中倉山〜沢入山〜オロ山

2012年6月30日(土)
天気:時々
メンバー:T
行程:銅親水公園 7:00 …中倉山登山口 7:50 …尾根に出る 8:35 …中倉山(1530m) 9:10〜9:25 …沢入山(1704m) 10:15〜10:25 …オロ山(1822m) 11:20〜11:50 …沢入山 12:40 …中倉山 13:25 …中倉山登山口 14:30 …銅親水公園 15:20
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

この週末も土曜は梅雨の晴れ間がありそう。桐生から近い足尾にあり、笹原の稜線と松木渓谷の展望が評判ながら、なかなか訪問する機会がなかった石塔尾根を歩いて来ました。

桐生を車で5時過ぎに出発。R122を走って足尾に向かう。途中でちょっとしたハプニング発生。黄色い中央線の区間で1台のバイクが私の車を追い越したが、飛んで火にいるなんとやら、すぐ先で警察が交通取締中。私も停車させられる。お巡りさん「今、抜かされました?」私「抜かされました!」。危ないバイクにムッとしたところだったので、警察GJ。

出発時は雲が低くて赤城山も隠れていたが、足尾に近づくにつれて陽が出てきて、7時前に銅(あかがね)親水公園の駐車場に到着する頃には、青空が広がる良い天気となった。

駐車場には既に数台の車があり、その中にミニバイクを積んだ軽ミニバンが2台あった。以前からミニバイクには興味があるので、出発準備中のオーナーさんに話を伺う。今日はゲートを越えて松木川に釣りに行くそうだ。セシウムがあるので釣るだけだけどね、と言いつつ、ミニバイクに跨がってとことこと発進して行った。ああいうバイクはいいなあ。

私も準備を整えて出発。事前にウェブで得ていた近道の情報を基に、銅(あかがね)橋を渡って親水公園を通り抜け、仁田元沢に架かる導水橋を渡る。

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足尾砂防ダムから石塔尾根を仰ぐ

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仁田元沢に架かる導水橋を渡る
左後ろの山は横場山

この導水橋は太い鋼管の上に通路を設けたものだ。対岸に渡ると水門と小さな溜め池があり、青く澄んだ水が導水橋の鋼管に勢い良く流れ込んでいる。傍らには水神の石碑があり、昭和五年建立とあるから、これらは足尾銅山の遺構の一つのようだ。

ここから仁田元沢に沿って、砂防ダムの工事用道路を辿る。陽射しが強く、すっかり夏の気候だ。長袖シャツを脱いで、Tシャツ1枚で歩く。

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導水橋の袂の水神碑

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仁田元沢の工事用道路を辿る

道路の右側は、石塔尾根末端の横場山(1016.8m三角点峰)の山腹で、鉱害で木が枯れて荒れた急斜面となっている。その斜面のあちこちにピンクの大柄な花が群れて咲いており、目を惹く。道路脇にも咲いていたので、撮影して後日調べてみるとジギタリスらしい。強心剤として薬草になるが猛毒で、欧州原産の外来種だ。栽培物が持ち込まれて野生化したのかな。繁殖力が強いそうで、今後、この辺り一帯に蔓延りそうな予感。

やがて行く手に中倉山から仁田元沢に落ち込む枝尾根が見えて来る。これからあの辺りを登る訳だが、どこもすごい傾斜だ。どこをどう登るのやら。支流の井戸沢を渡る個所(826m標高点)からは、ハイトスさん達が縦走した横場山西側の険阻な稜線が割と近くに見えて、興味を惹かれる。

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ジギタリス(外来種で猛毒)

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井戸沢下流ダム

コンクリ舗装が尽きて未舗装道を行くと、砂防堰堤のある上久保沢を過ぎる。草を食んでいたシカ2頭が驚いて逃げて行った(ところでシカはジギタリスを食べたりするのかな)。

上久保沢から50m程先の道路右側に赤テープのマーキングがあり、そこから林間を登る細い踏み跡が通じている。これが中倉山への登路のようだ。

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上久保沢の砂防堰堤

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中倉山登山口

踏み跡を辿ると、急な所には手摺にトラロープが張られたりしていて、かなり歩かれている様子がある。右手の小尾根を乗っ越して浅い谷に入り、樹林に覆われた急斜面を登る。踏み跡は明瞭で、赤テープを注意深く追って行けばルートを失う心配はない。ジグザグを切って登るので体力的にも楽で、道標があれば一般登山道と言っても良いレベルだ。

急斜面を登り詰め、中倉山から南に落ちる枝尾根の上に出て一休み。道が意外と良かったおかげで、ここまでの行程は至極順調だ。ただし、新調後2回目の登山靴は、急登ではまだ踵が当たって痛い。暑くて汗をかいたので、2ℓポリタンの水をごくごく飲む。

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浅い谷をジグザグに登る

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枝尾根の上に出る
明瞭な踏み跡がある

尾根上にも背丈の低い笹の中にはっきりした踏み跡が続いている。樹林に覆われて展望はないが、小ピークを越えて笹原の小鞍部に出ると樹林が切れて、沢入山とオロ山が遠望できる。

踏み跡は小鞍部から尾根を直登せず、山腹を右にトラバースする。横場山から縦走して来るとこの辺りに登り上げるはずだが、どこもかしこも樹林に覆われた急斜面でルートは判然としない。やがて展望の良い岩稜に出て、横場山や三川合流が一望できる。振り返って見上げると、中倉山の頂上稜線はすぐそこだ。

