餅ヶ瀬川

2013年7月6日(土)
天気:のち

桐生山野研のMさんから、前橋ハイキングクラブ(MHC)のKさんを案内して、袈裟丸連峰・餅ヶ瀬川上流のニョホウチドリ自生地を探索するので、行きませんか、というお誘いを頂いた。

Kさんとは、昨年夏に亡くなったMHCのつれづれさんを通じての知己で、ぐんま県民ハイクでお目にかかったこともある。四季全国の山を歩き、群馬県境を踏破して「群馬の県境を歩く」という書も著している大ベテランである。ニョホウチドリは見たことがないし、原始の自然が残るという餅ヶ瀬川上流に行くのも初めてなので、とても面白そう。という訳で同行させて頂き、出かけて来ました。

(この記事では、自生地保全のため、山行の詳細についての掲載を一部控えています。)

大間々に集合してKさんとの再会を喜び、Kさんの車で餅ヶ瀬林道奥のゲートまで入る。しばらく林道を歩き、釣り師?の踏み跡を辿って沢に降り、Mさんと私は渓流タビに履き替えて、遡行開始。Kさんは軽登山靴だが、バランス良く登って行く。最初は天気が曇りということもあって、陰気な感じの沢歩きだ。河原を歩いたり、主に右岸に付いている踏み跡を辿って遡る。

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餅ヶ瀬林道のゲート

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遡行開始

15分程歩くと小さな滝が現れて、少し沢登りらしくなる。見事な深い釜をもつ小滝が現れ、これは少し戻って左から容易に高巻く。次の小滝も深い釜をもち、左の踏み跡を利用して越える。

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小滝を左から越える

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深い釜をもつ小滝(その1)

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深い釜をもつ小滝(その2)

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クルマユリ

しばらく河原歩きが続くが、深い原生林の中に次第に陽が差し込み始めて、気分も明るくなる。二段の滝が現れると、この上流は連瀑帯となっている。手前の二股から左の沢沿いの踏み跡を辿り、ロープを伝って尾根を越え、連瀑帯を高巻いて沢身に戻る。この先は小滝やナメがあり、なかなか快適な沢歩きとなる。

いくつか支流を分けると流れが細くなる。林床がササで覆われたサワグルミやブナの林が広がり、緑が美しい。林の中にショウキランが咲いているのを見つける。私は初めて見る花だ。ぽってりとしたピンクの花びらが奇麗だなあ。

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二段の滝

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小滝

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ナメ

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ショウキラン

細くなった水流を辿ると、両岸に火山特有の脆い岩壁が切り立つU字状の谷となる。岩壁は高く、上から水が落ちて来るところもあって、なかなか壮絶な景観だ。落石がありそうで、ちょっと怖い。水流が尽きて涸れ滝に突き当たる。Mさんによると、この辺りがニョホウチドリの自生地と目星を付けた場所だが、それらしい花はどうも見当たらない。Mさんだけ涸れ滝を登って、さらに上流の様子を見に行く。

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上流部のナメ

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岩壁に囲まれた谷を登る

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ミゾホウズキ

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涸れ滝付近

Mさんを待つ間、Kさんとつれづれさんの思い出話をしていて、何気なく岩壁を見ると、ピンク色のつぼみを付けた1本の小さな草が岩にへばりついた泥に生えている。これはもしかしてー。Mさんも戻って来て、辺りを探すと花が開いているものもある。これがニョホウチドリだそうだ。数はあまり多くなく、また岩壁の途中の撮りにくい場所に咲いているので、なかなか良い写真が撮れない。しかし、目当ての花を見ることができて、大満足だ。

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ニョホウチドリ(1)

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ニョホウチドリ(2)

探索の目的を果たして、一同、意気揚々と下山にかかる。往路を戻り、途中の安全な場所で昼食とする。Kさんはさすが花の名前に詳しくて、目にする花の名前をいろいろ教えて頂く。途中で鮮やかな黄色いキノコを見た。これも初めて見るキノコで、後日、Mさんが調べたところによると、タモギタケというそうである。

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バイカウツギ

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タモギタケ(食用)

結構長い沢を往復し、河原歩きで気疲れしたが、無事に車に戻る。往復9時間の探索山行であった。この日、関東甲信地方は梅雨明けが宣言され、桐生に帰るとかなり蒸し暑くなっていた。

参考文献:増田宏著「袈裟丸山」。餅ヶ瀬川のニョホウチドリについての記述あり。


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