中川温泉・大野山

〜5日(土)
メンバー:S,S,T

全国旅行支援を利用して西丹沢・中川温泉に一泊し、1日目は大雄山最乗寺、洒水(しゃすい)の滝、誓いの丘公園、丹沢湖、2日目は箒杉、大野山を観光してきました。

大雄山最乗寺

11月4日
天気:

3日夜に横浜の実家に帰省し、4日朝にS&Sと共に車で出発する。今日はまず、箱根外輪山・明神ヶ岳の中腹にある大雄山最乗寺(道了尊)に向かう。

東名を大井松田ICで降り、南足柄市街に入って、伊豆箱根鉄道大雄山線の終点・大雄山駅の前を通過。駅前には百貨店などもあって栄えている様子。市街の外れの道了尊仁王門を過ぎると杉の大木に覆われた山中の坂道となり、霊山の雰囲気に包まれる。車道の脇には古の参道を整備した遊歩道「天狗の小径」が通じている。

道了尊バス停(大雄駅からの路線バスの終点)のロータリーの奥に無料駐車場があり、ここに車を置く。平日で、まだ紅葉シーズンの前だからか、駐車場には十分余裕がある。参道石段を登って、境内の広場に入る。右手に「総受付」の建物があるが、受付は特に必要ない。周辺には立派な楓が多い。紅葉にはまだ早い感じ。広場を囲んで堂塔が建ち並ぶ。書院や本堂(護国殿)など、主な建物だけ見て回る。奥に進むと金剛水堂があり、堂の中の甕から水が湧き出ている。

総受付(白雲閣)
金剛水堂

右に開山堂と鐘楼を見て御供(ごくう)橋を渡り、結界門を潜る。周囲は鬱蒼とした杉の巨木に覆われ、神さびた雰囲気がある。長い参道石段を登って、道了尊を本尊とする御真殿に参拝する。御真殿の脇には大小の鉄製の高下駄が奉納されている。

開山堂
御真殿
高下駄
境内の紅葉

さらに長い階段を登ると奥の院に至るが、登りが大変そうなので割愛して、参拝を終える。非常に立派な寺で、古刹として有名なだけあって見所が多く、霊山の雰囲気が横溢して、なかなか良かった。

洒水の滝

11月4日

次は、古くから相州一の名瀑として知られ、日本の滝100選にも数えられる洒水の滝を訪ねる。南足柄市街から山北町方面に走り、酒匂川支流・滝沢川沿いの道に入る。山裾の民家や畑地を過ぎると、すぐに洒水の滝入口の無料駐車場があり、車を置く。

ここから滝沢川のV字谷に入り、洒水の滝公園から遊歩道を歩く。新設された遊歩道(階段)を左に分けると、奥に洒水の滝が現れる。赤橋の袂まで滝に近づけるが、その先の遊歩道は落石で崩壊して立入禁止。駐車場から赤橋まで徒歩10分と、とても手軽である。

洒水の滝入口
左は新遊歩道コース

洒水の滝は、深く狭く穿たれた谷間の奥の大岩壁を一直線に滑り落ちる滝で、優美かつ凄みを感じさせる。滝まで遠くて、全容は窺い知れない。滝壺に通じていた古の遊歩道の残骸が見える。滝壺に近づいて、滝を見上げることが出来れば、ド迫力の絵が撮れると思うのだが、残念無念。

赤橋から洒水の滝
新遊歩道の観瀑台から
洒水の滝を俯瞰

それとは違う絵になるが、今年4月に完成したという新遊歩道を登ると、グッと滝に近づける。落石を避けて空中に設けられた226段の階段通路で、力技で何とも凄い施設を作ったものである。終点の観瀑台から瀑身と滝壺を俯瞰できる。名瀑と呼ばれるに相応しく、見応えのある滝に満足である。

駐車場に戻り、次の観光スポットの丹沢湖に向かう。丹沢湖へは、北上して酒匂川を渡り、R246に出るのが最短ルートだが、そちらの道は一本道で、R246樋口橋交差点を先頭に大渋滞しているので、足柄峠を越えて迂回することにする。

誓いの丘公園

11月4日

南足柄市から足柄峠へ足柄街道(県道御殿場大井線)を上がる。右手には矢倉岳(870m)、左手には金時山(1212m)が見え隠れする。沿線は紅葉が見頃で、特に足柄峠付近はドライブで来て紅葉見物をしている人が多い。足柄峠から駿河小山方面へ金太郎富士見ライン(県道足柄峠線)を下ると、正面に富士山が見えてくる。

途中、誓いの丘公園で展望休憩。裾野を広げる富士山が遮る物なく眺められて素晴らしい。富士山にかかわりが深い新田次郎の文学碑もある。ここでデジカメのバッテリーが切れ、予備バッテリーに交換しようと思ったら、持ってくるのをうっかり忘れていた😭。なので、以降の写真はスマホで撮影したものである。

誓いの丘公園から富士山を望む
新田次郎文学碑

山麓に下って小山町の市街を通過し、R246を走って左折。中川・丹沢湖方面に向かって、河内川沿いを走る。河内川を跨ぐ新東名の橋梁が工事中で、両岸にバカ高い足場が建設され、下を通る際にヒヤヒヤする。後日調べると、橋脚間の長さ220m、河内川から高さ120mの長大なアーチ橋ができるそうである。

丹沢湖

11月4日

丹沢湖に到着。既に昼を過ぎて腹が減ったので、永歳橋手前の蕎麦処「あずまや」で蕎麦を食べ、その後、湖畔をドライブする。まず、湖の東端の玄倉川の方に行ってみる。湖岸を周回する道路は玄倉川橋を渡った先で通行止。橋の上から下流の丹沢湖と上流の玄倉川を撮影する。玄倉川の奥は大昔に数回歩いたことがあるが、それより1999年の水難事故の印象が強い。

