光明山
新潟県の川内・下田山塊は標高が1000m内外の低山藪山だが、豪雪に磨かれたスラブと険谷を巡らせ、登山道のある山もごく限られた秘境の山地である。この地域には以前より興味をもっていて、山塊最高峰の粟ヶ岳(1293m)には登ったことがある。今回、久しぶりに下田の山に出かけて来ました。
関越道を三条燕ICで降りて、防雪の杉林に囲まれた農村風景が展開する下田村に車を走らせ、光明山登山口の笠堀ダムを目指す。途中の五百川の集落からは粟ヶ岳が高々と聳えているのが見えた。
笠堀ダムの周囲の山々は低いのに急峻だ。湖水の奥に駒形山が眺められる。ダムサイトと手前に駐車場がある。手前の方に車を置き、登山口から雑木林に入る。根の曲がった木が冬の雪の多さを物語っている。ススキ原の傾斜の緩い浅い谷を詰めて尾根を越えると、急峻な山腹のトラバースに入る。岩を穿った道には湧き水が多く、滑りやすいので気を使う。
鉄パイプからちょろちょろ水が流れる満清水で水を補給。万ノ助風吹場という標識から低木の尾根歩きとなる。五合目は樹林に囲まれた小広い広場で金精様が祀られている。
万ノ助山(前光明)の頂上は縦走路から少し左に外れたところにある。帰りに寄ってみたところ、頂上は小広くて、笠堀ダムと粟ヶ岳の眺めが良かった。
光明山まで1時間20分との標識があり、まだ遠いのでちょっとあせる。下田の山々と深くV字に切れ込んだ渓谷、スラブを見ながら光明山へ縦走。スラブのトラバース、岩稜が続く。フイゴのたて負いという岩場を登ると中光明山のピークで、右38分光明山と記した石の標識があった。
笠堀砥石中継小屋を過ぎ、砥山への旧道(この登山道はかつては砥石を切り出して運び出した道だった)を右に分けると光明山(奥光明)山頂である。
山頂からの展望は良く、守門岳、八十里越、浅草岳が見えた。また、深く穿たれた谷とスラブを隔てて中ノ又山、駒形山、矢筈岳などの下田山塊の山々が見えた。これらの山は登山道はないが、いつかは登りたいものである。それにしても、まわりの山々の方がここより高いので、登山口からずいぶん奥に入って来たにもかかわらず、まだ入り口に立っただけのような変な感じのする山頂だ。
帰りは往路を戻る。アップダウンが多いので行きと同じくらい時間がかかった。なかなか高級感溢れる越後長野♨でひと風呂浴びたのち、栃尾から長岡へドライブして、関越道六日町IC〜赤城IC経由で帰桐した。