金松寺山〜天狗岩

2016年5月8日(日)
天気:
メンバー:T
行程:林道ゲート 5:45 …林道終点 6:30 …金松寺山(1625m) 7:40〜7:45 …天狗岩(1964m) 8:40〜9:15 …林道終点 10:30 …林道ゲート 11:10
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

このところ里山歩きが続いたので、この週末は標高が少し高い山に登りたいかな。『信州ふるさと120山』を参考にして、常念山脈南部の衛星峰で松本平に臨む金松寺山(きんしょうじやま 1625m)と、その奥に聳える天狗岩(1964m)に登ることにする。

『信州…』によると、登山口から天狗岩まで標高差約1100m、登り5時間弱となっている。これは登り応えがありそうなので、早発ちして桐生を深夜2時半に車で出発。高速を走って松本ICで降り、登山口の旧梓川村(現松本市)金松寺に向かう。今日は良く晴れて、残雪を冠した常念山脈が青空の中に高々と連なる。その手前に金字形の山容ですっくと聳えているのが金松寺山だ。

金松寺の前の車道を進むと少し先に防獣柵のゲートがあり、その前の駐車スペースに車を置く。ちょうどマウンテンバイク(以下、MTB)に乗った男性ハイカーさんが、ゲートを開閉して林道に入っていったところだった。私も歩く準備を整えてゲートを通る。

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山麓より仰ぐ金松寺山

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林道ゲート前に駐車

浄水場の前を通り、沢沿いの簡易舗装の林道を辿ると山の神が祀られている。ここにも数台の車を置ける(が、大して距離は稼げない)。このすぐ先のゲートで車両通行止である。先行のハイカーさんは、このゲートもMTBで通っていったようだ。

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山の神

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このゲートで車両通行止

林道は山腹を折り返して登る。樹林の切れ間から金松寺山が眺められる。山懐に入って見上げているせいか、なかなか高く見える。途中に「あずさの森」との説明板があり、この辺りには古代梓弓を作った梓川村木あずさ(みずめ)の木が植えられているそうだ。

林道は長らく車が通ってなく、路面は低い草に覆われて、ところどころで倒木が道を塞ぐ。傾斜もそこそこあり、自転車で上るには疲れそうな林道だが、先行のMTBのハイカーさんは健脚で、後ろ姿も見えない。

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林道より仰ぐ金松寺山

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新緑に包まれた林道を歩く

山腹をトラバースして高度を上げると林道終点となり、MTBが駐輪してある。「金松寺山・天狗岩登山道→」との道標に従って、ここから登山道に入る。

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林道終点

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登山道に入る

登山道は沢に沿って緩く登り、「水道水源に付 立入禁止」の看板を通るとジグザグに登り始める。送電線巡視路の道標を過ぎるとヒノキ植林帯に入り、大きく稲妻形に登る。かなり急な山腹を登るが、登山道は良く整備されていて丁寧にジグザグが切られ、楽に歩ける。数箇所で古い防獣網のゲートを通る。

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沢沿いに登る

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急な山腹をジグザグに登る

やがて大きく右に登り、ササとカラマツ林の山腹をトラバースして尾根上に着くと道標があり、右に金松寺山の頂上を迂回して天狗岩に向かうルートを分ける。ここはまず金松寺山に登るので、左の道へ。尾根道を登ると、金松寺山の頂上に到着する。

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右へ大きく登る

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頂上迂回ルート分岐

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尾根を登る

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金松寺山頂上

頂上はアカマツやカラマツなどの樹林に囲まれて展望には乏しいが、ササ原が切り開かれた広場にベンチやテーブルがあり、雰囲気も明るくて居心地は良い。主三角点の標石があるが、珍しいことに山名標の類が何もない。

しばし休憩したのち、天狗岩に向かう。カラマツとササに覆われた尾根を緩く下る。鞍部で頂上迂回コースを右から合わせ、緩い登りに転じる。だんだんと高山の雰囲気が出てくる。ササが刈り払われて、登山道は大変良く整備されている。行く手の木の間越しに天狗岩の頂が見える。途中で、早くも天狗岩から戻ってきたMTBのハイカーさんとすれ違う。

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カラマツとササの尾根を辿る

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尾根を緩く登る

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スミレの仲間

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傾斜が増した尾根を登る

標高が上がると樹林がやや疎らとなり、周囲の山々が眺められる。斜め右前には黒々とした樹林に覆われた三角形のピーク(黒沢山)が見え、その奥には疎らに雪を残し、鍋を伏せたような山容の大滝山を望む。標高が上がると、黒沢山の左奥に尖った三角形の常念岳が現れる。

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黒沢山の奥に常念岳を望む

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天狗岩頂上

登り着いた天狗岩頂上には、三角点標石と梓川村が設置した金属製の展望案内板、それと5基の石碑がある。これらの石碑は丸石にそれぞれ「御嶽神社」「昭和八…御山開山嶽明…」「蚕玉(こだま)神社」「疫除津島牛頭(ごず)天王」「八海山神社 三笠山神社」と刻んだもので、大変興味深い。後日調べると、津島牛頭天王は愛知県津島市にある津島神社のことで、牛頭天王を祭神とし、厄除けの神として広く信仰されたとのこと。

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頂上の石碑

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頂上から穂高岳を望む

頂上はカラマツ林に囲まれて、展望は木の間から穂高岳や鉢盛山が見えるくらいだが、頂上のすぐ手前に天狗岩の岩場があり、そこからは南面に遮るもののない大展望が得られる。正面に梓川を隔ててゆったりと大きな山容の鉢盛山がまず目を引く。これは登りたくなるな。その右には白く木曽御嶽山と乗鞍岳を遠望する。左に目を転じれば遠く霞んでいるが南アと八ヶ岳を認め、手前に金松寺山と広大な松本平を俯瞰する。素晴らしい。

予定よりだいぶ早く到着してまだ昼前なので、鯖味噌煮をつまみに缶ビールを飲むだけとし、岩場の上で寛ぎながら展望を堪能する。

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天狗岩から金松寺山と松本平を俯瞰

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天狗岩から鉢盛山と御嶽山を遠望

下山は往路を戻る。途中、数名のハイカーさんと交差。金松寺山は頂上迂回ルートで巻く。この迂回道も良い道だ。金松寺山経由の道と合流し、急な山腹をジグザグに下る。沢筋近くまで降りたとき、登山道のすぐ脇に、行きには見落とした変な花が点々と咲いていることに気付く。後日調べるとヤマウツボという寄生植物らしい。初めて見た。面白い。

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復路は頂上迂回ルートを通る

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ヤマウツボ

林道に出て、あとは駐車地点まで林道をのんびり下る。日が高くなって初夏のような陽気となり、ブナなどの新緑がますます鮮やか。

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コンロンソウ?

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あずさの森

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カキドオシ?

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山麓より金松寺山(左)と
天狗岩(中)を望む

11時過ぎに下山。行程は予想よりもだいぶ軽目だったが、天狗岩からの大展望や珍しい石碑・植物を見ることができたのは非常に良かった。

帰りは、まず、梓水苑の日帰り入浴(410円)で汗を流したのち、飯屋を探して下道を走る。長野と言えば蕎麦だろう。ところがなかなか見つからず、R143で青木村まで進んで「道の駅あおき」でようやく昼食にありつく。しかし、ここの天ざるはうまかった。上田菅平ICから高速に乗って、桐生への帰路についた。


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