女夫渕温泉・山王帽子山

〜17日(日)
メンバー:S,S,T

この週末は奥鬼怒温泉郷の入口にある女夫渕(めおとぶち)温泉に一泊し、鬼怒川と日光の観光スポットの散策と軽い山歩きを楽しんで来ました。

6月16日
天気:

桐生を車で出発し、12時に鬼怒川温泉駅でS&Sと合流。龍王峡の旬菜蔵せんやという店で昼食にして、温かい湯葉そばを食べる。揚げと生の湯葉が入っていて美味かった。

昼食後、川治ダム湖(八汐湖)を通り、鬼怒川に沿って上流に向かう。途中でカーナビの地図に現われた栗山東照宮という表記が気にかかり、そこを目指して脇道に入る。車道をジグザグに登ると、山上の平地に拓かれた野門地区の集落に着く。意外と大きな集落で、民宿を営んでいる家が多い。地区の入口に家康の湯という共同浴場があり、そこの無料駐車場に車を置かせて貰って、栗山東照宮に向かう。

真新しい石の鳥居を潜って石段を登ると、杉林に囲まれた台地の中央に栗山東照宮の社殿が建つ。傍らに建立の経緯を記した説明板があった。面白いので引用する。

平家落人の伝説が語り継がれる栗山村で「家康の里」を名乗るここ野門集落は、徳川三代将軍「家光公」の時代に「野門村」として日光御神領に編入された。慶応四年(1867年)に起こったいわゆる「戊辰戦争」の折りには会津方の兵士として集落の働き手が徴用され日光と野門村とを隔てる富士見峠近くの若狭河原の戦いに二名の死傷者を出している。混乱していたこの時期、会津方は日光東照宮境内に数ある宿坊のなかでも由緒ある宿坊に祀ってあったと思われる「男体山三社神体」と「徳川家康公の御神体」を密かに奉持し富士見峠を越えて僻遠の地、野門村に住む「小栗久衛門」に「肥後守」(会津城主松平容保)の命による左記のお墨付きとともに象牙の白笏を授けて「守護職」を命じた。

この事実を広く世に伝えんと昭和45年10月地元奉賛会が中心となり「栗山東照宮」を建立、一般の崇敬者の拝礼の対象としたものであります。

ということで社殿自体は古い物ではないが、戊辰戦争との関わりが興味深い。御神体は閉ざされた社殿の中だろうか。拝観してみたい。


「家康の里」と呼ばれる野門集落


栗山東照宮

栗山東照宮の次は瀬戸合峡に向かう。瀬戸合トンネルを抜けて右折、川俣ダムに向かい、見晴茶屋への道を右に分けて左に下ると駐車場がある。ここが瀬戸合峡遊歩道入口で、案内地図には瀬戸合峡に架かる「渡らっしゃい吊橋」まで往復約40分とある(なお、遊歩道は9時〜16時のみ通行可)。曇り空なので、念のため傘を持って歩き始める。

スロープを下ると、川俣ダムの湖面と堤体が眼下に現われる。クレストゲートと関連設備の工事中とかで、湖面にはクレーン船が浮かび、作業員が忙しく立ち働いている。川俣ダム資料室の中を通り抜け、ダム管理事務所の脇の階段を降りる。山道を下って、樹林の中を登り返すと瀬戸合峡に突き出た岩峰の上の展望デッキに着く。一本脚の東屋があり、一息入れることが出来る。


川俣湖の湖面


川俣ダムと瀬戸合峡に架かる
渡らっしゃい吊橋

東屋から少し下ると、瀬戸合峡を跨ぐ「渡らっしゃい吊橋」の袂に着く。幅広く頑丈な吊橋で揺れたりはしないが、渓谷からの高さは100mほどもあり、高度感が半端ない。渓谷の両岸は断崖絶壁で、壮大なゴルジュを成している。吊り橋は行き止まりなので、対岸まで渡って渓谷美を探勝したのち、往路を駐車場へ戻る。幸い、雨には降られずにすんだ。

次の観光スポットは川俣温泉の間欠泉。渓谷を見おろす展望台には東屋や足湯がある。約40分おきに吹き出すそうで、足湯を使いながらビールを飲んでいたご夫婦の話によると、10分程前に吹いたらしい。のんびり待っていると、意外と早く約15分後にプシューッと蒸気が吹き上がった。自然の見事な仕掛けだ。二、三度吹き上がって静かになったので、見学を終了する。


