谷川岳

天気:
メンバー:T
行程:谷川岳ロープウェイ駅 9:10 …西黒尾根登山口 9:25 …巌剛新道登山口 9:40 …ラクダのコル 11:05〜11:15 …谷川岳(トマノ耳)(1963m) 12:35 …雪田 12:45〜13:20 …ラクダのコル 14:15 …西黒尾根登山口 15:35 …谷川岳ロープウェイ駅 15:45
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

桐生駅6:24発の両毛線に乗車。新前橋駅で水上行きの上越線に乗り換える。今日は梅雨の合間の久し振りの好天の週末とあって、車内にはハイカーさんが多い。

水上駅に8:14着。ここでハイカーさんは、長岡行き8:24発の列車に乗り継ぐ人と、谷川岳ロープウェイ駅行き8:25発のバスに乗る人に分かれる。私は今回は楽してバス利用とする。駅前バス乗り場に30人くらいのハイカーさんが列をなす。私が普段行く山ではまず見かけない本物の山ガールさんもいて、谷川岳ってやっぱりメジャーだなあ、と感心する。上毛高原駅からやって来たバスは既に満員で乗車できない。運転手さんによると、次のバスがすぐ来るとのことなので、しばし待つ。しかし、待たされるんだったら(土合駅下り線地下ホームからスタートする)クラシックルートでも良かったなあ。

約15分後に来たバスに乗車。バスは土合駅を過ぎるとジグザグの急坂を上って、谷川岳ロープウェイ駅に到着する。ここまでの運賃はJRが1490円、バスが670円也。大半のハイカーさんはここからロープウェイで天神平に上がるが、私と少なからぬハイカーさんが一ノ倉沢方面への車道(R291)を辿る。なお、ロープウェイ駅のすぐ先にゲートがあり、一般車輌は通行止となっている。


谷川岳ロープウェイ駅


天神平を仰ぐ

今日は快晴で既に暑い。谷川岳登山指導センターで、懸け樋から流れ出る冷たい清水を2ℓプラティパスに満たす。ブナ林の日陰に入ると、爽やかな風が吹き抜けて涼が得られる。西黒尾根登山口で、若いペアを含む数組のハイカーさんが西黒尾根に取り付くのを見送る。私の方は、まだ歩いたことがない巌剛新道を登り、帰りは西黒尾根を下ってここに戻って来る予定である。


谷川岳登山指導センター


西黒尾根登山口

さらに車道を辿って山の鼻を回ると、眼前にマチガ沢の全貌が現れる。大きな雪渓を残し、雲一つない青空にトマノ耳へ向かって西黒尾根が駆け上がる。インパクトでは一ノ倉沢に及ばないものの、なかなか素晴らしい山岳景観だ。道標に従って巌剛新道に入る。こちらを歩くハイカーさんはぐっと少ないが、最近、整備の手が入ったようで、道端の草は綺麗に刈り払われている。


マチガ沢から谷川岳を仰ぐ


巌剛新道登山口

最初は樹林化した河原の緩い登りだが、徐々に傾斜が増して、いつの間にか高度を上げる。振り返ると湯檜曽川を隔てて白毛門と朝日岳がせり上がって眺められる。


流水を渡る


マチガ沢から白毛門を望む

やがて、マチガ沢を見下ろす展望ポイントに着く。広い谷を覆う雪渓が、ゴツゴツとした稜線に向かって急角度で突き上げている。源頭の稜線からポチッと飛び出たピークがトマノ耳だ。マチガ沢の右には、岩壁を巡らしたシンセン岩峰が覆いかぶさるように聳える。


マチガ沢の雪渓


シンセン岩峰

登山道はここでマチガ沢から離れ、急峻な山腹を登り始める。きつい登りだが、ところどころで右手にマチガ沢の雪渓やトマノ耳が眺められ、ぐんぐん標高を稼いでいるのが分かって励みになる。鎖場を越えると西黒尾根が間近に迫り、登山道を歩くハイカーさんがアリの列のように見える。振り返れば朝日岳の左に先月登った七ッ小屋山が眺められる。


傾斜が強まる


鎖場も現れる


西黒尾根と谷川岳を仰ぐ


七ッ小屋山(左奥)を望む

山腹を右へトラバースすると、西黒尾根上の「ラクダのコル」に着く(「西黒尾根ガレ沢の頭」と表記した道標がある)。ハイカーさんが大勢休憩中。私も大休止して、水を飲む。日陰がなく、首筋に陽が当たってジリジリ焼ける感覚がある。


