入笠山

天気:
メンバー:T
行程:駐車地点 7:15 …種平小屋 7:35 …林道終点 8:35 …カンバの岩場 9:45 …御所平峠 10:20 …高座岩(1787m) 10:40〜10:50 …テイ沢出合 11:10 …大阿原湿原・展望テラス 12:05〜12:45 …佛平峠 13:00 …入笠山(1955m) 13:20〜13:25 …マナスル山荘 13:50 …御所平峠 14:35 …御所ヶ池 15:10 …龍立場 16:15 …諏訪神社 16:45 …駐車地点 17:25
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

関東甲信は7/18頃に梅雨が明けた。この週末も暑くなりそうなので、標高がある程度高くて涼める山に登りたい。ネットでたまたま『「逃げ上手の若君」北条時行の潜伏地、入笠山御所平をめざす「法華道」』という記事を読んで、高遠側から入笠山に登る法華道(ほっけみち)という古道があることを知った。入笠山には富士見町側からゴンドラを利用して登ることが多いようだが、それと比べると歩き応えがあって静かな山歩きが楽しめそうだ。さらに調べて『法華道 ルートガイド』というページを見つけ、このページで詳しく紹介されているルートをまるっと辿って、入笠山に登ってきました。

桐生を未明に車で出発。佐久南ICから白樺高原、茅野市街、杖突峠を経て高遠方面に向かい、途中で左折。中央構造線の板山露頭の前を通り、トンネルを抜けて山室川の谷に入り、県道芝平高遠線を上流に向かう。荊口(ばらぐち)、赤坂の集落を過ぎ、「五色滝→」の標識で右に車道が分岐する地点の広い駐車スペースに駐車する。

身支度を整えて出発。湿度は少し高いが、既に標高1020mの高所なので、空気はヒンヤリと冷たい。水嵩の多い山室川を渡り、坂道を上ると数戸の民家があり、右に五色滝への道を分ける。「信州身延山五色滝ノ由来」の石碑もあり、それによると1964年に信州身延山五色滝と命名して開山、1983年に自動車が通れる参道が開通。1988年に釈迦堂が建立されたとのこと。滝には興味を惹かれるが、今日の行程は長いので、割愛して先へ急ぐ。

県道芝平高遠線沿いの駐車スペース
信州身延山五色滝分岐

さらに数戸の民家や妙見堂、庚申の石碑群を通ると「入笠山登山道」案内図と「種平小屋Parking」の標識があり、2台程駐車可。ここから左の沢に沿って登る。猫車を押したご夫婦が先を登っているが、もしかして種平(たねへい)小屋の方だろうか。すぐに沢を渡る(水場有)と種平小屋(数年前から休業中)がある。

種平小屋入口
種平小屋

種平小屋から登山道に入り、幅広い道で山腹を斜めに上る。このコースは種平小屋が整備されたそうで、要所にワンポイントの可愛いイラストが描かれた手製の道標が設置されている。小沢を渡ると道型が微かになり、下生えに低い草が生えた樹林帯をゆるゆると登る。なかなか雰囲気が良い道だ。やがて「水場→ 10m先」の標識があり、すぐ下に水場有。塩ビのパイプから流れ出る水を掬って飲むと冷たくて美味しい。

登山道に入る
沢を渡る
水場の標識
水場1

水場の少し先で荒れた小沢を渡り、猫の顔の挿絵が可愛い道標を過ぎる。緩斜面をジグザグに登ると丈の低い草に覆われた古い林道に出る。林道を辿るとY字の分岐に着くが、ここの道標は倒れてしまっている。しかし「←入笠山」とあるから、多分、左だろう。カラマツ林を小さくジグザグに登り、山道でショートカットして再び林道に出る。この地点には「←入笠山 荊口・赤坂→」の道標がある。この辺り、山道と林道が縦横に錯綜して進路が分かり難いが、要所に道標があり、ルートが確認できるので大変ありがたい。

挿絵が可愛い道標
林道に出る

水を飲んで一休みしたのち、林道を辿ると、すぐに林道終点となり、「入笠山登山道」の案内図がある。登山道はこの案内図の左脇の踏み跡に入るのだが、案内図の左の標識は「オートバイ乗り入れ禁止 法華道保存会」というものだし、写真では明瞭な山道に見えるが、一見では獣道にしか見えなくてスルー。林道のどん詰まりから踏み跡に入るが、GPSで確認すると破線路から外れていくので引き返す。ここは迷い易いので要注意。

