笹塒山

天気:
メンバー:T
行程:滑川林道入口 8:50 …山道分岐 9:15 …林道を横断 9:40 …笹塒山(1402m) 11:10〜12:00 …滑川林道入口 13:20
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

浅間隠山から北東へ延びる稜線は、二つの顕著なピークを並べて起こす。そのうちの竜ヶ岳には登ったことがあるが、もう一つの笹塒山(ささとややま)はまだだ。3連休最終日の体育の日に、思い立って出かけてきました。

桐生を車で発ち、R50、R406、県道長野原倉渕線を経由して烏川源流域に入り、登山口の滑川林道入口に向かう。今日は穏やかに晴れて絶好の行楽日和だ。そのせいか、二度上峠に向かう車やバイクが多い。以前、林道入口にあった倉渕ダム現場事務所は、既に取り壊されて空き地となっている。その前のスペースに車を置いて出発、林道を上る。林道入口のゲートはしっかりと閉じられて、車での進入は不可。まあ、入れたとしても、ゲインは大してない。


倉渕ダム現場事務所の跡地


滑川林道入口のゲート

林道を上るとやがてY字路となる。左は竜ヶ岳への道、右は滑川林道細尾沢支線で、笹塒山へは右に進む。約350m先で、左に作業道が分岐する。これが地形図上の破線路だ。群馬300山の笹塒山の項では「奥がやぶで廃道化している」と記述されているし、確かに藪っぽいが、歩けないこともなさそうなので、入ってみる。


笹塒山は右の林道へ


破線路の入口

作業道は沢を渡り、その向こうのもう一つの沢の左岸の杉林の中を緩く登る。道型は微かだが確かに続いている。やがて両岸が抉れた小さな沢に突き当たり、古ぼけた固定ロープで対岸に渡る。ロープがあるということは、ここを歩く人もいるのだろう。


微かな道型が続く


小さな沢を渡る

さらに作業道を辿ると傾斜が増してきて、明瞭な尾根の上を登る。段々、道型が怪しくなるが、とにかく尾根を辿る。とうとう道型が消えて急登となるが、程なく尾根を横切る荒れた林道に出る。林道をずっと辿る通常ルートをショートカットして、ここで合流したことになる。まあ、林道ルートでもそれほど距離はないから、ショートカットと言っても大して得がある訳ではない。


道型は消えて尾根を急登


林道を横断する

林道を横断して、尾根上の山道を辿る。通常ルートに乗ったので、道は良く踏まれている。周囲の樹林は、紅葉のピークには早いが、そろそろ色付き始めている。


紅葉がチラホラ


明瞭な踏み跡が続く

やがて尾根は細く急になり、木立と露岩を縫うように踏み跡が続く。樹林に覆われて展望はないが、切れ間から笹塒山の頂上稜線が見える個所がある。直下に岩壁のあるピークが笹塒山の頂上だ(とは、登ったのちに判った)。上の方は紅葉が頃合いのようだ。

尾根が広くなり、下生えの笹原にジグザグについた踏み跡を登ると、山腹をトラバースする歩道(とは言っても微かな踏み跡)に出る。群馬300山では中腹道(巡視路跡)と記述されている道だ。直進は急斜面で登るのは大変そう。左右どちらからか回り込んで、尾根に上がるしかない。

ここは右へ、中腹道を辿ってみる。途中、ミミズ?を咥えたヤマカガシに遭遇して、胆を冷やす。中腹道はどんどん尾根から離れていき、しかもますます道型が怪しくなる。これはまずい、と思って引き返すと、分岐して登る踏み跡があり、簡単に尾根上に復帰する。この辺りの迷走ぶりは、ルート地図のGPS軌跡を見ると丸わかりである。


笹塒山の頂上(中央)を仰ぐ


下生えが笹原の急斜面を登る

尾根を辿り、下生えが笹原の急斜面を登る。頂上稜線に登り着いた地点が、地形図上の1402m標高点だ。頂上稜線はほぼ平坦で、小さなピークがいくつか並ぶ。石祠のある笹塒山頂上は右(東)だが、左(西)の稜線を辿ってみると、次のピークに「笹塒山」の山名標が二つ、木の幹に架かっている。何故ここに?

この先には特記するものはない。1402m標高点に戻り、稜線を東に進む。痩せ尾根の突起に登ると、小さな鳥居と石祠、山名標識がある。こちらが笹塒山の頂上だ。石祠には「祝還暦… 奉納笹塒山大神 昭和辛丑三十六年建立」の銘が読める。


頂上稜線に登り着く


笹塒山頂上

頂上は樹林に囲まれて展望はないが、南に僅かに下ると岩場の上に出て、南面を中心に展望が開ける。まず目を引くのは、南西にもっこりとした山容を擡げる竜ヶ岳と、その後ろに聳える浅間隠山だ。浅間隠山の右肩には浅間山の頂きも覗いている。


展望岩場から南面を俯瞰


竜ヶ岳と浅間隠山を望む

南には烏川を挟んで角落山や雨ん坊主、中垣岩などの怪峰が対峙し、東には榛名山を遠望する。頂上周辺の紅葉と相俟って、なかなか良い景観である。


東の稜線の紅葉
背景の山々は榛名山


頂上の鮮やかな紅葉

頂上の小平地に腰を落ち着けて、昼食とする。レトルトパウチのさんまを肴にWHITE BELGを飲んだのち、COOPで特売していた「ぐんまちゃんやきそば」を食べる。どこら辺りが「ぐんま」なのかと言うと、焼きそばにポテトが入っているのであ〜る。

下山は往路を戻り、途中から林道を辿る。荒れて草深いが、特に問題ない。秋の花や実を眺めながらのんびり下り、駐車地点に戻る。


ムラサキシキブ


林道に咲く竜胆(リンドウ)

帰りはこの周辺の温泉でお気に入りの相間川ふれあい館に立ち寄る。鉄錆色のお湯はやはり温泉らしくて良い。油臭と油膜があるのは水酸化鉄だそうだ。ゆっくり浸かったのち、下道を走って帰桐した。