安達太良山

天気:
メンバー:H,I,Og,T
行程:山頂駅 9:10 …安達太良山(1700m) 10:45〜11:10 …くろがね小屋 12:35〜13:25 …あだたら高原スキー場 14:55
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

軽登山部のOgさんとHさんから、安達太良山に登りたいとのリクエストを頂いた。安達太良山には子供の頃、家族で登ったことがある。頂上で天気が悪くて景色が見えず、くろがね小屋まで下ったところ、頂上が晴れてきたので登り直した覚えがあるが、その他の記憶はあまりない。安達太良山に再訪するなら、源泉かけ流しの温泉と夕食のカレーが名物のくろがね小屋に泊まりたいと考えていたが、老朽化のため2023年4月から改修工事で休業中。営業再開は当分先になるとのこと。それならば今行くしかないでしょう。平日に休暇をとり、Hさん姉のIさんにも参加頂いて出かけてきました。

早朝、太田市北部運動公園に集合してVEZEL号で出発。北関東道、東北道を経由して登山口のあだたら高原スキー場に向かう。青空が広がるが、安達太良山の頂上には灰色の雲がかかっている。ヤマテンでは安達太良山は晴れの予報だったので、これから晴れるだろう。晴れるといいな。途中通った岳温泉の坂道も見覚えがあり、懐かしい。

あだたら高原スキー場の広い駐車場に車を置く。平日にもかかわらず、ハイカーさんの車が20台位もあるのはさすが日本百名山。今日はロープウェイを利用し、山頂駅から安達太良山に登頂、くろがね小屋を経て下山するポピュラーな周回コースを歩く計画である。

ロープウェイに乗車し、山頂駅へ。いまだにガスに覆われて、展望は全くない。ほんとの青い空は何処に行った。安達太良山の頂上に着く頃には晴れることを期待して歩き出す。

登山口のあだたら高原スキー場
ロープウェイ山頂駅

ガスの中、他のハイカーさんと前後して、五葉松平の緩斜面を登る。周囲の木々は薄らと赤や黄に色付き始めている。ユルユル登ると徐々に周囲の樹林が低くなり、高山的な雰囲気に。やがてガレた道の登りとなり、右に峰ノ辻経由くろがね小屋への道を分けると、程なく安達太良山の頂上稜線に登り着く。

五葉松平を登る
霧に覆われて展望なし

稜線上は強烈な風が吹き抜けて寒い。ヤマテンで気温10℃と予報していたが、体感はそれ以下だ。各自、防寒具(私はULDジャケット)を取り出して着込む。安達太良山の山頂部はポチッと飛び出たドーム状の岩峰で、ガスの中にボーっと霞んで浮かび上がる。

安達太良山の山頂直下
梯子を登る

山頂部の岩峰には左回りの一方通行の周回路で登る。梯子を登って、岩峰の天辺に出る。大岩の上に置かれた石祠と山名標識をバックに記念撮影。天気は残念ながらイマイチだが、雨が降らなければ御の字。登頂できて良かった。

岩陰で風を避けて休憩し、お菓子を食べつつ、ガスが切れて展望が得られる機会を待つ。ほんの一瞬、頂上一帯のガスが上がって、船明神山の辺りが眺められたが、写真を撮る間もなくガスに閉ざされて見えなくなった。展望は諦めて、山頂の岩峰を降りる。

安達太良山頂上
頂上からの下り

多くのハイカーさんは往路で山頂駅に戻るようで、一部のハイカーさんと我々は北へ稜線を辿る。火山らしい赤茶けたザレがなだらかに広がる稜線を、踏み跡とペンキのマーキングを頼りに進む。気持ち良い縦走だが、晴れて眺めがあればもっと良いんだろうなあ。

なだらかな稜線を進むと、安達太良山の爆裂火口の縁の牛ノ背と称する地点に着き、火口底の沼ノ平を見おろす。ガスで霞んでいるが硫黄の臭いが漂い、白や薄黄色、褐色の地肌が露出した火山地形が眺められる。これが見たかった。パーティ一同、奇観に感動する。

牛ノ背に向かう
牛ノ背から沼ノ平を俯瞰

牛ノ背で稜線を離れて、くろがね小屋に向かう。少し下がるとガスが上がって周辺の景色が眺められる。赤褐色のザレに露岩と低木帯の緑が点在する斜面が広がり、浅い谷底には雨後の水が勢いよく流れ、庭園のような趣がある。やがて、平坦な尾根上に出ると峰ノ辻で、安達太良山の頂上直下からの登山道を合わせる。

くろがね小屋へ下る
峰ノ辻

峰ノ辻からしばらく斜面をトラバースして下ると開けた斜面に出て、湯川の谷間を眺めながらザレをザクザクと下って行く。

山腹をトラバース
ザレた斜面を下る

樹林の間の溝状の道を通って谷間に下る。左手には白く硫黄に覆われた斜面が現れ、「立入禁止 温泉原→ガス発生→危険 立ち入らないで!!」という看板の前を通って、くろがね小屋に到着する。周辺は硫黄の臭いが強い。小屋の中には人がいるが、工事関係者のようだ。小屋のWCは使用不可で、僅かに下ったところに携帯トイレブースが設置されている。前回もこの小屋を訪れているが、記憶が曖昧で、現在の様子とあまり重ならない。

温泉原入口
くろがね小屋

小屋近くの丸太ベンチで昼食休憩とし、お湯を沸かしてカップ麺を食べる。一瞬、上空の雲が切れて、小屋の背後に聳り立つ山の頂が青空の中に見えたが、すぐに雲の中。今日一日、山上は曇りのようだ。

昼食を終え、下山再開。湯川右岸の未舗装作業道を歩く。道端には温泉を導く管が埋設され、数箇所で、管に析出した硫黄が取り除かれて山積みされている。振り返ると渓谷の奥にくろがね小屋が眺められる。この一帯はもう少し経てば紅葉が見頃になるだろう。

青空が一瞬広がる
くろがね小屋を振り返る

湯川の渓谷から離れ、台地上の広大な樹林を切り開いた作業道を辿る。途中、左の道端に「勢至塔」と刻まれた石碑が建つ。その先、5分程のところに「勢至平」の道標があり、右に山道らしきものが分岐するが、強烈に灌木藪っぽい。

「勢至塔」石碑
「勢至平」道標

勢至平を過ぎ、台地の斜面にジグザグに刻まれた作業道を下る。ジグザグをショートカットして山道(旧道)も通じているが、道路工事中の作業員の方からの「雨降り後で山道は滑りやすいから作業道が良いですよ」とのアドバイスにしたがう。多少遠回りでも安全に。一部、旧道を歩いてみたら、ズルッズルに滑って、確かに危なかった。

作業道を下る
奥岳登山口に下り着く

渓流を渡ると草茂るスキー場の一角に出て、程なくスキー場駐車場に帰り着く。車にザックを置き、登山靴を履き替え、着替えセットを持って、日帰り入浴で奥岳の湯へゴー。歩いてすぐで便利。くろがね小屋の源泉を引湯して、掛け流している。頂上では寒い思いをしたから、湯船に浸かって暖まるのが大変気持ち良い。

そのあと、ロープウェイ山麓駅の売店に立ち寄る。日本酒コーナーに、飲んだことがあって美味しかった「奥の松」や大七酒造の酒の他、スタッフのお姉さんお薦めの「甑峯」がある。パーティ全員、土産に日本酒を買い、吞ん兵衛の集まり(あるいは家族が酒好き)であることが発覚😅。土産を手にして、帰途についた。