石尊山〜深高山〜仙人ヶ岳

天気:時々
メンバー:T
行程:叶花集会所 9:45 …石尊山(461m) 10:25 …深高山(506m) 10:55 …猪子峠 11:25 …猪子山(511m) 12:00 …犬帰り 12:25 …宗ノ岳(530m) 12:50 …知ノ岳(561m) 13:10 …仙人ヶ岳(663m) 13:40〜13:55 …荒倉山 14:30 …白葉峠 15:50 …叶花集会所 16:25
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先週はヤシオ山を歩いて、満開のアカヤシオを見ることができた。その前日に仙人ヶ岳に登られたハイトスさんの山行記録によると、この週末は仙人ヶ岳のアカヤシオが見頃を迎えそうな感じである。仙人ヶ岳には2014年4月の大規模な山火事以降、登っていないので、久し振りに出かけてみようかな。天気も良さそうなので、再度の花見にトレーニングも兼ねて、石尊山、深高山、仙人ヶ岳を周回するちょっと長いコースで歩いてきました。

叶花集会所の広い駐車場に車を置いて出発。今日は晴天で、既にハイカーさんの車が数台ある。周囲の新緑は一週間の間にさらに勢力を増して、陽光に照り映える。石尊不動尊の入口でハイカーさんの車から、石尊山の登山口はどこですか、と尋ねられる。この登山口は道標がない(何故か田んぼ一枚分ずれた場所に古い道標が立つ)ので、初めての人には判りにくいのかも。不動尊の駐車スペースは既にいっぱいなのが見えているので、登山口はここですが、すぐ先の叶花集会所に駐車した方が良いですよ、とアドバイスする。


叶花集会所


山麓から石尊山を仰ぐ

石尊不動尊から登山道に入る。暑いので最初からTシャツ1枚で歩く。八丁目の不動尊像は、以前はすぐ裏手まで採石の土砂が堆積して殺風景だったが、今は新緑に囲まれて良い風情が戻りつつある感じ。やがて急坂となり、女人禁制碑で一息つくが、一気に登って稜線上に出る。石尊山の頂上に向かって岩場の多い稜線を登ると、アカヤシオの花がポツリポツリと現れる。


八丁目の丁石と不動尊像


十七丁目の丁石


稜線に出て石尊山の頂上を望む


途中の岩場

途中、北側にせり出した岩場があり、小俣の集落を俯瞰し、白葉峠や吾妻山方面の眺めが良い。赤城山も霞んでぼんやりしているが、遠望できる。


吾妻山と赤城山を遠望


アカヤシオがちらほら

頂上直下で石尊宮に立ち寄る。数年前に来た時(山行記録)は社殿の老朽化が進んでいたが、その後、改築されて建て付けも直り、雨ざらしの心配はなくなった。社殿の前から山麓を俯瞰すると、採石場の中に大規模な太陽光発電施設ができている。暫く振りに来てみると、色々変わっているところがあるものである。


石尊宮


石尊宮から山麓を俯瞰

石尊山頂上のベンチで少し休憩。暑いのに迂闊にもペットボトルのお茶500mlしか飲み物を持参していないので、水分が足りるかちょっと心細い。ここから深高山までは以前と変化なし。ほぼ平坦な尾根道を、青空を背景に新緑を愛でつつ、のんびり歩く。


石尊山頂上


石尊山三角点


深高山へのプロムナード


深高山頂上

石祠のある深高山の頂上で、木陰のベンチに腰を下ろして少し休憩。ここから猪子峠に下る。途中で数組のハイカーさんと交差する。猪子峠で会ったハイカーさんグループから、仙人ヶ岳のアカヤシオはすごいですよ、と教わる。それは楽しみだ。


猪子峠へ下る


猪子峠の石祠

猪子峠〜仙人ヶ岳間の稜線を歩くのは2000年3月(山行記録)以来で、超久し振りだ。明るい雑木林の尾根を登ると、ポツリポツリとアカヤシオが現れ始める。右手に松田湖を見下ろし、岩場を交える尾根をアップダウンして辿ると、アカヤシオも増えてくる。


猪子山へ新緑の尾根を登る


アカヤシオ(1)

やがて猪子山の頂上に到着。この周辺は特にアカヤシオが多く、わずかな蕾を残して満開だ。ここから小さなピークや岩場を連ねた稜線が仙人ヶ岳まで続く。ところどころで展望が開けて、深高山から石尊山への平坦な尾根が眺められる。山麓の新緑が鮮やかだ。


猪子山頂上


仙人ヶ岳(奥)へと続く稜線


深高山と石尊山を望む


岩稜にアカヤシオが点在

ハイカーさんも多く、大人数のグループも来ている。アカヤシオは株によって花の色が少し異なり、薄いピンクと濃いピンクがある。どちらもいい。


アカヤシオ(2)


