守門大岳
守門岳は中越の名山で、北側に開いた大爆裂火口の縁に袴岳(1537m)、青雲岳、大岳が連なる山塊を成している。普通、守門岳というと最高峰の袴岳を指す。豪雪地帯にあり、積雪期には袴岳〜大岳の稜線に日本有数の大雪庇が出現する。また山スキーのフィールドとして有名で、私にとっては紅葉の時期に登ったことはありますが(山行記録)、山スキーでも一度行ってみたいと思っていた山です。
今回、二分(にぶ)から保久礼(ほっきゅうれ)を経て大岳を往復する山スキーの人気コースに、テレマークで行ってみました。雪が重くて思うようには滑れませんでしたが、天候に恵まれて見渡す限り雪、雪、雪の開放的な景観を楽しんで来ました。
桐生を4時過ぎに車で出発。関越道を小出ICで降りて、R252、R290を走る。今年は「平成18年豪雪」と命名されるほどの豪雪だったので、山麓でもまだ2〜3mの雪がある。二分集落奥の二分橋から約1km先まで除雪されていた。人気コースらしく、終点には既に車が10台ほどあって、出発準備をしているパーティもいる。スキーと登山と半々くらいのようだ。
シールをつけて歩き出す。トレースが沢山ついていて、それを追って行けば良いので楽だ。すぐに西川を橋で渡る。この橋の上の雪は何mくらいなんだろうか。とにかく、すごい雪の量だ。
大平に向かう林道(と言っても完全に雪に埋もれている)をショートカットして、小尾根に取り付く。最初に急でぐずぐずの雪の斜面があり、短い登りだが一苦労。あとは急な登りはない。尾根を行くと用水路(これも雪の下)に出るので、これを左に辿り、浅い谷を登って適当なところで左の尾根の上に出る。振り返ると唐松山から上権現堂山、下権現堂山が真っ白な峰を連ねている。ここからは長峰に向かい、正面に大岳の真っ白な頂上を仰ぎながら、広くて緩い尾根を登る。
緩いピークを越えて一旦小さな鞍部に下ると、屋根の上にバームクーヘンの切れ端のような雪を載っけた保久礼小屋が現れる。ここからちょっと急な尾根上の登りとなる。キビタキ小屋は影も形も見えなかった。
ヤドリギのついたブナが多く、シジュウカラが飛び回っていて、時々、雪の上にヤドリギ?の種が混じった粘液状のフンが落ちていた。これを持ち帰って、どこかの木になすり付けて芽が出るところを観察したら面白いかも、という考えがよぎったが、付けられた木はたまったものではないだろうから止めておく(^^)。
プナ林を抜けると、無木立の広い尾根が広がっている。雪山のこの開放感がたまらない。振り返ると、麓の野山もほとんど真っ白で素晴らしい。
最後の短い急登で緩やかな大岳の山頂に到着した。雪また雪の稜線が南北に連なり、素晴らしい景観だ。頂上では数パーティが休憩していて、その中の方に袴岳をバックにシャッターを押して頂く。中津又山の方の稜線も、ものすごい雪庇だ。天気は良いが風が強いので、テルモスの黒豆ココアでビスケットを流し込むだけにして、ビールと昼食は下がったところで摂ることにする。
さて、滑りである。登っているときはそこそこ行けそうな雪かと思っていたのだが、いざ滑り出すと重い、重〜い。少し前に雪が降ったようで、まだ白い雪だし、粒も小さい。滑っていて、登りより疲れた気がする。それでも、下りは全然速いですが。あと、今シーズンはスキー自体4日目というのもあるなー。やっぱりもっと練習してから来ないと。
ブナ林に入って慎重に滑り、最後は尾根の右の急斜面を滑ってみる。2回こけました(T_T)。保久礼小屋の鞍部で昼食にする。ここまで来ると風もなく暖かい。滑って疲れたのもあるけど、ビールがうまい!あとは例によって餅スープ、そしてデザートにオレンジを食べて、疲労も回復。
丁度、隣りで休憩していた地元?のアルペンスキーで来ていた方と、テレマークってどんな風に滑るの、というところからちょっと話が始まる。やはり雪質は4月頭くらいがいいそうだ。それから、浅草岳の方もスキーにいいよ、という話を伺う。ここよりも良いそうだ。私はここは非常に良いと思ったのだが、それよりいいなら、これは行かずんばなるまいて。
あとは、往路をテレテレと滑って、車まで戻る。そして、守門♨に立ち寄り、ゆっくり温まって足の筋肉をほぐしてから帰途についた。