9月22日に火山活動度がレベル1に下がり、登山規制が緩和されて前掛山まで登れるようになった浅間山に行って来ました。

未明に桐生を車で出発、上信越道を走る。群馬県内は曇っていたが、長野県に入ると青空に浅間山の稜線がくっきりと浮かぶ良い天気。佐久ICで高速を降り、車坂峠に通じるチェリーパークラインを上がって、途中から浅間山荘への未舗装道に入る。紅葉はこの辺りが盛りのようだ。

浅間山荘の前を100mくらい下ったところに登山者用の無料駐車場があり、ここに車を置く。20台程の駐車スペースは既に半分埋まっていた。朝食にお稲荷さんを頂いて出発準備。車の外に出ると、朝の空気がヒンヤリと冷たい。

浅間山荘の右手が登山口で、鳥居をくぐるときれいなWCとプレハブ建ての登山案内所(今日は無人)がある。案内所で登山届を記入してポストに投函し、登山道を歩き始める。最初は渓谷沿いの林道で、周囲の紅葉を愛でながら歩く。

渓流を何回か橋で渡る。道の脇には「○里○○丁」と刻まれた石碑がある。かつては信仰の道だったのだろうか。やがて一ノ鳥居に到着。道はここで二手に分かれるが、どちらに行っても二ノ鳥居で合流する。ここは右の不動滝を経由するルートを行く。


天狗温泉浅間山荘


一ノ鳥居

落ち葉を踏んでまだ日の差さない渓流沿いの道を辿る。こういう晩秋の風情は好きだ。こぢんまりとした不動滝から左へ登ると二ノ鳥居で、一ノ鳥居で別れた道と合流する。ここからは傾斜が増して、長坂と呼ばれるジグザグの登りになる。谷の向こうには剣ヶ峰付近の岩峰が見上げる高さだ。やがて左側がすっぱり切れ落ちた牙山(ぎっぱやま)が見えてくると長坂の登りも終わりで、カラマツの黄葉に日射しが降り注ぐ明るい道を歩く。


不動滝


長坂を登り切ると
牙山が見えて来る

行く手に一木もない浅間山のガレた円頂が結構高く聳えている。左手はササ原とカラマツ林越しに見上げる槍ノ鞘、トーミノ頭、黒斑山にかけての岩稜と岩壁の眺めが素晴らしい。中高年ハイカーさんの約10名のグループに追いつくが、この絶景だし、休憩ポイントの火山館はもうすぐなので、写真を撮りながらのんびり後を着いて行く。


火山館の直ぐ手前から
浅間山を見る


トーミノ頭と黒斑山
(中央右奥)を見上げる

仄かに硫黄の臭いのする谷を渡り、対岸を少し登ると火山館に到着する。ここは平成11年11月に老朽化した旧火山館を取り壊して同じ場所に新築した山小屋で、非常にきれいだ。水場とWCもある。テラスの下は噴火の際はシェルターになる。小屋の中に入ると薪ストーブが燃えていて大変居心地が良い。管理人さんがいるようだが、今は出かけているようだ。ここ、泊まってみたいなぁ。


平成11年11月に新築された火山館


火山館の正面に聳える牙山

ハイカーさんグループは小屋の前のベンチで食べたりしゃべったり、お寛ぎ中。先に出発しよう。火山館の右手の神社からちょっと上がると湯ノ平高原で、枯れ草原とカラマツ林、それらを屛風のように取り巻く稜線の眺めが爽快の一言。途中、お客さん?2人と連れ立って戻って来る管理人さんに出会った。この好天なので散策かな。


湯ノ平高原


草すべりへの分岐から
トーミノ頭(左)と黒斑山

黒斑山への草すべりの道の分岐から意外と樹林の多い平らな道をしばらく行くと、Jバンド分岐に到着。「Jバンド⇦」という道標と案内図、それに浅間山登山に関する和文英文の注意書きがある。左にJバンドへの道を分けて浅間山を目指す。ザレザレの道を緩く登ると矮小なカラマツ林を抜けて、浅間山の山体が全容を現す。


Jバンドへの分岐


賽ノ河原から浅間山を見上げる

ザレた斜面を斜めに上がって行く。眺めがどんどん開けて、振り返ると湯ノ平高原と黒斑山が一望だ。また、Jバンドの向こうには四阿山が遠望される。しかし、遮るものがないぶん、冷たい風が当たるので、一枚上着を着る。さすがにこの季節の2500m級の山の上は寒い。


浅間山への登りから
黒斑山(中央左)を振り返る


四阿山遠望
左手前はJバンド

傾斜が緩くなると中央火口丘(釜山)の下に到着。ここから火口までは立ち入り禁止で、右の前掛山までが登山が可能な範囲だ。少し行くと鋼鉄製カマボコ型のシェルターがある。群馬大学の早川先生のブログによると、このシェルターの凹みは2004年の噴火の際の火山弾の直撃によるものだそうだ。いやー、すごい(@_@;)。


浅間山中央火口丘(釜山)の下に到着
ここから火口までは立入禁止


2004年火山弾の直撃を受けて
大きく変形した鋼鉄製シェルター

前掛山へはザレザレの尾根を辿ってわずかだ。途中、左手の崖から噴気の上がっている箇所もある。頂上は火口側が崖になった、いかにも不安定な場所だ。ここから、火口の東に抜けて小浅間山まで縦走出来れば面白そうだが、この先も立ち入り禁止だ。

釜山の火口の方を見ていると、盛んに噴煙が上がって、火口の縁も白いガスに覆われている。これを見ると火口に近づく気は起こらないのだが、立ち入り禁止を犯して近づくハイカーさんが結構いる。行った人に話を聞くとかなり臭くて火口の中を覗くことは難しいらしい。まぁ、行く人は気をつけて下さい。


前掛山へ続く外輪山


前掛山山頂
後ろに噴煙を上げる釜山

風が強いので、展望を楽しみながら缶ビールを飲むだけにする。昼食は少し下って風の当たらない所にしよう。


前掛山山頂から剣ヶ峰と牙山(右)


前掛山山頂から黒斑山と
湯ノ丸山に続く山稜

浅間山から下る途中、湯ノ平高原からたくさんのハイカーさんが上がって来るのとすれ違った。車坂峠から黒斑山、Jバンドを経由して来る人が多いようだ。火山館まで戻って、小屋の前のベンチでラーメンの昼食にする。双眼鏡で黒斑山の方を見てみると、草すべりの急な斜面を登るハイカーさんが良く見えた。また、剣ヶ峰の方から歩いて来るハイカーさんを数人見かけた。石尊山からのコースが歩けるのかな?

往路をのんびり戻り、浅間山荘のお風呂に浸かる(500円)。沸かし湯だがタオルが染まるほど鉄分が多い褐色の湯で、なかなか温泉気分が楽しめました。