小戸川〜熊鷹山
8月末に夏期休暇を取っていろいろ計画していたのに台風16号来襲…。近場ですが、こやつが過ぎ去った午後の晴れ間に出撃して、気を晴らして来ました。
桐生を正午ちょい前に車で出発。近くの生協でビール、唐揚げ、エビ巻寿司を仕入れ、桐生川ダム、老越路峠、近沢峠と山道を走って、小戸川の奥の登山口へ。小戸の最奥人家の先からは未舗装の悪路。登山口まで直線距離で3kmほどだが、雨裂が進行しているところもあり、シビックにはかなりつらい道だ。
登山口は周囲が伐採地で少し開けた平地があり、車数台が置ける。今日は4WDが1台だけ。熊鷹山へ、という小さな道標に導かれて小戸川の渓谷に沿った登山道に入ると、すぐに「まな板の滝」が現れる。こじんまりとした滝だが、今日は水量が多い。台風に吹き込む南風でかなり蒸し暑かったが、滝のおかげで少し涼しくなる。
次に現れる「五段の滝」は岩壁を割ってゴルジュの中を流れる滝で、このコースでは一番の迫力。これを見ただけでも来た甲斐あり。左岸の岩壁の中腹を穿った道で滝を通過する。かなり手間がかかった道で、すぐ上流に廃坑?の入口があるので、かつての鉱山道だったのかも知れない。
「仙の滝」と杉の大木の並木を過ぎると、左へ丸岩岳への道が分岐する。現地の道標によると「いちろう新道」と呼ぶらしい。この道は知らなかったが、面白そうなので帰りは丸岩岳経由で下ることにして、右へ熊鷹山を目指して登る。
この上流にも積み重なった岩塊を流れる「小坂第一の滝」、優美に斜めに流れ下る「小坂の滝」と滝が続くが、「夫婦杉」を過ぎるとワサビ田が多くなる。支流にも棚田のようにワサビ田があって壮観。ワサビは田沼町の名物だそうです。
小さな道標に従って本流から離れ、植林された小さな窪を登る。植林が終り、ササ原が出てくると尾根を絡む登りとなる。木の間越しに丸岩岳への緩い主稜線も見え、ササと樹林が綺麗な気持ちの良い道だ。
最後は山腹を巻き気味に主稜線に出、右へ木の鳥居をくぐって登るとすぐに熊鷹山の頂上。頂上の櫓に上がると先着の方(4WDの主)が一人。今日はエアロゾルが台風で飛ばされて、この時期にしては視程がきく。根本山の向こうには袈裟丸山、皇海山。その右には十二山、氷室山、横根山の奥に男体山がくっきり見える。心地好い風に吹かれ、唐揚げと展望を肴にビールを飲み、寿司を食べてすっかりご機嫌〜。
帰りは丸岩岳経由で。縦走路はササの下生が気持ちよい樹林の道。登り下りもごく僅かだ。丸岩岳は相変わらず展望なし。野峰への縦走路は踏跡が薄い。
丸岩岳から小戸川へ下る道はそんなに急ではないが、一部滑りやすい。最後はモミやスギの大木を見て往路に合流。登山口へ戻る。車に戻ったときにはまだ4時半なのに日は傾きかけ、昼間あれだけ蒸し暑かったのにひんやりして、夕暮れの雰囲気。もう秋だなー、と感じつつ、桐生に帰った。