志津倉山
体育の日を含む3連休、南会津の西山♨に2泊して周辺の山に登る計画を立てて出かけて来ました。
初日の8日は、桐生を車で発ってR122で日光を経由し、東武線下今市駅前でS&Sをピックアップ。R121で山王峠を越え、田島からR400で舟鼻峠を越え、R401で喰丸峠をトンネルで抜け、博士山の開けた山裾に点在する山村を辿って滝谷川沿いに下る。途中寄り道して「つむじ倉滝」を見に行こうとしたが、大成沢からの林道は崖崩れで工事中、通行止のため断念(別方向から迂回路があるらしい)。その分、時間ができたので、柳津市街まで行って福満虚空蔵尊圓蔵寺に参拝したのち、今日の宿の西山温泉中ノ湯に到着。早速、風呂に入る。
近くに発電出力日本一の地熱発電所があるだけあって、源泉が75℃もあって熱すぎるのを水で埋めている以外は、混じりけなしの本物の温泉だ。男女別の内湯と、別棟の男女別なしの檜風呂+露天風呂がある。料理も山菜、きのこ、魚を中心とし、馬刺も出て美味い。満足し、明日の天気を願って就寝。
翌9日、天気はまあまあの模様。当初の計画通り、志津倉山に向かう。
車で中ノ湯から出発。大谷峠を越え(今回は峠越えが多い)、大谷川を上流へ、志津倉山の登山口を目指す。最奥の入間方の集落を過ぎると、行く手に志津倉山の両側が断ち切れた稜線が望める。中腹左の方には、兎の耳のような形をした巨大なスラブの雨乞岩も見える。
志津倉山の登山口には10台ほどの駐車スペースがあり、ここに車を置く。連休とあって関東近県ナンバーの車も多く、8割方埋まっていた。
登山口には案内図と御影石の遭難慰霊碑がある。碑銘には「ジェフに捧ぐ」とあり、外国の方が遭難されたようだ(地元中学校で英語指導助手をされていた方だそうだ)。遭難の状況は判らないが、ちょっと身が引き締まる思いがする。また、登山口のすぐ奥には慰霊と山行の安全を祈念した鐘がある。気をつけて行きましょう。
登山道はすぐに細ヒドコースを右に分け、沢に沿って登って行く。周りはブナを主とした鬱蒼とした樹林だ。道を塞ぐブナの倒木には、ツキヨタケがびっしり生えていた。このあたりでは、紅葉はようやく色付き始めたという段階である。行く手には、白い岩肌が鈍く光る大スラブが見えて来る。雨乞岩だ。
登山道は雨乞岩の下で二子岩コース(右)と大沢コースに(左)分かれる。ここは少し楽そうな大沢コースを行く。再び、二子岩コースと合流すると水場だ。少し平地があり、この先はシャクナゲ坂の急坂になるので、ミカンなどを食べて小休止とする。
水場から沢を離れると急な登りとなる。途中、一カ所ある鎖場は腕力頼りだ。これを越えると、木の根を摑んで登る小尾根となり、右側はすっぱり切れ落ちた岩壁だ。途中、屛風岩と書かれた標識がある。谷を隔てた山腹には大きなスラブがあるが、足元も絶壁なので、どちらを屛風岩と言っても差し支えなさそうだ(実はどっちだろう)。振り返ると、登って来た谷と猫啼岩の眺めが良い。
右側に断崖絶壁を垣間見ながらの急登がしばらく続くが、その名の通り、3本の大きな松のある三本松に到着すると小平地があり、ホッと一息である。ここからは傾斜も少し緩くなって、ブナ林の中を登り詰めると主稜線に出た。稜線を左(東)に辿ると志津倉山本峰であるが、そちら方向への踏み跡は殆どない。右(西)へ稜線を歩くと、アップダウンもなく10分程で志津倉山(1234m)の頂上に到着した。
頂上には数パーティのハイカーが休憩していた。南北の眺めが開けているが、今日の天気では視程はあまり良くない。地熱発電所から水蒸気がもくもくと上がっているのが目立つ。そうすると、その左の集落が西山か。パンとお湯を沸かして作ったスープで昼食とする。
さて、下山にかかりましょうか。頂上からさらに西にブナとササの稜線を辿る。「下山コース」という標識を見ると稜線から離れて急な下りとなる。ところどころから山麓の集落が見える。滑りやすい急な道を下ると、小さな沢を渡る。ここが細ヒドだ。さらに傾斜が強まり、岩壁の横を下る。ここが糸滝でした。水は殆ど流れていなかった。
急な下りはさらに続き、一枚岩を梯子で下るところを過ぎて漸く緩い道となる。付近はブナの林だ。ただ、こちらの方はまだ葉が青々としていた。もう少し時期が遅ければ、素晴らしい黄葉が見られただろう。大沢コースと合流すると、登山口まではすぐであった。
中ノ湯に戻り、早速♨に入って、風呂上がりにビールを飲む。極楽、極楽。明日は博士山に登る予定だが、天気はどうなるかな。