奥塩原新湯温泉

〜28日(日)
メンバー:S,S,T

この週末は奥塩原新湯(あらゆ)下藤屋に一泊して、周辺のハイキングコースを歩く予定でしたが、天気が悪く、ドライブと次の機会の山登りの偵察に終わりました。まぁそれはそれで、温泉に浸かり、ご馳走も食べられたので満足しました。

5月27日
天気:のち
行程:桐生 →下今市 →大笹牧場 →土呂部水芭蕉自生地 →湯西川温泉・平家の里 →上三依水生植物園 →奥塩原新湯温泉(泊)

下今市9:39着の東武線列車で到着したS&Sをピックアップ。天気が悪いのでハイキングはあきらめ、小百川沿いの道を大笹牧場を目指す。山奥深く、緑がきれいだ。

到着した大笹牧場は、羊や牛の姿がちらほら見える牧草地が広がる。今日はあいにく雲に覆われ、風が強くて寒い。改装中だが立派なレストハウスがあり、中に入ると悪天候にも関わらず観光客で賑わっていた。乳製品のお土産が充実している。今年9月26日から霧降高原道路が無料化されるそうなので、ドライブコースとして益々人気が出そう。


上空に雨雲が広がる大笹牧場


大笹牧場レストハウス

大笹牧場から栗山村に下り、栗山舘岩線を北に向かう。途中の土呂部(どろぶ)にある水芭蕉の自生地に立ち寄る。水芭蕉の花はもう終わっていて、大きな葉を広げた姿が見られるだけだ。シオヤトンボが沢山飛んでいた。

さらに土呂部川を遡る。途中でサルを見かけて、今回は撮影に成功。土呂部峠の三叉路から北上する道は栃木・福島県境に至るが、現在通行はできない模様。ダンプがどんどん入って行くところを見ると工事中か。ここで右折し、山を下って湯西川温泉を目指す。こちらも山・谷が深い。雰囲気は峰続きなだけあって南会津と良く似ている。このあたりの山々には馴染みがないが、これを見るとちょっと登りたくなって来ますね。


土呂部水芭蕉自生地


栗山舘岩線で見かけたサル

やがて谷が開けると平家の隠れ里と云われる湯西川だ。民家を再現した「平家の里」があるので、立ち寄ってみた(500円)。源平の戦いに敗れた平家一族は最初、高原山に身を隠していたのだが、一族の婦人が男の子を出産。それを祝って端午の節句に鯉のぼりを立てたところ、源氏方の追っ手に見つかって逃げて来たのが湯西川。以来、湯西川では端午の節句は一日遅れで祝い、鯉のぼりは掲げないという風習が残っているそうだ。


湯西川温泉平家の里


平家の里の復元された民家

湯西川温泉から五十里湖に出て、R121を北へ向かう。上三依(かみみより)の国道沿いに水生植物園があるので、見学して来た(300円)。山でよく見かける植物が多数栽培されていて名札が付けられているので、植物の名前に疎い私としては大変勉強になる。ちょうど、クリンソウやシャクナゲが満開だった。


上三依水生植物園
ピンクの花はクリンソウ


池にはコウホネやヒツジグサなどが生える
手前はミツガシワ


クマガイソウ


ミヤマオダマキ


シャクナゲ


タイツリソウ

上三依から尾頭トンネルを抜けて、奥塩原新湯温泉へ。3時頃、今日の宿の下藤屋に到着。早速、風呂に入る。内湯だが檜の床で白濁した硫黄泉の、いかにもらしいだ。この他にも、今回は雨が降っていたので入らなかったが、露天風呂や3カ所の共同浴場がある。

5月28日
天気:
行程:奥塩原新湯温泉 →大沼 →日塩もみじライン →日光 →桐生

今日も朝から雨である。温泉街のすぐ裏手の温泉神社の前まで車で移動。少し小降りになったので、参道の階段を上がって、温泉神社に参拝する。境内には小屋掛けされた中に古い石幢(せきどう)がある。説明板があり、つぎのような沿革が記されていた。

刻銘文によると、永正十五年(西紀1518年)四月吉日、願主昌泉が悪疫流行をおさめるため旧湯本村(現在の元湯温泉)湯泉神社に奉納されたものである。

その後、湯本村は万治二年(西紀1659年)二月末日の大地震により、八十五軒の村落が瞬時にして崩潰し、村人たちは天和年中に新湯村、高原村、上塩原村、下塩原村等に四散して再起の道を選ぶ。

この石幢も、そのとき湯泉神社と共に、この地に遷されたものである。

この石灯形の石幢は、鎌倉期から室町期かけて盛んであった地蔵信仰の供養塔で、関東地方ではまれにみるものであり、また湯本村の隆盛を物語る貴重な資料でもある。

「新湯」温泉といっても、約350年の歴史があるのだから、びっくりである。


塩原自然研究路の起点となる
温泉神社の入口


温泉神社の社殿


六面に地蔵を彫り刻んだ石幢


噴気口の上から温泉街を俯瞰

予定では、ここから富士山(ふじやま)に登り、大沼、ヨシ沼を周回するコースを歩くはずであったが、雨なので断念。噴気口の上まで行って温泉街を俯瞰する。硫黄の匂いとザレた斜面から立ち昇る水蒸気が、いかにも温泉らしくて良い。

温泉神社入口まで戻って、車で大沼に移動する。大沼には広い駐車場と真新しい休憩舎、WCがある。天気が良ければ絶好の観光ポイントで賑わいそうなところだが、今日は雨が降っているので閑散としている。折角なので、登山靴に履き替え、雨具を羽織り傘を差して大沼を一周する。水辺に沿って立派な新しい木道が整備されていて、歩き易い。森林・草原・沼が揃ってなかなか風情のあるところである。おすすめ。雨で富士山が霞んでしか見えないのが、ちょっと残念。


大沼


大沼から富士山

車に戻り、日塩もみじラインをドライブ。途中、雨で増水して迫力アップの太閤おろしの滝を見物。日光でS&Sと別れて、桐生に帰った。