林道終点
案内図の左脇から登山道に入る
「入笠山登山道」案内図

微かな踏み跡を辿ると木の階段や道標が現れて、確かに登山道であることがわかる。草の下生えのカラマツ林を緩く登ると「展望台15m先」の道標がある。展望台と言っても、ガレ場の上端からごく狭い視角の眺めが得られるだけだが、ずっと展望のない樹林帯の登りだったから、ちょっと変化が得られる。遠くに見える高峰は中アだろうか。

草地の間を登る
展望台からの眺め

さらに小沢を越え、湿り気が多くて緑が鮮やかな草地の踏み跡を辿ると、道標のある三叉路に着く。左の道は「御所ヶ池」、直進する道は「かんばの岩場」をそれぞれ経由して入笠山に至る。分岐から左にすぐ上がったところに第二の水場がある。草地から湧き出ているところが珍しい。この水も飲むと冷たくて、生き返る心地。

水場2の道標
水場2

三叉路を直進し、小さな沢を渡る。緩斜面を登っていくと、左手の樹林の奥に廃屋が垣間見える。斜面をトラバースするとシダが下生えのカラマツ林に「←カンバの岩場 10分」の道標がある。ここで登山道は左折し、苔むした石が積み重なる急斜面を、赤テープを目印にして直登する。

小沢を渡る
廃屋を左に見て通過
カンバの岩場へ左折
苔むした転石の急斜面を直登

途中の大岩は右を巻いて登り、さらに急登するとようやく傾斜が緩んで、大岩が積み重なる岩場に着く。岩場の上に立つ立木に「カンバの岩場 標高1700m」の標識がある。名の通り、岩場はダケカンバの大木に囲まれているが、梢越しに展望が得られ、中アの木曽駒から経ヶ岳にかけての眺めが得られる。足元はスッパリ切れ落ちた岩壁なので、転落注意。

カンバの岩場
カンバの岩場から中アを遠望

カンバの岩場からカラマツと笹原の緩斜面を登る。笹原の間に踏み跡が通じ、木の階段や道標もあってルートは明瞭だが、湿地に丸太を並べた短い木道を渡った先で道型が消失する。進路はどっちだ?

カラマツと笹原の緩斜面を登る
丸太の木道の先で道型消失

ここはとにかく直進すると、再びカラマツと笹原の緩斜面に微かな踏み跡が現れる。もしかして獣道かも、と思いつつ辿ると、緩斜面を横切る明瞭な山道に合流する。この山道を右へ数十m進んだ所に「←芝平・荊口御所ヶ池」「↓かんばの岩場 荊口」「高座岩 入笠山→」の3方向を指し示す道標があり、ここが芝平からの法華道との正規の合流点だ。最後は僅かに正規ルートを外したようだが、とにかく登れば最後は山道に出るから問題なし。

笹原の微かな踏み跡を辿る
芝平からの法華道に合流

このすぐ先が御所平峠で、地蔵尊が祀られ、「法華道 御所平峠」と刻まれた石碑が建つ。峠の反対側からソロハイカーさんが登ってきて、挨拶を交わす。峠から右(南)に幅広く平坦な稜線が延び、「←入笠山〜鹿嶺高原トレッキングコース 伊那市」という道標が稜線上の登山道を指し示している。先行するソロハイカーさんに続いてそちらの道に入る。

御所平峠
高座岩への尾根道に入る

尾根道はすぐに岩が積み上がった小さな瘤に登る。瘤の頂には「高見岩」の標識が立つ。周辺見張場だったとのことだが、樹林に囲まれて見晴らしはない。高見岩を過ぎると幅広くほとんど平坦な稜線上の尾根道が続き、楽で気分良く歩ける。

