金時山

天気:
メンバー:T
行程:金時山登山口 13:00 …金時山(1212m) 14:10〜14:30 …金時山登山口 15:30
ルート地図 GPSのログ(往復で復路のみ)を地理院地図に重ねて表示します。

この週末は両親と箱根の仙石原温泉に一泊し、観光の合間に金時山に登って来ました。

前日金曜の深夜に車で横浜の実家に帰省し、翌朝、両親を乗せてのんびりと車で出発。今日は梅雨の最中の貴重な好天で、既に初夏の陽気だ。東名を御殿場ICで降り、長尾峠に上がって箱根スカイライン(有料)に入る。途中、駐車場のある芦ノ湖展望公園に立ち寄る。眼下に芦ノ湖の湖面が広がり、箱根山中央火口丘の神山や駒ヶ岳がどっしりと聳える。また、道路を隔てた反対側には、富士山の裾野に踞る愛鷹連峰を見渡す。富士山自体が山陰で見えないのは惜しいが、素晴らしい景観だ。通行料の元は充分取れたかな。


箱根スカイライン
芦ノ湖展望公園から神山


芦ノ湖展望公園から愛鷹連峰

湖尻峠から湖尻を経由して仙石原に向かい、すすき草原に隣接する蕎麦屋で昼食。その後、湿生花園を見学する両親を入口で降ろして、登山口の金時(公時)神社入口に向かう。母は最近少し足を痛めているらしく、また、両親は二人で金時山に登ったことがあるのことで、ここは別行動とし、私一人で登ることにした。

金時神社入口にはWCの前に駐車スペース(無料)がある。ほぼ満車。幸い、数台の空きがあって車を置くことができた。周辺にも駐車スペースがあるが、そちらは有料(500円)である。有料の方もほぼ満杯。正午をだいぶ回った今からでも登る人が多い。大人気の山である。

参道を上がって、まず公時神社に参拝する。木陰から仰ぐ金時山は思いの外、険しくて高い。神社の祭神はもちろん坂田公時(さかたのきんとき)である。


金時山登山口


公時神社

公時神社からヒノキ林の中の登山道を緩く登る。小さな子連れの家族や山ボーイ、山ガール、かつての山ボーイ、山ガールなど、多種多様で大勢のハイカーさんと前後して登る。木橋で小沢を渡ると、シダに覆われ注連縄が巻かれた大岩(金時手鞠石)がある。


ヒノキ林を緩く登る


金時手鞠石

この先で車道(入口にゲートがあり通行止め)を横断すると、金時神社奥の院という道標があり、右手の脇道に入って直ぐの所に手鞠石と同じ様な大岩がある。登山道に戻って進むと、真っ二つに割れた巨岩があり、金時宿り石の標識がある。金太郎と山姥が住んでいたという伝説があるらしい。


金時神社奥の院


金時宿り石

宿り石を過ぎると登山道は右へ曲がって山腹をトラバースし、やがてヒノキ林中の急登となる。大勢の登山者に踏まれた登山道は深く抉れて、木の根が露出している。自然林のトラバースに入り、ところどころから神山を眺めると、明神ヶ岳からの縦走路に登り着く。


ヒノキ林を急登


山腹をトラバース


公時神社分岐
縦走路に登り着く


縦走路を金時山へ

低い樹林に覆われた稜線上を登る。途中、眺めが開け、金時山の頂上がすぐ上に見える。稜線の両側は意外に急斜面だ。再び樹林に入り、急坂を登ると金時山の頂上に着く。


金時山の山頂を仰ぐ


頂上へ最後の急登

頂上は南面が岩場を交えた懸崖となり、仙石原から箱根中央火口丘、芦ノ湖の眺めが素晴らしい。金時山と言えば富士山の展望で有名だが、今日は残念ながら頂上には雲がかかっている。頂上はそこそこ広いが、ベンチや岩場で休憩するハイカーさんで大賑わいで、腰を降ろす場所を探して頂上をうろうろする。頂上には2軒の茶屋があり、繁盛している。その他、バイオトイレ(チップ制)あり。

山頂の説明板によると、金時山は、元は山容から猪鼻嶽(いのはなだけ)と呼ばれていたが、坂田公時がこの山で山姥に育てられたという金太郎伝説が広まり、江戸時代後期から金時山と呼ばれるようになったそうだ。


金時山南面


金時山頂上
遠景は富士山


金時山から神山を望む


金時山から丸岳方面を望む

金時山は、登山口からわずか1時間強で登れる軽ハイキング向けの山だが、山容は結構険しくて立派。山頂からの展望も素晴らしく、なかなか良い山である。大人気なのも頷ける。少し休憩したのち下山にかかり、往路を戻る。

車に戻り、今夜の宿の仙石原温泉仙郷楼に向かう。両親は湿生花園から歩いて既に到着していた。結構距離があったそうだが、母の足の方は問題なかったようである。早速、露天風呂に浸かる。薄く白濁して硫黄臭のする良いお湯である。軽く運動した後なので、風呂上がりのビールが美味い。部屋食で夕食のご馳走を食べた後、ぐっすり眠った。


仙石原温泉仙郷楼


仙郷楼の散策路から望む金時山
(日曜日の朝に撮影)

ここからは、登山日誌おでかけ編です。

翌朝も快晴。金時山の鋭い頂きがよく見える。今日は箱根の観光地を巡る予定である。

まず、大湧谷に向かう。9時半頃に到着し、有料駐車場に車を置く。既に観光客で大賑わい。遊歩道を歩いて10分ちょっとで、最上部の玉子茶屋に着く。冠ヶ岳の奇峰を見上げ、崩壊した斜面から噴気が盛んに上がる様を眺める。なかなかの景勝地である。

茶屋の脇には熱湯が湧く池がある。店の人が池から沈めておいた金網籠を引き上げると、籠の中には真っ黒のゆで玉子がギッシリ。黒く変色したのは硫化鉄が付着したためだそうだ。最後に追加で蒸かして名物黒玉子の出来上がり。5個入り500円で販売している。名物だから、当然買って食べてみるよね。出来立ては熱くて、持てない程である(ちなみに私は猫手、猫舌)。中身は黒くないが、白身は少し黄がかっている。普通のゆで卵より美味しい気がする。


大湧谷と冠ヶ岳


大湧谷・玉子茶屋付近

10時半頃に駐車場から車を出すと、これから駐車場に入ろうとする車がすごい長蛇の列をなしていた。人気スポットなので、訪問の際は早めの到着を推奨。

次は彫刻の森美術館に向かう。広大な園地にたくさんの彫刻が点在し、散歩しながら芸術鑑賞ができる。緑が奇麗で眺めも良く、開放的で気持ち良いところである。面白いと思った作品をピックアップして写真を掲載する。なお、野外展示物の撮影は自由である。


彫刻の森美術館
浮かぶ彫刻


星の庭、若い女


密着


ボクシングをする二匹のうさぎ


球体をもった球体


彫刻の森美術館から
明神ヶ岳(奥)を仰ぐ

最後は元箱根の高台にある成川美術館に立ち寄る。ここの目玉は、日本画の展示と展望ラウンジからの芦ノ湖の大展望である。残念ながら、今日も富士山は霞んで見えない。ティーラウンジで湖面に浮かぶ遊覧船やスワンボートを眺めながらソフトクリームを頂いて、ゆったりした気分に浸る。

これにて今日の箱根観光は終了。渋滞しないうちに早めに帰途につき、箱根新道、小田原厚木道路を経由して実家に帰った。