天狗岩〜烏帽子岳

天気:
メンバー:T
行程:天狗岩登山口 7:10 …天狗岩展望台 8:05〜8:25 …シラケ山(1274m) 8:45〜8:55 …マル 9:50 …烏帽子岳(1150m) 10:05〜11:10 …天狗岩分岐 11:50 …天狗岩登山口 12:25

上野村塩ノ沢から天狗岩に登り、シラケ山、マルのピークを経由して、南牧村大仁田の烏帽子岳まで往復して来ました。シラケ山〜マルの間には稜線伝いのちょっとスリルあるコース(往路に歩いた)と、稜線下をトラバースする安全なコース(復路に歩いた)があり、意外と楽に歩けました。

桐生を車で発ち、高速で伊勢崎IC〜下仁田IC間を走り、昨春開通した湯ノ沢トンネルを経由して塩之沢に向かう。一昨年の秋に諏訪山に登った際は、新町から神流川沿いに延々走ってようやく上野村に辿り着き、その奥深さにびっくりしたものだが、今回は桐生からたったの2時間強。便利になったものだなぁ、と実感する。

湯ノ沢トンネル出口から国民宿舎やまびこ荘の前を通って、塩ノ沢峠を越える県道を上がったところが天狗岩登山口。少し先に15台分程の駐車場があるので、ここに車を置く。一番乗りで他の車はない。今日は良い天気だが、谷間にはまだ陽が差さず、ひんやりとした空気の中を出発。登山口から沢に沿って登って行く。

避難小屋(といっても屋根と壁だけのもの)のある奥の二股に到着すると、道が二手に分かれて、どちらにも天狗岩へという道標がある。ここは右のルートに入ってみる。


天狗岩登山口


奥の二股

沢を詰め上げて、最後はカラマツ林の緩斜面を登って稜線に到着。稜線を左に登ると石祠のある天狗岩頂上だ。ここは展望はないが、少し先の岩峰に鉄橋が架かっていて、これを渡ると絶壁の上に手摺のある展望台で、北に向かって遮る物のない絶景が得られる。

まず、これから向かう烏帽子岳が白い岩肌を纏った鋭いピークを見せている。また、兜岩山から行塚山、毛無岩にかけての稜線が一望で、その向こうには冠雪した浅間山が遠望できる。鹿岳や妙義山のぎざぎざの稜線も良く見える。お隣にはシラケ山が頂上に露岩をのせて聳えている。そこへの稜線もなかなか険しそうだ。どこをどう行くのだろうか。

展望台でゆっくりしているうちにご夫婦が一組登ってこられたので、入れ替わりに出発。天狗岩の遊歩道をシラケ山方向に下ると、烏帽子岳を指す新しい道標が現れ、良い道が分岐している。この道を辿るとシラケ山の中腹で二つに分かれ、左へは「烏帽子岳(横道コース)」と書いた新しい道標が指している。ほぼ水平に山腹を巻く道のようだ。右は山腹を斜めに登る道で、ちょっと古い道標がやはり烏帽子岳を指している。横道コースの方にはマジックで「無難」と書き込みがある。帰りは横道コースを通ることにして、行きは右へ進む。


天狗岩展望台から烏帽子岳


天狗岩展望台から行塚山〜毛無岩の稜線
遠くに冠雪した浅間山を望む


天狗岩展望台からシラケ山


シラケ山中腹の横道コース(左)分岐

右の道も、どうもシラケ山は巻いているようなので、先程の分岐から少しのところで登山道を一旦離れ、カラマツ林の中の踏み跡を適当に拾って一番高い所を目指すと、簡単にシラケ山の頂上に出た。頂上には天狗岩からも見えていた露岩があり、北側は崖。そして、360度の展望だ。南側の展望でひと際高いのは御座山だろうか。振り返ると天狗岩展望台に人がいるのが見えた。向こうからも私が見えているかな。


シラケ山から天狗岩(中央)を振り返る


シラケ山から烏帽子岳

登山道に戻って先に進む。古い道標と新しい道標が沢山あって、道ははっきりしている。シラケ山を下り、岩場を左から巻いて再び稜線に出ると、小ピークが連続する痩せ尾根となる。行く手のピークに天狗岩展望台で会ったご夫婦がいるのが見えた。私がシラケ山に登っている間にどうも追い越されたようだ。写真を撮っているようで、私に気が付いてこちらにカメラを向けているので手を振ったが、逆光になっているので写っただろうか。

ところどころに岩場のある痩せ尾根で、道は細いが良く踏まれて藪もなく、問題なく歩ける。しかし、最後のピーク(P4)からマルの鞍部へ向かっては痩せた岩稜となり、左側はすっぱり切れ落ちていて高度感があり、慎重に歩く。岩の割れ目を下ると、ようやくスリルある岩稜も終わり。横道コースと合流して鞍部に下る。雑木林に囲まれた広場になっていて、ここまでの緊張がほっと緩む。


シラケ山〜烏帽子岳間の岩稜


P4からマル(左)と烏帽子岳

鞍部から右へマルを巻いて烏帽子岳に向かう道もあるが、一応、マルの頂上に向かう。頂上は木に囲まれて展望はない。黒川峠への稜線にも明瞭な道がついていた。烏帽子岳へ向かい尾根を下る。鞍部で大仁田からの道を合わせ、烏帽子岳の岩峰に取り付く。木の根岩角を摑んでの急登だが良く踏まれているので大丈夫。一旦、北側の断崖絶壁の上に回り込んで、頂上に着いた。


烏帽子岳山頂


烏帽子岳からシラケ山と天狗岩(左)

烏帽子岳の頂上では数パーティーのハイカーさんが大展望を楽しんでいた。頂上の周囲は低い灌木なので、遠くからの見た目よりは穏健な山頂だ。まずは缶ビールを開けて、餅入りスープを作って昼食とする。まだ登ったことがない三ッ岩岳や大岩・碧岩に近く、良く見えるので、双眼鏡で偵察しておく。

デザートに柿を食べてゆっくりしたのち、烏帽子岳の頂上を後にする。帰りはマルの巻き道を通る。この巻き道の入口はちょっとわかりにくく、木の枝の赤と黄のテープだけが目印だ。落ち葉ふかふかの道で、振り返ると烏帽子岳の頂上が見上げるように高い。

往路でスリルは堪能したので、帰りは横道コースを戻る。烏帽子岳から向かった場合、稜線コースの入口には稜線コースへの道標がないのでわかりにくいし、わかっても怪しげな道に見えて、初めてだとちょっと躊躇しそうな雰囲気のところだ。横道コースはずっと稜線下をトラバースする道で、危ないところは全くなかった。往復とも横道コースを使えば、軽いハイキングコースになるだろう。

往路に比べるとあっけなくシラケ山と天狗岩の間の鞍部まで戻る。団体のハイカーさんが天狗岩展望台を目指して登って行くところだった。天狗の岩洞を覗いたあと、奥の二股からは往路と同じ遊歩道を下って登山口に戻る。駐車場の車は10数台に増えていた。


マルの巻き道から烏帽子岳を仰ぐ


横道コースと稜線コースの分岐点

帰りは国民宿舎やまびこ荘に立ち寄って風呂に入ったあと、再び湯ノ沢トンネルを通って帰桐した。