太田金山

天気:
メンバー:T
行程:市営駐車場 12:55 …大光院 13:00〜13:20 …彦七山(184m) 13:45 …金山(239m) 14:40〜14:50 …小八王子山(172m) 15:15 …市営駐車場 16:00
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

3日の文化の日は、元々、太田のICI石井スポーツ(10%OFFセール中)に買い物に行くつもりにしていた。当日、天気は快晴。買い物だけでは絶好の山歩き日和が勿体無いので、太田に行く序でに金山に登ることにする。金山にはドライブウェイを車で上がって訪れたことがあるが、麓から歩いて登ったことはないので、ちょうど良い機会である。

ICIでリュックサック(karrimor sector 25)や山用Tシャツ、靴下を買い、来来亭で昼食にラーメンを食べた後、登山口の大光院に向かう。市営の無料駐車場に車を置き、デイパックにお菓子とペットボトルのお茶だけを入れ、トレランシューズで歩き出す。まず、大光院にお参りしよう。

大光院に来るのは、実は初めて。境内では第59回関東菊花大会が開催中(10/25〜11/25)で、多数の菊の花が展示されている。どの菊も芸術品で見事の一言。菊花展が開催されているとは知らずに来たのだが、タイミングが良かった。境内には屋台も出て、菊を鑑賞する人や七五三参りの着飾った家族連れで、そこそこ賑わっている。


大光院吉祥門
「第59回関東菊花大会」開催中


菊花の展示と本堂


懸崖作り


大菊


菊の花壇


開山堂

開山堂の右手から吞龍上人御廟の前を通り、金龍院への道を右に分けて西山ハイキングコースに入る。山腹を一直線に登ると、周りからリリリと虫の音が小さく聞こえてきて、里山にも秋が来たなあと感じる。


西山ハイキングコース
ここは左へ


坂を登る

尾根に登り着き、緩やかな尾根道を辿る。木立を通して強い風が尾根を吹き抜けるが、今日は気温が高目なので、むしろ気持ち良い。少し下った鞍部に東屋があり、ハイカーさんが休憩中。右にからたち沢への道を分けて、直進。階段のある急坂を登る。


尾根を辿ると鞍部に東屋


急坂を登る

この坂は短く、すぐに稜線上に出る。道標があり、金山山頂は右へ。左は「←長手 浅間神社 400m」となっている。左に行くとすぐに「史蹟金山城址 昭和十三年二月建設」の銘のある石碑が建つ小ピークに着く。木立の切れ間から南に太田市街が眺められる。このピークは、「やまの町桐生」によると彦七山と呼ぶそうだ。この先の浅間神社への道はぐっと細くなって、笹が被さり気味だ。

引き返して、金山に向かう。塹壕や土塁などの城の遺構を通ると、モータープール(駐車場)に着く。約30台程のスペースは8割方埋まっていて、ここから金山までの間、城跡を観光する老若男女のグループ・家族連れと多く行き合う。駐車場脇に展望台があるが、周囲の樹林が育ってしまったためか、展望はあまりよろしくない。


彦七山頂上「史蹟金山城址」石碑


モータープール展望台より

平坦な尾根道を進んで「史跡金山城跡」の石碑と東屋を過ぎると、金山城の堀切や通路などの遺構が続いて現れる。復元整備された遺構には、説明板が設置されている。


「史跡金山城跡」石碑と東屋


西矢倉台下堀切

石垣に囲まれた石敷の通路を通り、木橋を渡る。左の尾根の上が物見台の遺構で、尾根に上がって少し戻ったところに標高222m三角点の標石と展望台がある。


馬場下通路


物見台

展望台からの眺めは素晴らしい。北西には八王子丘陵や鳴神山脈を望み、薄紫に染まる赤城山と袈裟丸山を遠望する。西に目を転じると、関東平野の向こうに榛名山や浅間山の山影を望む。南面も太田市街や関東平野を一望することができる。