玄倉川橋から丹沢湖を望む
玄倉川橋から玄倉川を望む

ダムサイトに戻り、無料駐車場に車を置いて、三保ダムの堤頂をちょっと散歩。ロックフィルダムなので、両側の斜面は緩い。湖面や周囲の山々、ダム下の広場を眺める。ツツジやカエデの真っ赤な紅葉も見られる。

三保ダム堤頂から丹沢湖を望む
「三保ダム」碑

ついでに湖の西端の世附川の方にも行ってみる。世附林道(県道山北山中湖線)は世附川橋の少し先にゲートがあり、その奥は車両通行止。世附川上流の広大な山域は車でアプローチできない状況にあり、ちょっとした秘境になっていて、興味を惹かれる。世附川橋から世附大橋へ湖の南岸を走り、丹沢湖の観光を終了。宿泊先の中川温泉信玄館に向かう。

中川温泉信玄館から権現山を望む
夕食の足柄牛しゃぶしゃぶ他

信玄館は県道から脇道に入った所の河内川の川辺にあり、閑静で落ち着いた雰囲気の宿だ。今回、全国旅行支援を利用するので、チェックインの際、ワクチン接種3回以上の接種済証と免許証を提示する。1人当たり宿泊費が5,000円割引となり、地域クーポン券3,000円(宿の追加料理の代金に充てられる)が出て、3人で総計24,000円!いやー、太っ腹。

早速、温泉へゴー。河内川の渓谷に面して大浴場や露天風呂がある。アルカリ性で少しぬるぬるする湯に浸かる。その後、夕食でビールと日本酒を飲み、ご馳走を食べて、すっかりリラックスできた。

箒杉

11月5日
天気:

翌日も西丹沢を観光。宿舎をチェックアウトし、河内川沿いの県道を北上。山間深く入っていくと、やがて左手にこんもりと巨大な杉の木が見えてくる。これが今日の最初の観光ポイント、箒杉だ。箒杉を少し過ぎた左側に箒杉公園の駐車場があり、ここに車を置く。他にも箒杉を見に来た観光客の車がある。

駐車場から緩く坂道を登って、箒沢集落に入る。箒杉は集落の入口付近にあり、根回り約18m、高さ約45mの巨杉である。ぶっとい幹と太く張り出した枝葉が印象的。推定樹齢2,000年と言われ、幹の「うろ」に手当の詰め物がされている他は、樹勢は盛んなようだ。

箒杉(国天然記念物)
箒杉の根回りは18m

箒杉を巡って短い遊歩道が整備されており、天辺の展望台まで行ってみる。箒杉の眺めは、下半分が手前の杉林に隠れてイマイチだが、背景の紅葉した山々が良く眺められる。

展望台から眺める箒杉
犬越路林道より甲相国境稜線を仰ぐ

ついでに河内川の奥へ、車で行ける所まで行ってみる。路線バス終点の西丹沢ビジターセンターの周辺にはいくつもキャンプ場があり、お客さんも数少ないが来ている模様。右に分岐する犬越路林道を上ってみるが、カーブを2つ回ったところにゲートがあり、通行止。ここで引き返す。

西丹沢ビジターセンターの辺りは檜洞丸(1601m)、大室山(1587m)、加入道山(1418m)、畦ヶ丸(1292m)など、西丹沢の主要な山の登山口になっているので、偵察もできた。機会があれば再訪して、これらの山を登りたい。

大野山

11月5日

今回の旅行の最後は、西丹沢前衛の大野山(723m)を訪ねる。頂上直下まで車道が通じているため、登山の対象としてはあまり考えたことがなかったが、観光には丁度良いだろう。

R246に出て松田方面に向かい、安戸交差点で斜め左の道に入り、すぐ先のトンネルの直前で左折。左折ポイントはややこしいが、あとは道なりに山をガンガン登って行く。途中、新東名のトンネル掘削の大規模な工事現場の脇を通る。大野山中腹の深沢集落に入り、「大野山→」の道標のある三差路は右へ。ススキ原に覆われた山腹をつづら折りに登ると、やがて頂上稜線の上に出る。左の坂道を上ったところにゲートと広い駐車場があり、車を置く。既に大野山の頂上直下で、小田原市街と相模湾を俯瞰する展望が、予想外に素晴らしい。これは来て良かった。

イヌクビリ駐車場
薫る野牧場を望む
小田原市街と相模湾を俯瞰
頂上へ車道を上がる

駐車場からゲートを通り、車道を登る。大野山の頂上は一投足の距離だ。頂上は東西に長いなだらかな丘で、芝生に覆われている。最高点には石祠が祀られ、周囲に東屋やWCが整備されている。意外なことにハイカーさんが多く、あちこちで家族連れや若者グループが休憩中。南北に展望が開け、特に北方の丹沢湖と西丹沢の山々のパノラマが素晴らしい。頂上は広く居心地が良く、大展望も楽しめるとなれば、ハイキングの山として人気が高いのも頷ける。後日調べるとJR谷峨駅とJR山北駅から、それぞれポピュラーなハイキングコースが通じているようである。

大野山頂上の石祠
丹沢湖と西丹沢の山々を望む
頂上の広場と東屋
大野山中腹の深沢集落(帰路で撮影)

これにて観光を終了。久し振りに温泉宿に宿泊できたし、寺・滝・富士山の展望・湖・巨木・山頂からの展望、とバラエティに富んだ観光スポットで楽しめた。全国旅行支援様様である。往路をR246に下って、帰途につく。途中、R246沿いの蕎麦処「秦野砂場」で昼食としたのち、秦野中井ICから東名に乗って、横浜の実家に帰った。