吊橋より瀬戸合峡の渓谷を俯瞰


川俣温泉の間欠泉

これで今日の観光を終えて、女夫渕温泉に向かう。今晩の宿の女夫渕温泉ホテルは緑深い渓谷の底にある近代的な建物の一軒宿だ。ここの名物は渓谷沿いに12もある露天風呂で、2つは女性専用だが残りは混浴になっている。部屋で荷を解いて、早速お風呂へ。仄かに硫黄臭のするお湯で、湯の花が漂う。久々のらしいに大喜び。特に一番上流の露天風呂(写真左下)は広々としてプールのよう。開放的で極楽〜。


女夫渕温泉の露天風呂に浸かる


上流の橋より眺める女夫渕温泉

夕食を頂いたのち(八汐鱒が美味かった)、とっぷり日が暮れた露天風呂に再び出撃。この日は宿泊客がそう多くなく、露天風呂は貸し切り状態だった。

6月17日
天気:のち
行程:山王帽子山登山口 11:10 …山王帽子山 12:15〜12:50 …山王帽子山登山口 14:55
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

早朝は夜来の雨が残っていたが、徐々に晴れて良い天気となった。今日は奥日光の山王帽子山に登ることにする。川俣温泉まで戻り、山王林道を上がる。急カーブが連続する山岳道路だが、全面舗装されていて快適に走行できる。

山腹を長々と巻いた林道が谷を渡る所が西沢金山跡だ。上流は砂防堰堤のある荒れた沢となり、その奥には高薙山が峻険な山容で高々と聳えている。高薙山には日光湯元から残雪期に登ったことがある(山行記録)が、こちらからも登ってみたいと思わせる眺めだ。

さらに林道を上がって行くと駐車場を備えた展望台がある。この近辺からの高薙山や太郎山、山王帽子山などの山岳展望も素晴らしい。


西沢金山跡より高薙山を仰ぐ


山王林道から望む高薙山


山王林道から望む太郎山


山王林道から望む山王帽子山

山岳ドライブを楽しんで山王峠を越え、山王帽子山の登山口に到着。道端の僅かなスペースに車を置く。すっかり晴れて青空が広がり、新緑に陽が当たって鮮やかだ。


山王帽子山登山口


登り始めは笹原

始めは明るい笹原を登るが、やがて針葉樹林帯の中に入り、急な山腹をジグザグに登って高度を上げる。やがて傾斜が緩むと再び笹原が現われ、谷筋に雪を残す日光白根山を背にゆるゆると登る。


針葉樹林帯の登り


頂上直下の緩い登り

登山口から1時間ちょっとで頂上に到着。樹林の陰で風を避けて腰を下ろし、パンで昼食にする。少し遅れてハイカーさんの団体が到着し、そこそこ広い頂上は満員になった。頂上南面は帯状の笹原の斜面で男体山の眺めが良く、中禅寺湖の湖面の一部も見える。頂上の先に少し進むと、樹林が切れて小太郎山と太郎山も眺められる。太郎山はなかなか高くて登高意欲がそそられるが、今日はここまで。


山王帽子山頂上


山王帽子山頂上より男体山の眺め


山王帽子山頂上付近より太郎山を望む


山王帽子山頂上付近より
日光白根山を望む

往路を下山して車に戻る。あとはドライブで、観光スポットに寄り道しながら東武日光駅に向かう。山王林道を下り、光徳牧場に立ち寄る。マイカーの観光客やバードウォッチング?で望遠鏡を抱えたグループで賑わっている。売店でアイスクリーム(300円)を買って食べる。良く晴れて暑いので、冷たい物がとても美味い。


山王帽子山登山口付近の
ダケカンバの新緑


光徳牧場レストラン

戦場ヶ原に出ると俄然行き交う車が増える。次は三本松園地に車を停める。周囲一面、ズミの花が満開で見事だ。展望台から戦場ヶ原を一望する。草原の向こうに衝立の様に聳える外山、湖上山の山塊に目が引かれる。


戦場ヶ原展望台からの風景
奥の山は外山と湖上山


ズミの花が満開

赤沼の駐車場は満車なので通過。次は竜頭の滝下の駐車場に車を置き、遊歩道を歩いて竜頭の滝を探勝する。ツツジの類は既に終わっていて咲いている花は僅かだが、新緑が鮮やか。延々と続くナメ滝はやはり絶景。滝上まで往復する。


竜頭の滝(中流)


滝上より竜頭の滝を俯瞰

華厳滝周辺の土産物店でお土産を買い求めたのち、いろは坂を快調に下って東武日光駅へ。ここでS&Sと別れ、R122経由で桐生に帰った。