備前楯山
GWの10連休が始まったが、初日の4/27は曇りでイマイチの天気だし、まだアップしていない山行記録が3つも溜まっているので、その作成に充てる。4/28は晴れの予報だが、その後はなかなか晴れの日が続かない模様。とりあえず4/28は日帰りで出かけようと考えて、備前楯山を思い付く。足尾町商工会HPの備前楯山登山ガイド(2021-02-06追記:リンク切れ)で紹介されている金龍山コースは、間藤駅の西に連なる岩山を縦走するもので、以前から興味を持っていた。有越山コースと繋いで通洞駅から周回すると、行き帰りにわたらせ渓谷鐵道(わ鐡)が使えて都合が良い。という訳で、GWの山歩き第1弾は備前楯山に出かけてきました。
桐生駅でわ鐡の一日フリーきっぷ(桐生〜通洞の往復の通常運賃よりお得)を購入し、桐生7:44発間藤行に乗車する。車内は大勢の子供と引率の大人+αで9割方満員だ。通洞に9:07に到着し、下車する。ここで、デジカメをうっかり家に置き忘れて来たことに気がつく。なので、以下の写真はスマホで撮ったものです。
駅前通りを右へ進み、階段を上がって踏切を渡ると、左に古河足尾歴史館、右に駐車場がある。ネット情報によると、駐車場奥の赤鳥居が有越山コースの入口らしい。
赤鳥居を潜るとすぐに祠があり、道はそこで終わり。上方には石垣が続き、段差の低い所を探してよっこいしょと上がると、送電線と数本の鉄管が通る通路に出る。有越山コースの入口を探して、通路を右往左往。伐採斜面を強引に這い上がると斜め左上に登る踏み跡があり、これを辿って杉林に覆われた浅い窪に入る。取り付きは怪しく、踏み跡も微かだが、これでなんとか有越山コースに乗ることができたようだ。
窪から左の小尾根に移って登ると、大岩の基部に石祠がある。急斜面をジグザグに登り、左の岩場をトラバースして、転石の涸れ沢を横切る。
小尾根を登ると、風化したコンクリートの構造物が散在する平地に着く。足尾銅山関係の設備跡のようだ。跡地を奥に進むと、袈裟丸山と庚申山が眺められる。手前の台地状の山は水山(1030m)のようだ。
跡地の奥から道型が続き、山腹をトラバースして南有越山を巻き、北有越山との鞍部に出る。反対側の展望が開け、簀子橋堆積場を隔てて金龍山コースの石垣山〜背戸山の稜線を望む。あのギザギザを歩くのか、ワクワクするな。その奥には半月山や男体山も見える。
稜線上の踏み跡を辿ると、機械類があちこちに放置された工事現場のような場所に出る。ここからモノラックのレールが平坦な草地まで延びている。末尾の参考サイトで「ススキ平」と呼んでいる場所だ。正面の草尾根を登る。途中、振り返ると横根山から地蔵岳、大萱山にかけての山並みの眺めが良い。最後は急坂となって、奥水山頂上に着く。頂上には四等三角点と次三角点の二つの標石がある。周囲にはアカヤシオが点々と咲いている。
次のピークの大水山へ緩く稜線を辿る。大水山の頂上から樹林に覆われた急坂を下る。最後に段差があり、ここは後ろ向きに三点確保で慎重に下る。下り着いた鞍部の辺りは針葉樹林に覆われて、深山の雰囲気がある。
緩やかな小水山の頂上を越えて、三吉転(ころばし)の鞍部に下る。鞍部には切り通しの痕跡があるが、峠道の道型はほとんど消えかかっている。
鞍部から明るい雑木林を急登すると、途中にも構造物(三吉ころがし停車場?)の残骸がある。雑木林を抜けると松とツツジがポソポソと生えた岩場の登りとなる。傾斜が緩いので、登るのは楽だ。振り返れば、越えて来た有越山や大水山が眺められる。
上部は少し傾斜が増した尾根の登りとなり、ツツジの小藪が少々煩い。ところどころで左手に展望が開け、袈裟丸山から庚申山に連なる稜線や塔の峰、手前に備前楯山が眺められる。傾斜が緩んで登り着いた小ピークが黒岩で、眼前に中禅寺湖南岸尾根の社山〜半月山の稜線、奥に一際大きな男体山を望む。
黒岩から緩く稜線を辿る。次の小ピーク(備後楯山と呼ぶらしい)の少し手前に赤テープがあり、金龍山コースが分岐する。舟石峠からの登山道に合流すれば、備前楯山の頂上はそのすぐ先だ。