高見岩
ほぼ平坦な尾根道を辿る

やがて樹林が切り開かれて展望が開ける。尾根上に岩場があり、その上に数基の石碑が建ち並ぶ。これが高座岩だ。三角点標石と「高座岩」の説明板もある。説明板によると、日蓮宗中興の祖と仰がれ、高遠町山室の遠照寺を開山した日朝上人が、信州巡教の折りに説教をされた霊跡とのこと。東には入笠山に連なるなだらかな山並み、西には高遠郊外にある美和湖の湖面が垣間見え、中アを遠望する。また、高座岩から先に続く気持ち良さそうな尾根道も見おろせる。鹿嶺(かみね)高原まで通して歩いてみるのも良さそうだ。

高座岩
鹿嶺高原トレッキングコース

高座岩から降り、尾根道から分かれて東の小黒川に下る北原新道に入る。深い笹原を切り開いた山道で、大きくジグザグを切って下る。途中、作業道を横断し、程なく小黒川沿いの未舗装林道(黒河内林道)に下り着く。

北原新道を下る
北原新道登り口

小黒川の下流へ林道を辿ると、すぐにテイ沢出合に着く。橋の上で涼んで一休みしたのち、テイ沢沿いの登山道に入る。テイ沢は鬱蒼とした樹林に覆われ、思いの外に深い谷を流下し、水量も多く、なかなかの渓谷美を見せている。登山道は渓流近くに通じ、苔むした岩の間を進み、良く整備された木橋で何度も流れを渡り返す。変化に富んで楽しい。入笠山から足を延ばしてきたハイカーさん数組とすれ違う。

テイ沢出合
木橋で沢を渡る
渓流沿いの登山道を辿る
穏やかな流れに変わる

やがて傾斜が緩み、谷も浅く広くなり、流れも穏やかになると大阿原(おおあはら)湿原の下端に着き、左に高原コース、右に林間コースを分ける。ここは左へ。湿原の縁に通じる歩道を辿る。乾燥度が高い湿原で、芝の様な深い草地が広がり、その間を細い水流が蛇行する。湿原の眺めを楽しみつつ歩いて、湿原の上端近くの展望テラスに着く。大勢のハイカーさんが日陰で休憩中。私も日差しを避けて樹林内の小広い平地に腰を下ろし、昼食休憩とする。もう正午を回っており、腹ペコだ。

林間コース分岐
大阿原湿原の高原コース
大阿原湿原
展望テラス

喉が渇いた。まずは缶ビールだ。今回、初めて買ってみた生ジョッキ缶を開けたら盛大に吹いて半分消失😅。これは大失敗、しっかり冷やさないとダメでした。気を取り直してカップ麺の天ぷらそばを食べる。

昼食を終えて一休みしたので、入笠山に向かうとしますか。湿原の上手に向かって樹林中の山道を緩く登ると車道に出る。ベンチがある他、首切清水があり、滾滾と水が流れ出ている。残念ながら、飲用不可。しばらく車道を歩くと入笠山の頂上への登り口(首切登山口)があり、ここから再び登山道に入る。

林間の山道を辿る
車道に出る
首切清水
首切登山口

すぐに「法華道 佛平峠 1850m」という道標がある。かつてはこの峠を越えて西側へ法華道が通じていたようだが、現在は道型は見当たらない。入笠山への登りとなり、右にゴンドラ山頂駅への巻き道を分ける。樹林帯の急坂を登ると、入笠山の頂上に着く。

入笠山頂上へ向かう
入笠山頂上

平坦で広い頂上は、老若男女のハイカーさんで大賑わい。360度の展望が開け、まず、東には釜無川を隔てて八ヶ岳の山並みが眺められる。山地を覆う樹林の濃い緑となだらかな山麓の農地の明るい緑の対比が鮮やかだ。目を北に転じると、手前には入笠牧場のこれも明るい緑が広がり、その向こうに諏訪湖の湖面、さらには靄がかかるが北アも遠望できる。

諏訪湖と北アを遠望(ズーム)
八ヶ岳を望む

南には釜無山辺りの高原的な山並みが広がり、その向こうに一際高く天を突く甲斐駒、鋸岳、仙丈ヶ岳の峰々が眺められる。南アをこの構図で眺めるのは初めてだが、なかなかの山岳展望だな。眺めを堪能して一休みしたのち、下山にかかる。

