七面山
関東にはまだ梅雨前線が居座っていて、海の日3連休は雲が多く不安定な天気との予報。関東甲信の梅雨明けは平年で7月20日頃(気象庁)なので、海の日を一週遅くして25日だったら梅雨明け直後の安定した晴天の可能性が高くて良いと思うのだがなー。それだと小中学校の夏休みと重なるか。でも学力低下が懸念されているおり、生徒の休みは減らして良いのだ(^^)。
天気が良ければ連休にはテントを担いで南ア南部に行こうと思っていたが、それはまたの機会にして、お隣の七面山に日帰りで登って来ました。
桐生を未明の3時半に発ち、雁坂トンネル経由で七面山表参道登山口の山梨県早川町羽衣を目指す。約190kmのロングドライブ。桐生から檜枝岐に行くのとほぼ同じ距離である。
登山口の横にはWCや10数台分の駐車スペースがある。ここは車で満杯だったので、少し手前の広い駐車スペースに車を置いて出発。ちょうど大型バスでやって来た白装束の団体が登山口に集合しているところだった。大部分が若い人なのにはびっくり。仏教系学校の関係だろうか。
団体さんの先に行かせて貰って登り始める。表参道は七面山を目指して急な斜面を一気に登って行く。ジクザグに登るので常に一定斜度、階段の段差も適度なので歩きやすい。大きな杉並木の間の道は幅が広く、脇には多数の灯籠やベンチがあり、多くの人に歩かれて来たことがわかる。
それにしても今日は湿度が高い! 湿度100%ではなかろうか。Tシャツがあっという間に汗でぐしゃぐしゃになる。こういう単調な登りのとき、普段ならばトレーニングモードがオンになるのだが、今日は湿気って点火せず。
下の方からは、団体さんのリーダーが拡声器で音頭をとり、それに合わせて皆が唱える南無妙法蓮華経の題目が聞こえてくる。昔、運動部に所属していたとき、練習中に掛け声を出していたことを思い出す。団体の他に、普通の格好で題目を唱えながら登る人も多い。相変わらず変化のない登りが続き、こうなると登り自体が修行だ。途中に設けられた坊(休憩所)だけが登りのアクセント。下から3つめの中適坊で一本とる。
4つめの坊の晴雲坊までは約1時間の登り。途中に麓が見下ろせる場所があるが、下界は靄の中だった。晴雲坊を過ぎると杉並木が少なくなって広葉樹が主になる。標高が上がって来たので、さすがに涼しい。次の休憩のときに汗が冷たくならないよう、歩いている間にかいた汗が乾くくらいのニュートラルな強度で登って行く。
左手に荷揚げ用ケーブルを垣間見ると、ほどなく敬慎院のりっぱな山門に到着。山門をくぐって少し登ると敬慎院の境内に到着した。手水舎があったので水を頂く。冷たくてうまかった。左に行くとすぐに随身門がある富士山展望台の広場である。ここに設置されていた展望説明板によると、富士山や富士川流域、駿河湾の眺めが良いそうだが、今日はガスがかかって、一瞬、富士山の姿が大きく見えただけだった。
随身門から階段を下ると本堂。意外と広く明るく開けた境内には他のお堂も沢山あって、渡り廊下で繫がっている。渡り廊下の向こうには池(一ノ池というそうな)もある。本堂の後ろには七面山のピークが見える。随身門に戻って、そのピークを目指す。
荷揚げ用ケーブルの小屋を過ぎると様子が一変し、ササとカラマツ林の緩い登りになる。ナナイタガレと呼ぶ大崩れに突き当たって右に折れると、急な登りになる。ただし、最近、新しく道が切り開かれたようで、道はガレから離れた所を通り、ガレとの間にはトラロープが張られている。ロープをくぐって、わざわざ近寄らない限りは、ガレを覗き込める場所はない。で、わざわざ見に行ってみたが、今日はガスのために下の方までは見えなかった。ちょっと残念。
最後は南アらしい黒木の密生した尾根になり、明るく開けた七面山山頂の平地にひょっこり出た。三角点と展望を説明した碑がある。かつては展望が良かったのだろうが、今は周囲のカラマツ林が大きく育ってしまったため、北西の方向に笊ヶ岳らしい鋭峰が見える他は展望皆無である。かなり残念。
おまけに頂上には羽蟻が異常に多く、地面には巣穴が密集している。今夏はあちこちの山で虫が多いという話を耳にするが、これもそうなのだろうか。展望もないし、あまり居心地も良くないので、(ここは身延町飛地の境界なので OKと勝手に解釈して)ビールだけ飲んで、往路を戻る。
手水舎の広場の片隅にベンチがあったので、ここでラーメンを作って昼食を食べ、下山にかかる。団体さんとすれ違った他、午後を過ぎてもどんどん人が登って来る。当然、今晩は敬慎院に宿泊するのだろう。若い人が結構多く、山ではほとんど中高年登山者しか見ない昨今の状況からすると、なんか新鮮である。もちろん年配の方も多い。登山などは多分しない人が、五合目からの富士山くらいの標高差を登るのだから感心してしまう。
下りは速い。途中ですれ違ったおばさんから「楽そうに下るわねー」と感心される。これにはコツがあるのですよ。という訳で(?)、この場でコツを大公開。前に出した足が地面に付く直前に一瞬止めるんです。そうすれば着地の衝撃が少ないのだ。ただし、大腿四頭筋をかなり使うので、場所によっては筋肉痛になります(例えば金城山)。
再び汗だくになって下山。帰りは雨畑湖畔、馬場にあるVILLA雨畑の♨で汗を流した(500円)。ここは廃校を利用した施設だそうだが、設備は新しくきれいだ。周囲を急峻な山々に囲まれ、自然環境も素晴らしい。今度はここから笊ヶ岳に登ってみたい。