荒船山

天気:
メンバー:M,T
行程:内山峠 9:10 …艫岩 10:30〜10:40〜経塚山(1423m) 11:25〜11:55 …内山峠 13:40
ルート地図 GPSのログ(往復で復路のみ)を地理院地図に重ねて表示します。

この週末は梅雨の最中だが、予報では天気はなんとかもちそう。もう、低山・藪山を歩く季節ではないので、標高がそこそこあってポピュラーな(=真っ当な登山道のある)山に行くことにして、内山峠から荒船山を往復して登ることにする。荒船山は立岩を経由して登ったことがある(山行記録)が、10年も前だし、内山峠からのルートは歩いたことがないので、興味がもてる。同じく、内山峠からは登ったことがない、というMさんに同行頂いて、出かけてきました。

桐生を車で出発し、上信越道、R254を経由して内山峠へ向かう。晴れていれば、峠道から艫(とも)岩の大岩壁を仰ぐことができるのだが、今日は残念、雲の中である。

内山トンネルの手前で、内山峠、神津牧場方面にむかう枝道にはいる。神津牧場への道は通行止になっている(後日、調べると、前日の大雨で地滑りが発生したらしい)。内山峠へは通行可能で、峠の駐車場に車を置く。既にハイカーさんの車で8割方埋まっている。さすがポピュラーな山である。

荒船山への登山道は駐車場の奥から通じており、県境稜線の長野県側を緩く絡んで進む。樹林の緑が瑞々しい。天気はまあまあ。ときおり陽も射して、ハルゼミが盛んに鳴いている。3週間振りの山歩きはやはり気持ち良い。意外とアップダウンがあり、蒸し暑さも加わって、すぐに汗をかく。群馬県側は切れ落ちており、稜線上を辿る個所ではそちらから吹き上がって来る冷風で涼むことができる。


内山峠


県境稜線の長野側を絡む


木階段の急登


桟橋もある

標高が上がると雲の中に入って、辺り一面の白いガスに覆われる。やがて大きな岩壁の基部に登り着く。岩屋があり、上から岩壁を伝って水が落ちている。ここが、鋏岩修験道場跡らしい。岩屋の中には石造物は見当たらない。登山道は岩壁を右から巻いて登る。少し先の道端に「持堅婆…」と彫られ、下部を欠いた石碑がある。

ブナ林の稜線を登ると「一杯水」の看板があり、岩壁を割って小滝が流れ落ちている。木橋が架かり、そこから水を汲むには短い距離だが滑り易い岩壁を伝う必要があって、ちょっと使い難い水場だ。


鋏岩修験道場跡


一杯水

登山道はここから急坂となり、露岩を削ってジグザグに登って行く。荒船山の頂上台地から流れ落ちる小沢に沿って登ったり、ロープを手摺に岩場を伝ったり、小粒ながらもなかなか変化があって面白い。Kさん(今回は所用で残念ながら不参加)が喜びそうな道である。やがて傾斜が緩まると、艫岩の頂上は近い。


艫岩への急登


ステップが刻まれた岩場


ヤマコアジサイ


艫岩の頂上は近い

平坦な頂上台地に登り着くと、艫岩の休憩舎がある。張り紙によると、今年、予定されていた休憩舎の改修工事は、諸般の事情により延期されたらしい。ということで、休憩舎は、ベンチ部分は使用可で雨宿りもできるが、その他WC等は現在閉鎖中となっている。

すぐ先の艫岩の岩頭に行くが、ガスに包まれて展望は皆無。岩壁の下を覗き込んでも真っ白でなーんにも見えない。少し休んだら、経塚山に向かおう。


艫岩の休憩舎(閉鎖)


艫岩の岩頭に立つMさん

艫岩から平坦で広い頂上台地の上を歩く。左に相沢への登山道(これも未踏だ)を分け、小沢を渡る。ここの水はバンバン流れていて、まあまあ飲める。脇に石祠があるのは、水神様だろうか。

平坦な登山道を辿ると、途中に「皇朝最古修武之地」の石碑への分岐がある。脇道に入って直ぐに高さ4mほどの石柱が建つ。昭和初期に地元の人達によって建てられたとのこと。


相沢分岐


水流を渡る


平坦な頂稜が続く


「皇朝最古修武之地」の石碑

平坦な頂上台地の笹原の間には、点々と小さな湿地や池がある。道草して一つの池に近づいてみた。クリンソウの群落があるが、既に咲き終わりである。

登山道に戻って先へ進む。直ぐ先にも大きな石祠があり、宗教的モニュメントが結構ある。ふと気がつくと、ズボンの腿の上をでかいオレンジ色の毛虫が這ってる!一瞬、血の気が引いたが、触れないようにして振り落とす。池に近づくために笹を漕いだとき、くっついたようだ。毛虫を落とした辺りの地面を見て、変な形のキノコを発見した。まあ、怪我?の功名かな。


サンコタケ


星尾峠分岐

星尾峠への道を右に分け、経塚山へ急坂を上がる。降りて来る大人数の団体と交差する。登り着いた頂上は、入れ替わったハイカーさんが1、2人と静かな雰囲気。元から樹林に覆われて展望はないし、今日はガスも濃くなって薄暗い。あまり寛げる雰囲気ではないが、ここで昼食にする。まずは缶ビールを分けて乾杯。鯖缶やツマミを食べたら結構お腹がいっぱいになったので、ラーメンは作らなくていいか。


経塚山へ急坂を登る


経塚山頂上

下山は往路を戻る。艫岩付近で再び大人数の団体と交差。標高が下がるに連れて陽射しが戻り、やはり蒸し暑い。内山峠の駐車場には観光バスが停まっていた。人気の山やね。しかし、見所と変化に富んでいるので、この人気も納得である(200名山でもあるし)。


大島鉱泉(1)


大島鉱泉(2)

帰りはMさんの希望で、富岡の大島鉱泉に立ち寄る。なんでも、最近の「山の本」の記事に出ていたそうである。ここには、桧沢岳に登った帰りに入ったことがある。そのときは、着いてからわざわざ沸かして貰った。電話をかけて今日は入浴可能か確認したところ、大丈夫とのことだった。で、到着して、そのレトロな佇まいには、Mさんもビックリ。代金は9年前と変わらず360円。ちょっとモール泉っぽい、いい湯だ。穴場の湯であるが、富岡製糸場が近いので脚光を浴びるかも。