甲斐駒、鋸岳、仙丈ヶ岳を遠望
入笠山からの下り

頂上からマナスル山荘に向かって下ると道が二手に分かれる。どちらへ行っても良いが、ここは左の岩場コースへ。急坂を下ると右の迂回コースと合流する。さらに下ると草原に覆われた斜面(スキー場の跡?)に出る。草原を囲む防獣ネットをゲートで潜って中に入ると、夏の山野草の花がいろいろ咲いていて、お花畑となっている。斜面にジグザグに付けられた遊歩道を花の写真を撮りつつ下る。夏山らしくて良い雰囲気だなあ。

お花畑を見おろす
ヤナギラン
クガイソウ
シモツケソウ

お花畑を下るとマナスル山荘に着く。公衆WCもあり。山荘も休憩中のハイカーさんで大賑わい。車でも来られるので(マイカー規制区間あり)観光客も多い。売店も営業していて、冷たい物も売っているが、ここは我慢して先へ急ぐ。

山荘から入笠牧場に向かう車道に入る。すぐ先に登山者用臨時駐車場があり、広くて空いている。こっちの車道に入った途端に人影が絶えて、大阿原湿原とテイ沢を周回して来たと思しきハイカーさん数組とすれ違っただけ。車の通りも1台あったのみ。

マナスル山荘
入笠牧場に入る

入笠牧場に入り、緩斜面に広がる放牧地の中を通り抜ける。次のT字路は左の「長谷 小黒川」方面に進む(道標あり)。途中、放牧中の牛を見かける。草を喰む牛や、こちらを見ている牛など、のんびりまったりしている。牧場をトラバースし、入笠牧場キャンプ場の入口を通る。快適そうな草地のテントサイトに数張のテントがある。静かで穴場的なキャンプ場だ。

放牧中の牛さん
入笠牧場キャンプ場

キャンプ場入口のすぐ先で牧場から抜け、車両通行止の看板のあるゲートを跨いで越えて、カラマツ林中の未舗装林道を直進する。程なく御所平峠への登山道入口に着く。ここには「入笠山〜鹿嶺高原トレッキングコース」の道標と「法華道」の案内板がある。

御所平峠登り口
山腹を緩くトラバースして登る

良く踏まれた登山道に入り、山腹を斜め上に横切って登る。大した登りではないのだが、既に7時間歩いて疲れているので、結構応える。10分程で御所平峠に登り着き、一息つく。

御所平峠
唐松と笹の緩斜面を下る

御所平峠からは、もう一つの法華道の芝平コースを下山する。峠の少し先で往路に辿った種平小屋からの法華道を左に分け、カラマツ林の下生えの笹原のか細い踏み跡を下る。途中、踏み跡が二手に分かれる。倒れた道標を見るとこの先で合流するらしい。ここは踏み跡が明瞭な左へ。右の踏み跡を合わせると広く平坦な尾根となり、ちょっと大きな水溜りの脇を通過する。その先に「御所平」の標識があり、当地の歴史が記されている。

御所平
「御所平」標識

御所平からは広く緩やかな斜面の下りとなり、林道跡をジグザグに下る。道型は低い笹や草に覆われて判然としないが、要所に法華道の道標がある。林道が尾根上で右に折れる箇所に「法華道 芝平方面→」の道標があり、良く見ると道標の柱に「御所ヶ池」の小さなプレートが付いている。ここで林道から分かれて、尾根上の踏み跡を下る。

林道沿いに下る
御所ヶ池分岐

傾斜を増した踏み跡をどんどん下るが、なかなか池は現れず、だんだん不安になってくる。やがて、「←芝平との合流点」という道標があり、右に山道を分ける。そのすぐ先に「御所ヶ池に○○←」という(多分、○のところの字が消えた)道標が現れ、これに従って左折。尾根から分かれて笹原の微かな踏み跡を下ると、カラマツ林に囲まれた御所ヶ池の畔に着く。浅い池だが、水は比較的澄んでいる。静かな水面に周囲の樹林を映し、秘境の趣のある池だ。これは立ち寄った甲斐があった。なお、踏み跡を池の先へ辿って下ると、種平コースの二番目の水場に至る様である。

微かな踏み跡を下る
御所ヶ池

下って来た踏み跡をえっちらおっちら登り返して「←芝平との合流点」の道標まで戻り、左の山道に入る。この道も幅広く、多分、かつての林道。山腹をトラバースすると「入笠山登山道」の案内板が倒れた三叉路に着く。ここが「芝平との合流点」だろう。御所平からずっと林道を辿って下って来た道を合わせる。芝平へは左の道を下る。

