角落山
休日出勤の代休を梅雨の晴れ間に合わせて取って、登って来ました。なお、登りにとった男坂は沢歩きと急峻な岩場があるコースで、一般の登山道ではないので注意!
車で桐生を出発。前橋市街を抜けるときに通勤時間帯の渋滞に少しつかまる。R406を走り、烏川沿いの長野原倉渕線に入る。山間にも関わらず妙に直線的で広い道だなあと思ったら、倉渕ダムの建設による付替道路だった(ダムの建設はH16年度以降当面の間休止中)。
はまゆう山荘の前で左の未舗装の細い林道に入る(入口に道標あり)。烏川を渡り、少し走ると「角落山(男坂)難路」と書いた立派な道標が現われる。白沢(しらさわ)出合だ。車2,3台分のスペースがあるので、ここに車を置く。木の間から沢の奥をうかがうと角落山の鋭峰が頭上に聳えていて、なかなか登高意欲が湧く眺めだ。
駐車スペースの奥には木の枝に赤テープがあり、ここがルートの入口らしい。すぐに白沢を飛び石伝いに渡り、左岸の道型を辿って砂防堰堤をいくつか越えて二股に出る。ここは道がわかりにくいが、右の沢に入る。
しばらく左岸の道型を歩き、やがて沢の中を歩くようになる。赤テープや黄ペンキのマークがあるし、ずっと沢を遡れば良いので迷うことはないが、登山道というよりは沢歩きといった方が良いルートだ。
コンクリの壁に黄ペンキで↑_○と書かれた堰堤は、指示に従ってコンクリ壁に埋め込みの鉄梯子で左から越える。その上流はしばらく鬱蒼とした樹林の中のゴーロを歩くが、やがて小滝をかけたゴルジュの入口に着く。ここは左岸にはっきりした巻き道がある。
巻き道からふたたびゴーロ歩きになると「保安林」と書かれた黄色い看板が現われる。その横には何と書いてあるか判別出来ないが鉄製の古い道標もある。ここで本流を離れて左の沢に入ると、すぐに左手に黄ペンキのマークがあり、ササの中に登って行く道を指しているので見落とさないように。
しばらくササの中を登るが、再び沢に戻って、滑り易いナメ状の箇所を登る。最後はササの中を一直線に登ると「川浦白沢登山口」と書いた古い道標のある稜線に出る。少し稜線を右に行った所が岩氷分岐だ。雑木林とササに覆われて展望はないが、角落山のΛ形の頂きが木の間からすぐ間近に迫ってのぞいている。葉の落ちた季節ならば、なかなか迫力のある眺めが得られそうだ。
沢を詰めるときの急登と、今日の蒸し暑い天気のせいでぐっしょり汗をかいたので、水分と糖分を補給して一休み。さて、ここから角落山山頂までが、またまた難所だ。
しばらく、雑木林とササの平坦な尾根を歩くが、次第にそっくり返るように傾斜が強まり、最初の鎖場が現われる。岩場をトラバースするもので、沢歩きでよく準備運動ができていたせいか、問題なく通過。すぐに2番目の鎖場の下に出る。階段状にスタンスがあるので登り易いのだが、結構高さがあって緊張する。
2番目の鎖の上は絶壁の縁を登るようになって、浅間隠山の眺めが良い。振り返ると登って来た白沢が緑に覆われていてきれいだ。道は岩壁と岩壁の間の樹林を巧みに利用して、すごい急角度で登って行く。靴幅程の道で岩場をトラバースする箇所もあって、なかなか緊張する。
3番目の鎖場は岩稜の上にかかっている。ここは鎖が振れないようにボルトで固定されているので登り易い。上部は古ぼけたロープの他に、真新しい鎖がかかっていた。これを見ると、男坂は近年整備されているようだ。
3番目の鎖場を通過すれば、あとは問題になる場所はない。少し傾斜が緩まると赤い鳥居をくぐって角落山山頂の神社の前に出た。
山頂からの眺めは良く、剣ノ峰、鼻曲山、その向こうに霞んでいるが浅間山も見える。浅間隠山は金の字の山容が素晴らしく、もし登っていなければ次の山行は決まりだろう(v^^)。展望とハルセミの大合唱に囲まれて、まずは缶ビール。うまーい。そして昼食は今日は軽くお稲荷さんである。
山頂でのんびりしたのち、女坂を下山する。こちらは全く安全なルートだ。途中、登って来るハイカーさんとすれ違う。今日会ったのはこの一人だけだった(平日だから当然ですね)。剣ノ峰との鞍部には道標があり、ここから赤沢に下る。しばらくは山腹のトラバースで、剣ノ峰の岩壁の下を通る。樹林の中の枯れ沢を下り、水がばんばん湧き出している水場を右手に見ると赤沢林道はすぐだ。
林道終点には広い駐車スペースがあるが、車はなかった。あとは林道に沿って、ときどき浅間隠山や角落山を見ながら下るだけである。林道は途中に落石箇所があり、車で林道終点まで入ることは当分の間不可になりそうだ。
赤沢の出合に降りると、ここも駐車スペースがあるが車はなし。烏川に沿って林道を白沢橋に戻ると、ここに車がもう一台あった。多分、角落山で出会ったハイカーさんの車だろう。
帰りは、はまゆう山荘のお風呂(500円)に立ち寄って汗を流す。自然温泉ではないが、今日のようにムシムシする日に、下山後速攻でさっぱりできるのはポイントが高い。それにしても、こんな山奥に北欧風リゾートホテルのような立派な施設があるのには、一驚しました。