アカヤシオ(3)

大きな岩峰に突き当たると犬帰りの鎖場である。巻道もあるそうだが、もちろん左斜面の鎖場を登る。結構急かつ長い鎖場で、登りきってひと息をつく。


犬帰りの鎖場


鎖場を上から覗く

犬帰りの先も数は減るが、まだまだアカヤシオがある。時刻は既に13時に近く、さすがにシャリバテして来た。宗ノ岳の頂上に着いたところで休憩にして、昼食にパンを齧る。

宗ノ岳からは一旦下って、知ノ岳に登り返す。右側は伐採された斜面で、松田湖の湖面がよく見える。振り返れば辿って来た稜線が凸凹と、遠く深高山が眺められる。


知ノ岳を望む


辿った稜線を振り返る
右奥に深高山

松田湖からの登山道を合わせ、知ノ岳の頂上を越えてしばらく進むと、再び満開のアカヤシオの群落が現れる。今年は花つきが良く、当たりの年ではなかろうか。

赤雪山からの縦走路を合わせ、仙人ヶ岳の頂上に到着。頂上周辺ではハイカーさん数組が休憩中。時間がちょっと遅いせいか、思った程人出は多くない。シャリバテは解消しているが、猪子峠からのアップダウンの多い稜線歩きで結構疲れたので、長めに休憩する。


アカヤシオ(4)


仙人ヶ岳頂上

下山は県境尾根を辿って白葉峠に下る。こちらのコースに入ると、ハイカーさんは全くいない。南面と稜線上は山火事で焼けて、黒焦げの木が点在する。以前は樹林の中の藪っぽい道だったのだが、それらがさっぱりなくなって、行く手に前仙人ヶ岳(仙ヶ沢)がまるっと見える。北面の雑木林は上部が少し焼けているが、アカヤシオが健気にも咲いている。


前仙人ヶ岳を望む


前仙人ヶ岳への道を分ける

前仙人ヶ岳へ直進する尾根道から別れ、県境尾根を南下する。右側の黒川流域が一番山火事の被害が酷い。既に焼けた木は伐採され、乾燥してサラサラの斜面に切株が立ち並ぶ荒涼とした光景が広がる。少し登り返して荒倉山の頂上に着く。ここから樹林の間に望む仙人ヶ岳は深山の雰囲気があって、お気に入りの風景だったが、周囲の樹林がなくなってしまい、趣が一変してしまった。あまりの変わり様に、現実を見ていても幻影を見ているような感覚が拭えない。


山火事跡が痛々しい県境尾根


荒倉山頂上
背景は仙人ヶ岳

ペットボトルのお茶を飲み干して、さらに県境尾根を辿る。左の小俣側の斜面も大規模に伐採され(これも山火事跡?)、新しい防獣ネットが張り巡らされている。緩い尾根を辿ると「鷹ノ巣沢」の道標がある。以前は杉林と雑木林に覆われて、全く展望のない地点だったが、今では小俣側は防獣ネット以外、視界を遮るものがなく、深高山が眺められる。


黒川流域を俯瞰


「鷹ノ巣沢」の標識

「←八斗沢下山口」の道標(多分、そちらの道は通行不能)を過ぎると、行く手に県境尾根と御嶽山(姥穴山)が見えてくる。ここも以前は樹林に囲まれて、眺めを望むべくもなかった。好展望だが、ちょっと喜べない。左に小俣園へ下る枝尾根上の道を分け、右に菱町公民館への道を分ける。この辺りも樹林が焼けて、深高山から石尊山にかけての平坦な稜線が眺められる。


御嶽山(姥名山)を遠望


菱町公民館への道を分ける


石尊山を望む


新緑の県境尾根を下る

短い急坂を下ると、ようやく山火事跡を抜け、杉植林帯の緩やかな尾根道を下る。小俣側は広く伐採されているが、これは確か山火事以前から。新緑の雑木林の尾根道を登り上げて高萩山の頂上に着く。ここも何度か別の山火事に遭っており、頂上を取り巻く樹林がだんだん薄くなっている気がする。


高萩山頂上


頂上から急斜面を下る

頂上から新しいトラロープが張られた急斜面を下る。伐採跡地に繁茂する低木の新緑が鮮やかで綺麗だ。正面に見える御嶽山も、先週登ったときより緑が深い。明瞭な踏み跡を辿り、アルミ梯子で白葉峠に下り着く。いやー、ようやく着いた。結構、疲れた。あとは車道をテクテク歩き、駐車した叶花集会所に戻った。


新緑の尾根から御嶽山を望む


白葉峠に下り着く