細尾峠〜古峰原峠
桐生駅から、わたらせ渓谷鐵道で足尾駅へ。足尾駅直前で、乗っている列車と踏み切り横断中の軽トラックがぶつかるという事故(幸い人身に被害なし)があり、しばらく足止めされて(結局、列車を降りて駅まで歩く)、際どいタイミングで足尾駅から日光行のバスに乗り換える。
車窓より、これから歩く稜線を右手に見ながら、R122を日光に向かう。日足トンネル手前の栃木平バス停で下車。旧R122に入り、地蔵坂を登って細尾峠を目指す。周囲の山々は紅葉が最盛期。時々通りかかる車も紅葉目当てのドライブのようだ。
細尾峠からは意外と細くてアップダウンのある尾根になり、山腹を絡んで薬師岳に着く。頂上からは日光市街に向かって眺めが開け、男体山〜女峰山が良く見える。ラーメンを作って昼食にする。
薬師岳から次のピークの夕日岳を目指す。この稜線はササの下生えと雑木林の紅葉がマッチしたプロムナードだ。縦走路からちょっと離れて、すっくと綺麗な三角形の山容を見せる夕日岳に往復する。頂上では北側に展望が得られる。頂上の先の尾根には踏み跡が続き、夕日岳新道という標識があった。
縦走路に戻り、次のピークの地蔵岳へ。頂上には祠があり、カラマツの落ち葉が散り敷かれて、腰を降ろして休むには良いところ。しかし、そろそろ時間が気になり出したので、先を急ぐ。
地蔵岳から急降下し、ハガタテ平で古峰神社への道と別れて、さらに古峰原峠へ縦走する。この山稜は、R122からも緩い山稜が続いているのが見える辺りだが、そのとおり、あまり急登のない気持ちの良い所である。とはいっても小さな登降は多い。歩く人は少ないようだが、道型は確かで藪もない。カラマツ林の高原状の唐梨子山を過ぎると、少し尾根が細くなって、大岩山、行者岳とピークが続く。白い鳥居を見て尾根を離れ、古い林道を下ると古峰原峠に出た。
ここは古峰ヶ原湿原の一角で、三枚岩にかけての紅葉がきれい。長い縦走の後に用意された、最後のご褒美のような眺めだ。近くに古峰ヶ原ヒュッテがあり、とてもこざっぱりした小屋で、泊ってみたくなる。
あとは通洞までの7k弱の道を夕暮れの中を歩く。鹿の声が聞こえてくる。途中でとっぷりと日が暮れる。約1時間半の車道歩きで通洞へ。足尾に来たときはよく立ち寄る若竹食堂で、一人大宴会。通洞駅で帰りの列車に乗車したとき、乗客は私一人だった。