白毛門〜笠ヶ岳
7月は多忙で海の日の3連休もその次の週末も休みなし(T_T)。長引く梅雨も重なって、山登りの間隔がずいぶん開きましたが、ようやく仕事も一段落。この週末は天気も良さそうなので、久しぶりに出かけて来ました。
未明に桐生を車で出発。関越道を水上ICで降りて、湯檜曽川沿いに土合を目指す。土合駅を過ぎ、土合橋の手前で右に入るとすぐに広い駐車場がある。ここが今日の登山口だ。車がたくさんあって、ちょうど出発の準備をしているグループもちらほら。行く手にはこれから登る尾根が急角度で立ち上がっている。ガスが出ているが天気はまあまあだ。さあ、こちらも準備を整えて出発。
東黒沢を橋で渡るとブナ林の中の急登が始まり、数パーティと前後して登る。夏山シーズンに向けてのトレーニングのつもりで少々ペースを上げて登るが、山行のブランクでなまったせいか、すぐにへばる(^^;)。
やがて立派な檜が立ち並ぶ尾根をグングン登るようになり、振り返ると土合の駅舎や山の家の屋根がもう眼下だ。右手の白毛門沢の谷間には、一面の樹林の緑の中に白く糸を引くように流れ落ちる大滝が見えた。樹林帯を抜けて灌木帯に入ると、左手に谷川岳東面の眺めが開ける。流れるガスに大きな虹がかかっていた。
尾根の途中の小ピークの松ノ木沢ノ頭に到着して一休み。行く手には白毛門が高い。頂上にはガスがかかっているが、スラブに突き出たジジ岩とババ岩がよく見える。谷川岳の眺めはマチガ沢や一ノ倉沢の雪渓には日差しが当たって白く輝いているが、稜線はガスの中だ。
松ノ木沢ノ頭から露岩を交えた稜線を登る。ジジ岩ババ岩を真横に見るあたりから、草付きにぽつぽつと花が咲く中を登る。
最後に急な登りで白毛門の頂上に到着。露岩の上に方位盤があり、360度の眺めが得られて居心地が良い。しかし、谷川岳の稜線は相変わらずガスの中だ。
さて、ゆっくり休憩しながら、この先に進むかを考える。今日は笠ヶ岳を越えて朝日岳まで往復するつもりもちょっとはあったのだが、調子があんまり良くない。笠ヶ岳方面にもガスが巻いていて、どれくらいの行程になりそうか、直には見えない。しかし、地図で見ると、ここと笠ヶ岳との標高差は約130mである。これならなんとかなるかな。笠ヶ岳は未踏のピークだし、とにかく笠までは行ってみることにする。
白毛門から笠ヶ岳へは鞍部へ一旦、緩く下る。白毛門までの登りは急峻だったが、ここの右手のウツボギ沢流域は谷も尾根は緩やかで、ずいぶん様子が異なる。鞍部を過ぎると、笹原の登りとなり、ガスの中に雪渓を見ながら登る。
登り着いた笠ヶ岳山頂は、ガスの中に三角点、そして風雪で木の柱だけになったかつての標識?があるだけの小広いピークだ。少し下った所にはカマボコ型の避難小屋がある。行って中を覗いてみると、すのこの上に三人くらいは寝れそうな広さがあり、換気が悪そうな点を除けば居心地は良さそうだ。
ここからさらに朝日岳に進むか否か。他のパーティの様子を見ていると朝日岳まで行く人も多いようだ。しかしそのためには往復でプラス2時間。体力の余裕はなさそうだなあ、などと考えている間に、手が勝手に500ml缶ビールに伸びて、開けて飲んでしまう。まあ、とにかく、これで今日の登りはここまでということに決定。
缶ビール片手にのんびりしていると、突然、オコジョが現れた。あまり人を恐れる様子がなく、ちょろちょろ動いてなかなか可愛い。初めて見た。
そんなことをしているうちに、徐々にガスが上がり青空が広がり始める。朝日岳の方向もガスが切れて、大烏帽子の三角のピークが高い。湯檜曽川を隔てて、谷川岳から一ノ倉岳、武能岳、蓬峠にかけての稜線もガスが晴れて良く見える。ようやく得られたパノラマを眺めながらラーメンを作って昼食にする。
朝日岳まで日帰りで往復した人がぽつぽつ戻って来る。朝日岳は行きたくもあったが、既に登ったことはあるので、ま、いっか。1時間余りのんびりした後、往路を戻る。笠ヶ岳を下って振り返ると、笹原の覆われた笠のような山容が青空の中に浮かんでいた。
白毛門まで戻ると、すっかり晴れた。谷川岳の稜線を隠していたガスも切れて、すっきりとした展望だ。あとは急な尾根道を下るだけである。下界に近づくにつれてどんどん暑くなる。東黒沢では家族連れが水遊びに興じていて、気持ち良さそうだった。
帰りは湯檜曽♨のちょっとデラックスなホテル湯の陣の大浴場で汗を流す(1050円)。桐生に戻ってニュースを見ると、やはり今日、関東地方は梅雨明けしたと報じていた。いよいよ、夏山シーズンが始まる。次はどこに行こうかな。