トラバース道を辿る
芝平との合流点

しばらく林道を辿って下るが、すぐに「芝平に至る←」という道標に従い、林道から分かれて左に下る山道に入る。カラマツ林の広い緩斜面で進路が定め難く、草地に覆われた道型は微かで判然としない。カラマツの幹に「法華道」の小さなプレートが設置されているが、登りの際に良く見える向きに付いているので、下りでは見逃しやすい。時々、振り返って、プレートを確認しつつ下る。

林道から山道に入る
微かな踏み跡を辿って下る

やがて「サンショウゴヤ」の標識を過ぎると尾根筋が明瞭になり、雑木林に覆われたなだらかな尾根道となる。これなら迷わない。少し進んで「ハバキアテ」の道標のある地点に着き、一休みして水を飲む。説明書きによると、古の旅人もここで休憩したらしい。

尾根道を下る
脛巾(はばき)当て

この先も明瞭な尾根道が続く。小さなアップダウンがある他は平坦で楽だ。古の街道が通じていたというのも頷ける。「厩の平」、続いて「爺婆の石」の標識のある小さな岩場を過ぎ、1492m標高点のピークを巻いて通過すると、すこし傾斜を増した下りの尾根道となる。標高が下がるに連れて気温があがり、風も止んで段々暑くなってきた。

なだらかな尾根道を辿る
厩の平
爺婆の石
だらだらとした下りが続く

再び平坦な尾根道となり、「門跡屋敷」の標識を通過。1353m三角点峰の南を巻く山道となり、「龍立場」の標識を見る。「法華道ルートガイド」によると、正規ルートはここで左に折れているようだが、微かな踏み跡に釣られて直進。やがて傾斜を増した山腹の下りとなり、深く掘り窪んで落ち葉や倒木に埋もれた作業道跡を辿って下る。多分、この作業道はどこかに下り着くだろ。だいぶ疲れて来たせいもあり、アバウトに下る😅

龍立場
作業道跡をジグザグに下る

手抜きでちょっと危ない歩き方をしてしまったが、無事、舗装された車道に下り着く。車道を左に下り、T字路は右へ。本来の法華道はT字路を左に登ったところが登り口らしい。そちらは現在、道路工事中のようだ(今日は休日なので休工)。

林道に下り着く
諏訪神社

車道を下ると程なく山室川の谷底に着いて、右の木立の中に諏訪神社、左の道端に「法華道」の石碑がある。民家もあるが人は住んでいるのかな。山室川を渡り、県道芝平高遠線に出た所に湧き水の水場がある。プラティパの水も残り少なくなっていたので、これはありがたい。冷たい水をゴクゴク飲んで生き返る。

「法華道」石碑
水場で喉の渇きを癒す

あとは川幅いっぱいに流れる山室川を眺めて涼みながら、県道を歩く。途中、芝平分校跡を通る。浅い谷間に沿って民家があるが、どれも廃屋のようである。やがて民家が尽きて、川床から高い右岸の道となる。だいぶ疲れて、ようやく駐車地点に辿り着く。

久々に約10時間の長い行程の山行で、あまり登った感じはしないが、距離は歩いたな〜。法華道は往路、復路とも静かで渋く、独特の雰囲気のある良いルートだった。入笠山頂上の大展望や湿原、花畑、テイ沢の渓谷美、牧場の風景などもとても良かった。

山室川沿いに車道を歩く
芝平分校跡
だらだらと林道歩き
駐車地点に帰着

帰りは高遠まで行って、信州高遠温泉さくらの湯に日帰り入浴で立ち寄る(600円)。高遠は三方を山に囲まれ、扇状地の緩斜面に市街が広がり、温泉は坂道の上にある。隣接する駐車場が狭くて満車だったため、案内に従って300m手前の広い駐車場に車を置く。温泉はそう混んでなくて、ゆったり湯船に浸かる。アルカリ性単純温泉でぬるぬるした肌触りが温泉らしい。極楽、極楽。サッパリ汗を流したのち、帰宅の途につく。夕暮れの杖突峠を越え、往路を戻って帰桐した。