俎倉山

2013年6月29日(土)
天気:時々
メンバー:T
行程:俎倉山登山口 9:50 …琴沢を渡る 10:10 …カツエの水場 10:55 …俎倉山(857m) 11:35 …天狗の庭 11:40〜12:30 …俎倉山登山口 14:00
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、緑:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

週末の天気予報によると、関東の天気はいまいちだが、新潟は土日とも晴れそう。下越の新発田市まで遠出して、飯豊連峰前衛の俎倉山(まないたくらやま)と蒜場山(ひるばやま)の2座に登って来ました。

1日目の俎倉山は行程が短いので、そう早くない朝5時に桐生を車で出発。赤城ICから聖籠新発田ICまで高速を走り、新発田市街を抜けて、加治川の上流に向かう。

出発から約4時間で「俎倉山登山口」の道標のある林道入口に到着。路側に広い駐車スペースがあり、既に3台の車がある。ちょうど、単独行の男性が出発するところで、挨拶を交わす。駐車スペースの背後には加治川を隔ててスラブが露出した急峻な山肌が迫り、豪雪地帯らしい景観だ。雲が多いものの陽が射して、天気はまあまあ良い。

ゲート脇から林道に入るとすぐに道標があり、登山道が分岐する。登山道は清冽な水が迸る用水に沿って進む。初夏の瑞々しい緑が気持ちよく、この時点で、遠出して来た甲斐があったなあ、と感じる。ところどころに咲いているシモツケソウやタマガワホトトギス、ガクアジサイの花、対岸に鈍く光るスラブを眺めながら、平坦な道をのんびり歩く。

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俎倉山登山口

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登山道に入る

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用水沿いの登山道

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タマガワホトトギス

下生えにシダが茂る杉林を通り、道標に従って用水を渡ると、すぐ下に琴沢の渓流を眺めながら左岸をトラバースする道となる。危ない個所には丸木の桟道や手摺のロープが架けられ、刈り払いもされていて、整備の手が良く入っている。

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琴沢の流れ

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渓流沿いの登山道

やがて登山道は琴沢の徒渉点に着く。細い水流を飛び石伝いで渡り、滑り易い岩場をロープを頼りに登って、右岸のトラバース道に上がる。このあとの渓流沿いの道もところどころに小さなスラブのヘツリがあるが、足場が切られロープが張られているので、楽に通過できる。

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琴沢の右岸に渡る

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渓流沿いのトラバース道

右岸支流の小さな沢を渡ると、登山道は尾根に取り付く。短い急坂を登ると傾斜が緩まり、ブナと天然の杉に覆われた広い尾根をゆるゆると登って行く。足元にはすでに花が終わったショウジョウバカマが多く、オオバギボウシがぽつぽつ咲いている。

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支流の沢を渡って尾根に取り付く

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杉とブナに覆われた尾根道

尾根を外れて再び沢沿いの道となる。この辺りは一面のブナ林の緑が美しい。琴沢を渡って左岸を緩く登ると杉林に囲まれた小平地があり、文字がほとんど掠れて「←七曲り1.6KM お京の平 すぐそこ→」と書かれた錆びた金属プレートが落ちている。ここがカツエの水場らしい。脇を流れる小沢で2ℓポリタンを満タンにする(この先に水場はない)。

薄暗い杉林を少し進むとお京の平で、右側の岩の上に「田中勝栄君 斉藤京子君 遭難慰霊碑」と刻まれた石碑がある(行きには見落として、帰りに見つけた)。碑文によると、二人は当時、地元の高校生。昭和38年4月にひろわ沢の雪渓で遭難したとのこと。

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再び沢沿いの道

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左岸に渡る

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カツエの水場

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遭難慰霊碑のあるお京の平
(帰りに撮影)

お京の平を過ぎると傾斜が強まり、急な山腹を斜め左上へ登って行く。細い登山道の左側は切れ落ちて、杉木立の間から登って来た谷が見おろされる。この辺りがひろわののぞきで、俎倉山頂上付近の急峻な山肌や、谷底の雪渓も眺められる。

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ブナ林を急登

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数輪咲いていたヒメサユリ

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ひろわのぞきからの展望

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細い窪に沿って登る

山腹を巻き終わり、細い窪に沿って登る。岩場をトラバースする個所があり、トラロープが張り渡されている。登山道は左に向きを変えると、ブナ林の中を急登する。やがて尾根がはっきりして来ると、俎倉山の山頂は近い。

登り着いた頂上には三角点標石と立派な山名標がある。低木越しに蒜場山の頂上稜線が見えるくらいで、すっきりした展望は得られない。少し先の天狗の庭と称するところが展望が良いとのことなので、行ってみる。

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頂上に向かって急登

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俎倉山頂上

頂上から樹林帯を下るとすぐに眺めが開けた尾根となり、ザレた岩場を登って展望ピークに着く。ピークの片隅に天狗の庭という文字が掠れた標識板が落ちている。

天狗の庭からはまさに360度の展望が得られる。正面(北側)には加治川の深い谷を隔てて、一昨年のGWに登った焼峰山に相対し、加治川治水ダムの湖面を俯瞰する。目を右(東側)に転じると、加治川源流の飯豊連峰はあいにく雲に隠れがちだが、明日登る予定の蒜場山の全容が見える。頂上直下の谷に一筋の雪を残し、堂々とした山容で、登高意欲が増す。南側には俎倉山の本峰がこんもりと盛り上がり、西側には低いがスラブを抱く山々が連なる。

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天狗の庭へ向かう

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天狗の庭から焼峰山を望む

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天狗の庭から蒜場山を望む

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天狗の庭から見た俎倉山本峰

展望を楽しみながら、もやし入りラーメンを作って昼食とする。こちらにピークには年配の男性と、登山口で挨拶した人の二人のハイカーさんがいて、この辺りの山について話をする。特に年配の男性の方は地元のベテランで、蒜場山や加治川上流の湯の平(ゆのひら)温泉について情報を頂く。のんびり休憩した後、往路を戻って下山した。

この晩は加治川治水ダム公園でテント泊する。加治川治水ダムは洪水調節が主目的のダムで、普段は少ししか湛水していない。ダム公園はダム湖内にある。巨大なダム堤体を湖の内側から高々と仰ぎ、洪水時に湛水すると水没するという、珍しいロケーションにある。

ダム公園に通じる車道を降りて、終点の駐車場に車を置く。公園内は芝生の広場となり、ベンチ、水飲み場、東屋が点在する。WCが湯の平温泉登山口の駐車場にあって少々遠い他は、キャンプにもってこいである。駐車場に近い芝生の上にテントを設営する。実に快適。居ながらにして俎倉山と蒜場山の頂上を望むこともできる。まずは公園内を流れる小川で缶ビールを冷やし、ベンチに陣取って飲む。美味ーい。

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加治川治水ダム公園にテントを張る
背後にダム堤体と俎倉山

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ダム公園から蒜場山を仰ぐ

夜まで時間がたっぷりあるので、公園周辺をぷらぷらと散歩する。湯の平温泉への林道入口も偵察。頑丈なゲートがあり、その奥は徒歩のみの通行となる(バイク、自転車も禁止)。湯の平温泉へは所要約4時間とのことで、秘境の湯である。いつか行ってみたい。

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加治川源流の北俣岳を遠望

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湯の平温泉への林道入口のゲート

ウイスキーを嘗めながらカルビ焼肉と餅入りスープを食べた後、就寝。昼間は時々家族連れやカップルが遊びに来ていたが、今晩の泊りは私だけ。静かで快適な一夜を過ごした。

(下越の山2日目、蒜場山に続く。)


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