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稜線から三川合流付近を俯瞰

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中倉山への稜線

左に折れて稜線上のヤマツツジの林(花はとうに終わっているが、開花時期は見事だろう)を切り開いた踏み跡を登ると、中倉山三角点(標高1499.45m)に登り着く。三角点標石は、左下の写真の白い石の近くの笹の間に隠れていた。

三角点から緩く登ると樹林が切れて一面笹原の稜線となり、ケルンのように石が積み重なった中倉山の頂上に着く。頂上からの展望は正に360度で素晴らしい。西側には笹に覆われた石塔尾根がゆるやかに延びて、沢入山やオロ山に連なる。北側は松木川に向かって崩壊した急斜面となり、谷底には旧松木村辺りの平地を見おろす。松木川の対岸の稜線は雲の中だが、半月山が大きな山容を見せている。

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中倉山三角点

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中倉山頂上

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松木渓谷を俯瞰する
奥の山は半月山

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沢入山に続く笹尾根
左奥にオロ山

しばらく休んだのち、沢入山に向かう。稜線の笹原にぽつんと一本だけ生えたブナがあり、たくさんの実をつけていた。鉱害を生き延びたブナなのだろうか、それとも植生復活の先駆者なのだろうか。

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稜線上の一本ブナ

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ブナの実

風化してボロボロの岩稜を通過すると、松木川に向かって崩壊壁を見せる沢入山への急な登りとなる。スケールは小さいが、ちょっと北ア的な景観の稜線だ。

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途中の岩稜

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沢入山の手前のピークと崩壊壁

急坂を登り岩稜を越えると、沢入山の手前のピークに着く。左の仁田元沢側は緑の絨毯のような笹原と疎らな樹林、右の松木川側は灰色の崩壊斜面だ。対照的な景観を見ながら稜線を緩く上下すると、沢入山の頂上に着く。

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沢入山(左奥)への稜線

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沢入山頂上

頂上には「山」標石があり、古びた山名標と日光山紀行の新しい山名標が木の枝に掛けられている。疎らな樹木が眺めを遮るが、少しオロ山に寄った所から眺めが開けるので、ここで休憩する。行く手には台形のオロ山を中心にして、右に皇海山、左に庚申山が眺められる。特に皇海山は夏雲の中に頂上を突っ込んでひと際高く、さすが名山の風格がある。その右には松木渓谷を隔ててカマ五峰から三俣山にかけての稜線が眺められる。昨年秋に縦走したので、懐かしい。

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沢入山からオロ山(中央)を望む
背景に庚申山(左)と皇海山

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沢入山から三俣山を遠望

ここまでで笹原の稜線歩きと展望を充分に堪能したので、沢入山で引き返してもいいかなと思ったが、まだまだ時間が早いので、オロ山まで足を延ばすことにする。

眺めを楽しみながら稜線をゆるゆると下り、鞍部から広い笹原と砂礫地の境界をゆるゆると登る。笹原の中には鹿道がくっきりと何本もついている。陽に照らされた笹原の緑が鮮やかで綺麗だ。

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仁田元沢側の斜面

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オロ山への稜線
右奥に皇海山

1682m標高点を過ぎてオロ山への登りに取りかかると、笹が少し深くなって藪っぽい。急斜面に突き当たると踏み跡が消える。標高差20mくらいの段差だが、立ち木の間を強引によじ登る。

段差を越えると針葉樹林と笹原に覆われた台地状の稜線となる。笹原の間に縦横に通じる鹿道を歩くが、シカの丸っこいフンがびっしり落ちていて、フンづけざるを得ない。乾燥しているので、土塊と同じと思うシカない。

樹林に覆われて小さくこんもりと盛り上がるオロ山のピークに取り付く。稜線に出てシャクナゲが現われるとオロ山の頂上は近い。シャクナゲ藪をなるべく避けるように踏み跡があり、これを辿って頂上に着いた。

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深い笹原

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針葉樹林とシャクナゲの稜線

頂上には、シャクナゲの密林を切り開いてポッカリ空いた小平地があり、三角点標石と「明大ウォーキング'81秋合宿BP」と記された山名標が置かれている。眺めが良く、鋸山から皇海山、三俣山にかけての稜線が指呼の間に眺められ、ニゴリ沢からモミジ尾根辺りも俯瞰できる。

小平地に腰を下ろして昼食の大休止とし、まずは缶ビールを開ける。今日はとにかく暑いので、ビールがうま〜い。それからラーメンを作って食べる。食べながら、この先、庚申山まで縦走するかを考える。時間・体力とも余裕があるし、意外と踏み跡が明瞭なので、庚申山までは問題なく行けそうだ。帰路は銀山平、舟石峠経由で車を置いた銅親水公園まで歩いて戻ることになる。車道歩きが長いのは嫌だなあ。という訳で、ここから往路を戻ることにする。

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オロ山頂上

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オロ山から皇海山を望む

復路も稜線からの展望を楽しみながら歩く。中倉山からの下りも道が良いので、あっさりと車道に出た。結局、山中で他のハイカーさんに出会うことはなかった。車道を歩いているとまた鹿に出会った。水流のあるところで、一応、登山靴の底を洗う。銅親水公園に戻るとドライブの観光客がちらほら。それと猿の群れを見た。今日は人より獣の方によく出会ったなあ。

帰りは舟石峠を越えて銀山平に立ち寄り、久し振りに国民宿舎かじか荘のに入る(600円)。内湯と露天風呂があり、アルカリ性のぬるぬるする泉質と渓谷の眺めがいい。しかし、靴擦れで踵にできた肉刺にお湯が滲みて痛い(><;)。ともあれ、さっぱり汗を流し、気分良く桐生への帰途についた。


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