物見台から赤城山を望む


物見台から袈裟丸山を望む


物見台から浅間山(左)と
榛名山を遠望


物見台の標高222m三角点標石

物見台から先に進み、馬場曲輪(くるわ)を通ると、日陰の窪地に水を湛えた月ノ池がある。水面に青空と紅葉したケヤキを映し、いい風景だ。


馬場曲輪


月ノ池

月ノ池の脇の石垣の入口が大手虎口(こぐち)で、城郭の守りの要となる場所とのこと。石垣の間の通路を上がると日ノ池がある。説明板によると、周辺の石垣や石敷は、発掘調査の結果を基に当時のままで残しつつ、往時の姿を再現したものとのこと。


大手虎口


日ノ池

日ノ池に隣接する中島記念公園の休憩施設で一休み。「日本100名城」の記念スタンプを押印する。金山からの山岳展望の写真展示があり、それによると日本百名山の中の16座を見ることができるそうだ(末尾の参考URL)。

金山の頂上へは、参道の石段を上がる。途中に樹齢800年と伝えられるケヤキの大木がある。幹は太く、枝は大きく張り出して、なかなか見事。

頂上は鬱蒼とした樹林に囲まれて薄暗い。新田義貞公を祀る新田神社、国之常立神・大己貴神・少彦名神を祭神とする御嶽神社、梅若稲荷神社と、三つもの神社の本殿が並び建つ。いずれも明治初期の創建とのこと。


金山の大ケヤキ


金山頂上
御嶽神社(左)と新田神社

下山は参道の石段を真っ直ぐ南に下る。石段が終わるとつづら折れの山道となり、東屋のすぐ先で金山ドライブウェイの途中に出る。車道を突っ切ってさらに下るつもりだったが、「←御城橋」の道標とそちらに分岐するウッドチップを敷き詰めた歩道があるので、これを辿ってみる。しばらく車道に沿って歩き、車道を離れて立派な御城橋を渡る。橋の下は松風峠を越える車道だ。下の車道は、何度か車で走ったことがあるのだが、いつも夜だったので、上にこんな立派な歩道橋があるとは気がつかなかった(^^;)


参道の石段を下る


本城南端のつづら折れ


金山ドライブウェイに沿って歩く


松風峠に架かる御城橋

橋を渡ると、歩道は大八王子山(184m標高点峰)と中八王子山の南東の山腹をトラバースする。林間から草刈機の回る音が聞こえてきて、除草作業中の模様。こちらのコースは、人通りはぱったり途絶えるが、道は良く整備されている。

鞍部に出ると「新田郡 山田郡」と刻まれた宮標石あり。少し登ると東屋のある小八王子山の頂上に着く。赤松林に囲まれて展望はない。


大八王子山の東を巻く


小八王子山頂上

西に下ると、金山を眺めながらのジグザクの下り坂となる。標高は低いが、まわりを山に囲まれて、それなりに山歩きらしい雰囲気がある。だいぶ日が傾いてきたと思ったら、15時を回っていた。秋の日は短い。


下り道から金山を望む


ジグザグに下る

下り着いたところには東屋や万葉碑、駐車場がある。案内図の前におばさん三人組がいらして、金山へはどう行くかを尋ねられる。私が下りて来た道を登るのは結構大変ですよ、と答えると、山麓を散歩して戻ることにされたようである。

しばらく車道を辿り、金龍院に入る。谷間にある寺なので、既に日陰となって寂しい雰囲気。もう少し経つと紅葉が見頃になりそう。本堂の裏手に新田義貞公供養塔がある。


親水公園入口駐車場


金龍院

墓地を抜けて山の端の歩道を辿ると、大光院に帰り着く。風も冷たくなってきて、屋台もそろそろ今日の営業を閉める準備を始めているようである。


山の端の道を辿る


市営駐車場に戻る

のんびり歩き、休憩も入れて約3時間の軽い山散歩だったが、結構、山らしい雰囲気があり、菊花展や金山城跡の遺構巡り、物見台からの大展望など、楽しめるポイントが多くて面白かった。車を置いた市営駐車場に戻り、松風峠を越えて桐生への帰途についた。

参考URL:船水氏のHP「太田金山からの展望」。