八総佐倉山
以前、南会津の湯ノ花♨に宿泊して、大嵐山(おおあれやま)と田代山を目指したことがある。そのときは天気に恵まれず、霧雨の中を大嵐山に登っただけで終わった(山行記録)。
今回は前日に檜枝岐に宿をとって、梅雨の最中で天気は心配だが、田代山に再挑戦。前日は檜枝岐に入るだけなので、その途中で足慣らしというか、行きがけの駄賃で舘岩村の八総佐倉山(やそうさぐらやま)に登って来ました(八総は麓の地名。同じ村内にある別の佐倉山と区別するために冠する)。小さな山なので楽勝と思っていたら、すごく急な尾根歩きが待ち受けており、さすが会津百名山の一つ? 意外と梃子摺りました。
10時前にS&Sを下今市駅前でピックアップし、R121を北上して山王峠を越え、R352を辿って滝ノ原あたりのそば屋で昼食をとり、佐倉山の北麓、舘岩村井桁に12時頃に到着。井桁集会所の前の広場に車を置かせてもらう。後ろには佐倉山の頂上がすぐそこに見えている。
当初は、井桁バス停から登山道に入って、天狗岩経由で登る予定だった。しかし、この道に入ってみると藪っぽくてあまり歩かれていない様子。それでも天狗岩までははっきりとした道があったのだが、その先は樹林帯の中で道型なし。引き返して、R352を少し戻ったところの東登山口から山に入る。こちらの方には舘岩村が設置した「佐倉山登山口」という立派な道標があり、道も良さそう。ただし、登山口脇の駐車スペースは右下の写真のような状況で、使用不可である。
登山道に入ると樹林帯をジグザグに登って、やがて稜線に出る。「佐倉山」という道標が現れるとその先が屛風岩で、右(北)側が崖の露岩の尾根となる。尾根の上を辿ると麓の井桁の集落が足元に見える。車を置いた集会所も見えている。眺めが良いので一休み。そのまま尾根を進むとちょっと岩場になったので、少し戻って左から露岩を巻いた。
樹林に覆われて展望のない尾根道が続く。わずかに木の間から見える佐倉山の山頂は意外と遠い。急な登り降りを繰り返して、ようやくテレビ塔のあるピークに到着。すこしだけ展望が開けて、行く手に佐倉山も見える。この付近は藪っぽいので、真夏の登山は避けたいと思った。
テレビ塔を過ぎるとますます急登となり、トラロープが出てくるが、かなり年代物なのでヒヤヒヤしながら使う。いくつかのピークがあり、そのたびに頂上かと騙される。あまりの急登についにS&Sが脱落。急登は登りより下りの方が怖いので、危険を感じたのならばこの辺でやめておくのが正解。私一人頂上を目指す。しかし、次のピークが頂上かと思ったら、また騙されて、もう一山あったのには参った(^^;)。
いくつもの偽ピークを越えて到着した山頂は、藪っぽい灌木に囲まれてはいるが、あいたところからの荒海山や七ヶ岳の眺めが良い。尖ったピークの上なので、山麓の眺めもなかなかだ。ゆっくりしたいところだが、二人を待たせている所から予想外に時間をくったので、写真を何枚か撮って下山にかかる。
二人と合流して往路を戻る。稜線を渡る風も涼しく、登りよりは体力的には楽だが、滑り易い急な下りには神経を使った。登山口から車を置いた集会所に戻り、今日の宿の檜枝岐に向かった。途中、R352から佐倉山の山容が見渡せた。麓から見るとやっぱり小さい山なのだが、結構急な稜線もあり、あそこで苦労したんだなあと考察。小さくても、侮れない山でした。
檜枝岐では旅館ひのえまたに宿泊。露天風呂で汗を流したあと、ビールと名物の山人(やもーど)料理を堪能。夕刻、かなり激しい雨が降ったが気持ち良く酔っぱらって、明日の天気に気を揉むこともなく眠りについた。さて、明日の田代山登山はどうなるでしょうか。