荒山〜鍋割山

天気:
メンバー:T
行程:赤城温泉駐車場 10:20 …荒山分岐 11:35 …休憩舎 12:10 …荒山(1572m) 12:35〜13:05 …荒山高原 13:35 …鍋割山(1332m) …荒山高原 14:50 …棚上十字路 14:55 …荒山分岐 15:15 …赤城温泉駐車場 16:10
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

10月は非常に忙しく、休日も仕事続きで、一度も山歩きをせずに終わってしまった。

ようやく一息ついた11月頭の三連休、当初の天気予報は芳しいものではなかったが、後半は好転して、最終日の文化の日は良い天気になりそう。久しぶりに山歩きに出かけよう。

とは言うものの、この一か月間ろくに運動もしていないので、体力ががっくり落ちてしまった。まずは足慣らしから山歩きを再開する必要がありそうだ。近場の赤城山で、赤城温泉から関東ふれあいの道を辿って、荒山に登ることにする。このコースは歩いたことがないし、鍋割山まで足を延ばせば行程もそこそこ長く、リハビリ山行には良さそうである。

桐生をのんびり車で出発。赤城温泉入り口の駐車場に車を置く。紅葉はこの辺りでちょうど見頃だ。駐車場の一角に「関東ふれあいの道(ツツジの道)」の案内板があり、ここから登山道に入るといきなり急な鉄階段となって谷底まで急降下し、渓流に架かる立派な吊橋の袂に着く。


赤城温泉駐車場


関東ふれあいの道の入り口


立派な吊橋を渡る


吊橋の上から上流の紅葉

対岸に渡り、山腹の杉林の中の階段道をジグザグに急登する。この階段は段差が大きくてきつく、早くも体が重い。これは感覚だけでなく、多分物理的にも重い(^^;)。杉林を抜けると山腹をトラバースする道となり、周囲の紅葉を眺める余裕が出る。


山腹をトラバース


周囲の紅葉(1)

尾根を回り込み、意外と大きな渓流を渡る。今日は水量が少ないので一跨ぎだが、出水の跡もあり、増水時の渡渉は要注意だ。対岸の崖に懸かる木梯子を登り、関東ふれあいの道の標柱(昭和59年3月の銘あり)を見て、左に山腹をトラバースする。この渓流の周辺も紅葉が綺麗だが、標高が少し上がると既に終盤。山麓の方は今が盛りのようである。


渓流を渡る


周囲の紅葉(2)


平坦な道が続く


木立の切れ間から山麓の紅葉を望む

あまり歩く人がいないようで、道には背の低いミヤコザサが被さったりしているが、道型は明瞭で要所に道標もあり、問題なく歩ける。人の気配はないが、途中で大きなイノシシが駆けて逃げるのを見た。自然も豊かである。

広い尾根の上に登り着き、道標で右折して、尾根上を緩やかに登っていく。途中にはツツジの群落が広がる。ツツジの道と言うくらいだから、咲くと見事なんだろうな。花期にも来てみたい。


広く緩やかな尾根を登る


再び山麓をトラバース

緩い尾根を一直線に登ったのち、道標で左に折れて、今度は山腹をトラバースする。ほどなく大きな溶岩が点在する涸れた小沢に差し掛かり、荒山への直登コースが分岐する。

荒山への道に入ると、木の階段が流出していたり、低い笹が被さっていたりで、さらに人の歩いた気配が薄くなる。一部、踏み跡の判然としないところがあるが、これはこれで野趣があってなかなか面白い。この辺りの笹原にもツツジが密に生えていて、ツツジの株の間をすり抜けるように微かな山道が通じている。


荒山分岐


ツツジの間を登る

だんだん傾斜が増し、再び木の階段が現れる。標高が上がるに連れて風が強まり、寒くなってくる。棚上十字路からの登路と合流すると、明るい木立の中に休憩舎が建つ。休憩舎と称しているが、片側だけに風を遮る壁のある小さな東屋である。ここで昼食にしようかとも思ったが、荒山の頂上が近いので、そこまで頑張ろう。

ここまで山中で誰にも全く会わなかったが、休憩舎からはハイカーさんとポツポツ交差する。しばらく登ると「ひさし岩」という道標が立つ、見晴らしの良い岩場に出る。眼下には渓谷が深く切れ込んで、谷底には赤城温泉の建屋が見える。関東平野も一望でき、なかなかの展望ポイントだ。


休憩舎


ひさし岩からの展望

ひさし岩から尾根を登って、ひと気のない荒山の頂上に着く。大きな石祠と三角点標石、いくつかの山名標がある。樹林に囲まれているが、すっかり冬枯れで明るい。木の切れ間から地蔵岳や子持山が眺められる。上信越国境稜線は雲の中だ。北風が樹林の梢をゴウゴウと吹き渡っている。風を避け、陽だまりを選んで腰を下ろし、鍋焼きうどんを作って昼食とする。これからの季節は、温かい物がうまい。


荒山頂上


荒山から小野子三山を望む

昼食後、荒山頂上から西尾根を下って、鍋割山に向かう。途中の笹原の尾根から、関東平野に向かって突き出す鍋割山の稜線が眺められる。


荒山の下りから鍋割山を望む


荒山高原

荒山高原から登り返して、ススキの穂が出はじめた草原の稜線を辿ると、鍋割山の頂上に着く。ここは、今年2月の大雪のとき以来の再訪である(山行記録)。そのときは、高さが2mくらいある山名標識が雪に埋もれて見えなかったことを思い出す。


鍋割山への稜線


鍋割山頂上

鍋割山頂上からの眺めは今回も素晴らしく、東は筑波山まで遠望できる。既に西に陽が傾き始めて、高崎辺りの市街が日差しを反射してペカペカ光って見える。展望を楽しんだのち、稜線を辿って荒山高原に戻る。途中の稜線直下に岩屋と祠があるそうだが、下調べして来なかったので場所が分からなかった(下り口の人面岩は写真に撮っていた^^;)。またの機会ですな。


鍋割山から関東平野を俯瞰


火起山から荒山と
地蔵岳(左奥)を望む

荒山高原から東に緩く下って、棚上十字路に出る。ここには休憩舎や「芝の広場」と称する草地がある。赤城温泉へは十字路を直進。すぐに水がバンバン流れる小沢を渡り、トラバースしながらゆるゆると下る。道は低い笹に覆われて、あまり人通りが多くない様子だが、道型を誤る恐れはない。


棚上十字路


小沢を渡る


低い笹に覆われた道


荒山分岐に戻る

荒山分岐に着けば、あとは往路を戻るだけである。今日の行程は普段なら大したことはないのだが、既にちょっと筋肉痛なのは、やはりブランクのせいだろうか。吊橋を渡り、急な鉄階段をよっこらせと登って、駐車場に辿り着いた。


往路を戻る


吊橋を渡って駐車場へ

山歩き後は赤城温泉にサクッと入ろうと思ったが、日帰り入浴は16時までで入れず。粕川温泉元気ランドに立ち寄り、ゆっくり温まって足の疲れを癒した後、帰宅の途についた。