ラクダのコルから天神平を望む


ラクダのコルから西黒尾根を仰ぐ

ハイカーさんの列に続いて西黒尾根を登る。木立がないので、始終、大展望が楽しめる。長い鎖場を越えて小さなコブの上に登り着くと、再び谷川岳の頂上が見える。足元には鮮やかな紫の花が群れて咲いている。これはシャジンの仲間かな。


ラクダのコルとラクダの背


朝日岳を望む


鎖場を登る


ミヤマシャジン?


トマノ耳(中央)と
オキノ耳(右)を望む


イブキジャコウソウ

さらに登ると、氷河の跡と呼ばれる巨大な一枚岩があり、岩の上はハイカーさんの良い休憩地になっている。中にはフリクション頼りで岩の先端まで歩いて行く人もいて、見るだけでスリルを味わう。ここは休まずに通過。


氷河の跡を登る


氷河の跡を俯瞰

岩場混じりの急坂を登っていく。右手のマチガ沢源頭の笹原にはコバイケイソウがたくさん咲いている。ようやく傾斜が緩めば肩の広場は近い。トマノ耳とオキノ耳も指呼の間で、どちらのピークにも大勢のハイカーさんがいるのが見える。


コバイケイソウ


肩の広場直下の登り


トマノ耳(左)とオキノ耳


雪田を横切る

雪田を横切って肩の広場の大きな道標に着く。笹原が広がり、すぐ下には肩の小屋が建つ。天神尾根から登ってきたハイカーさんも合わせ、ぞろぞろとトマノ耳に向かう。


肩の小屋


谷川岳(トマノ耳)頂上

トマノ耳の頂上は当然、ハイカーさんで大賑わいである。狭い頂上なのでのんびり腰を下ろして休める雰囲気ではないが、頂上からの展望はしっかり楽しんでおこう。北にはオキノ耳、一ノ倉岳、茂倉岳と連なり、その右には朝日岳、巻機山を遠望する。


オキノ耳と茂倉岳・一ノ倉岳


朝日岳と巻機山を遠望

南には天神平の青々としたスキー場を俯瞰し、遠くに赤城山を望む。西にはオジカ沢の頭、万太郎山、その右奥には平坦な稜線が特徴的な苗場山を遠望する。


天神平と赤城山を遠望


オジカ沢の頭と万太郎山を遠望

オキノ耳にも立ち寄るつもりはあったのだが、シャリバテ気味だし、帰りのバスの時刻もあるので割愛。肩の広場直下の雪田まで戻って昼食にする。残雪でよーく冷やしたWHITE BELGが美味い。カップ麺の天ぷらそばを食べて、人心地がつく。

帰りは西黒尾根を下る。ぐんぐん高度を落とし、ラクダのコルからちょっと登り返して、小ピークに登り着くと「ラクダの背」との道標がある。振り返ると谷川岳が既に高い。


雪田で冷やして飲む


西黒尾根を下る


ラクダのコルとラクダの背を俯瞰


ラクダの背から谷川岳を振り返る

ここからいくつかの小ピークを越えて行く。鎖場の下降もあり、この区間が意外ときつい。最後に長い鎖場を下ると樹林帯に入る。


小ピークを越える


鎖場を降りて樹林帯に入る

あとは比較的緩いが長い尾根の下りとなる。送電鉄塔を過ぎるとブナ林の斜面の下りとなり、西黒尾根登山口に降り着く。車道を歩いて、谷川岳ロープウェイ駅には15:45着。16:00発のバスがあるから、ちょうどいいタイミングだ。


ブナ林を下る


西黒尾根登山口に帰着

帰りのバスも乗客が多く、上毛高原駅行きと水上駅止まりのバスが16:00発で出る。水上駅到着後、駅前から10分ちょっと歩いて水上温泉街の中央にある日帰り温泉「ふれあい交流館」に立ち寄る(550円)。みんな考えることは同じ様で、ハイカーの客が多い。浴室が小さくて芋洗状態となるが、汗を流してさっぱりする。駅に戻って売店で缶ビールと柿の種を買い込み、17:41発の列車に乗車して桐生への帰途についた。