GWの行楽日和とあって、頂上は家族連れやグループのハイカーさんで大賑わい。ここに登るのは、1996年4月に舟石峠を経由して登って以来、2回目だ。ここからの展望は大変素晴らしい。北西には舟石峠を隔てて庚申山や塔の峰、そこから右へオロ山、沢入山、中倉山と稜線が連なる。中倉山の左肩には(写真では判らないが)いわゆる「孤高のブナ」も視認できる。松木山から社山、半月山の稜線、奥の男体山もバッチリ眺められる。
頂上の一角に腰を下ろし、眺めを楽しみながら昼食にして、缶ビール、缶詰のさんま蒲焼、カップ麺の鴨だしそばを頂く。
頂上を13:15に出発。登山道から逸れて往路を少し戻り、確認しておいた分岐から金龍山コースに入る。細尾根の急な下りで、道型ははっきりしている。アカヤシオが多く、花のトンネルになっている個所もある。
やがてガレた尾根となって正面に石垣山を望む。左側はガレた急斜面となって切れ落ち、遥か下に本口沢のガレに埋もれた谷を俯瞰する。
下り着いた太田峠には、峠を示す痕跡は見当たらない。登り返しにかかり、砂礫をザクザク踏み締めて尾根を急登する。振り返ると備前楯山が急峻で荒々しい山肌を見せて、なかなか迫力がある。
石垣山の頂上で一休みしたのち、右折して稜線を南下する。踏み跡ははっきりしているが、ここもツツジの小藪が煩い。
しばらく平坦な稜線を進むと、荒々しい山肌の背戸山を正面にして、松と灌木が藪っぽい急な下りとなるが、中程からザレ尾根となり、藪っぽさからは解放されて、背戸山へ続く痩せ尾根や、右側の谷を埋めた簀子橋堆積場が良く眺められるようになる。
背戸山との鞍部に近づくと、左右に眺めが開けたガレ尾根となって、快適。左には間藤駅付近の街並みを真上近くから俯瞰し、時折、車やバイクの走行音が響いてくる。鞍部は痩せた岩稜となるが、右側の直下に踏み跡が通じていて、問題なく通過。背戸山へは岩場の登りとなる。崩れ易い点は要注意だが、傾斜がさほどないので容易に登ることができる。
登り着いた所は背戸山の北のピークで、しばらく岩尾根が続くが、やがて広くなだらかな尾根となって、背戸山の三角点標石に着く。
背戸山まで来れば、あとは普通の尾根歩きとなり、のんびり下るだけだ。樹林に覆われているが、所々で展望が開け、右側には簀子橋堆積場を隔てて備前楯山を望み、ついさっき歩いた、石垣山に続く稜線が眺められる。太田峠の奥に見える山は松木山のようだ。左側にはR128の田元交差点付近を眺める。背後のピークは、左右に綺麗に稜線を延ばして、ちょっと気になる。
金龍山の頂上は、緩い下りの尾根の途中の小さな瘤だ。少し立ち休みして、さらにゆるゆると尾根を下る。やがて右手に送電線が並走し、山麓の通洞の街並みが見える。ブロック造の祠があり、中に猪に跨る首がもげた石像(摩利支天像?金龍を祀ったとの説も)が祀られている。
祠があるということは参道がある。大岩が散在し、傾斜を増した枝尾根の道型を下る。途中、数基の庚申塔と錆びた鉄管を過ぎ、尾根末端に下り着く。ここには石灯籠や石碑が立ち、かつての参道の入口であることが偲ばれる。
簡易舗装道を下り、右に金龍山蓮慶寺を見て踏切を渡る。ちょうど通洞16:36発桐生行の列車が発車したのを見送るが、計画通り(ニヤリ)。
駅前通りをちょっと右に進んで、ホルモン末広の暖簾(おかげさまで50周年と書いてある)を潜る。その筋の方々のブログで話題になっていて、一度、食べてみたかったのであ〜る。既に2グループ計8人くらいのお客さんが居て、繁盛している。一人で切盛りしているおばあさんに相談して、ホルモン色々混ぜて2人前と瓶ビール(大)を注文。良く焼いて、タレを付けて食べる。美味しい〜。追加で2人前と日本酒1合を注文しちゃおう。
しめて2600円也のご馳走を堪能した後、通洞18:26発の列車に乗車し、ほろ酔い気分で桐生への帰途についた。
参考URL:記載した地名は、主に足尾の風景「備前楯山」に拠った。