牛ヶ峰
静岡に所用があったついでに、静岡市郊外の低山に登って来ました。
当初は安倍川奥の山伏に登る予定だったのだが、台風10号が接近中で雲行が怪しく、2000m級の稜線上の風雨はさすがにシビアと思われるので断念。かと言って、せっかく静岡まで来て、このまま帰るのももったいなーい。ということで、標高717mの牛ヶ峰(地形図での表記は高山)に登って来ました。頂稜は緩やかですが、沢筋は滝をかけて結構急峻。意外と歩きごたえがありました。
前日、所用を済ませて静岡駅近くのビジネスホテルに宿泊。翌31日、静岡駅のコインロッカーに余分の荷物を預け、奥長島行きバスで八十岡入口バス停へ。下車すると雨がざんざん降っていて、ここまで来たことについて少し後悔の念がよぎる。しかし、まぁ、行ってみますか。
帰りのバスの時刻を確認し、折り畳み傘をさして歩き始める。幸い、しばらく歩いているうちに雨は止んだが、湿度が非常に高い。厚い雲が垂れ込めて、今日は降ったり止んだりの天気になりそうだ。
八十岡の集落と雨に濡れて緑鮮やかな茶畑の間を抜け、沢沿いの林道に入る。路上に小さな沢蟹がたくさんいる(下山コースの沢筋にも多かった)。林道の終点に団子石という標識があり、山道に入る。
沢沿いの道はところどころ草藪が濃い。谷を詰め上がっていくと不動滝の分岐につく。右へ行くと5分程で不動滝の下に出る。今日は水量が多いこともあり、なかなか立派な滝だ。
分岐に戻り、左へ杉林の中を急登する。杉の根元に雨宿りしていたセミが、近づくと飛んで逃げていく。やっかいなことに、セミに紛れて、でっかいアブがつきまとってくるのがちょっとイヤ。
稜線に出ると内牧分岐。湿気と急登で一汗かいたが、涼しい風が吹き上がって来て、しばしクールダウン。尾根を辿り、道標に従って左へ山腹を巻く道に入ると、杉林の中にひっそりと水を湛える高山ノ池に着く。
ここから杉林の中の急な登りで頂上の肩に上がり、草地に出るとすぐそこが牛ヶ峰の頂上だ。この山を登るには季節外れ(秋から春にかけてが佳いと思う)で、しかもこの天気では、ここまで誰にも会わなかったのは当然なのだが、頂上では10人ほどのおじさんグループが車座になり、缶ビール片手に宴会中でびっくり。実は地元の方々で、今日、頂上の草地の刈り払いをされたとのこと。本当に感謝です。頂上からは静岡市街が見える。ビールを飲んで、パンの昼食をとる。
ゆっくり休憩した後、敷地へのルートで下山にかかる。頂上からの下りは放置されて灌木の藪と化した茶畑を通る。夏で草藪が深いせいもあるが、八十岡からのルートに比べるとちょっと荒れ気味で、あまり歩かれていない感じだ。雨が落ちてきたので、雨具をつける。おまけに道は赤土で、滑るとわかってもなお滑る。
谷沢への道を分け、植林帯を右に見て急降下。ここも藪っぽい。左右から沢音が近づくと、滝がかかる出合に到着。
数回、沢を渡りながら下り、車道に出ると敷地バス停までは僅かの道のりだ。バスの時刻まで1時間ちょっとあるので、自販機のジュースで喉を潤しながら、のんびりと待つ。雨が上がって、涼しい風が吹いているのは幸いだった。
バスで静岡駅に戻り、観光案内所で教えて貰ったホテルのサウナで汗を流して、新幹線で横浜の実家に向かった。