西場富士〜大小山

天気:時々
メンバー:K,T
行程:駐車場 10:30 …稲荷神社 10:45 …西場百観音 11:00〜11:10 …西場富士(159m) 11:30〜11:40 …展望岩 12:20〜13:00 妙義山(314m) 13:35〜13:50 …見晴台 14:05〜14:20 …駐車場 14:40
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

Kさんより、大小山に登りたい、とのリクエストを頂いた。佐野市観光協会「大小山ハイキングコース」の地図に記載されている「砥の粉山」という山が気になるとのこと。私は大小山には既に2回登っているが、小さいながらも岩場があって面白い山だし、東麓の西場町にある百観音は一度見てみたいと思っていたので、百観音から西場富士、砥の粉山を経て大小山に登る計画を立てて、出かけて来ました。

桐生を車で9時半頃に出発。足利市街を通り抜けて大小山登山口の阿夫利神社に向かい、神社手前の広い方の駐車場に車を置く。人気の里山とあって、既に20台近くの車がある。ここから、大小山とは反対方向に歩き出して、まず西場百観音に向かう。長閑な田園風景とミニ富士山といった風情の西場富士を眺めながら、山麓を歩く。

集落に沿って細い車道をしばらく歩くと、稲荷神社の入口に着く。立派な社務所があり、その前に数台分の駐車スペースがある。敷石が新しげな石段を上がり、本殿に参拝する。向かって右に杉林に入る小径があり、入口に「西場富士 妙義山・大小山→」と記された道標が立つ。


養老碑から西場富士を望む


稲荷神社入口

この小径を辿ると、西場富士の山裾を絡んで、山林と民家の裏庭の間を進む。ところどころから陽当たり良好の裏庭が垣間見え、こちらに向かって吠える番犬の様子もなんか長閑だ。西場富士への登路を左に分け、笹藪の切り開き道を直進すると、西場百観音に着く。

この百観音は、江戸時代後期の寛政年間に西国三十三箇所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所の観世音菩薩像を勧請して造立されたものとのこと。南向きの斜面に三列の観音像が建ち並ぶ様は壮観。像はいずれも保存が良く綺麗で、ひとつひとつ像容が異なり、見ていて興味深い。百観音の前には関東平野が広がり、遠くでヒバリが鳴いている。春らしい陽気で和む風景だ。


西場富士への分岐


西場百観音

百観音から分岐点まで戻って、西場富士への登路に入る。アカマツやヒサカキなどの緑が多い林の中を一直線に登ると、三角点標石のある西場富士の頂上に着く。樹林に囲まれて展望は良くない。すぐ先に秋葉神社の古い石祠があり、そこでしばし休憩する。

西場富士から少し下ると、行く手に大小山が見える。鷹巣山に掲げられた大小の文字も小さく眺められる。稜線を辿るハイキングコースは良く整備されていて、快適だ。


西場富士頂上


西場富士付近の稜線から
大小山を望む

小さなピークをいくつかユルユルと越えると、キレットに着く。稜線を断ち切って深く狭い溝が、かなり下まで続いている。これを見たときは断層かと思ったが、後で聞いた話によるとマンガン採掘の跡らしい。おそらく、砥の粉山とはマンガン鉱山に付けられた名称で、この辺りを指しているのではなかろうか。


キレットの不思議な景観


キレットを越える

短い鎖を手繰ってキレットから稜線に上がる。見晴しの良い露岩があり、遠くの山並みの中に先日登った三床山がポコンと頂きを擡げているのが遠望できる。歩き始めは晴れていたが、徐々に北から雲が広がって来たようだ。日が陰ると少々寒い。

樹林に覆われたやや急な稜線を登ると、大きな岩場の下に着く。岩根には石祠が祀られ、「延享三(1746)丙寅三月十五日」と刻まれている。


三床山(中央奥)を望む


展望岩の基部

左を巻いて岩場の上に出ると、山麓の展望が良い。正午を少し過ぎた頃合いなので、展望岩の上で昼食とする。Kさん持参のパンとハム、熱いコーヒーにゆで卵、果物などをご馳走になる。フキノトウの天ぷらもあって、beer が欲しくなるところだが、今日は短い行程なので、お酒はなし(^^;)

のんびり昼食を摂ったのち出発。少し登ると小さなピークの上に出て、「←妙義山 西場富士・城山(じょやま)→」という道標が立つ。アカマツや雑木越しだが展望があり、大小山も見えて、あとひと登りだ。小さなアップダウンのある稜線を辿る。ところどころに露岩があり、変化に富む。


展望岩の上から山麓の眺め


大小山への稜線

やがて、阿夫利神社からの登路を左から合わせ、ここからハイカーさんの数が少し増える。左手には、大小の文字を岩壁に掲げた鷹巣山を間近に見る。


阿夫利神社からの道と合流


大小の文字を掲げる鷹巣山を望む

妙義山の頂上直下で右に分岐する山道があり、そちらに入るとすぐの場所に不動明王像が祀られている。銘がないので年代は判らないが、彫りが深くて立派な像だ。山道はこの先へ続いているが、分岐まで戻って妙義山に登る。

岩場をまじえた急坂を攀じ登ると、大小山最高点の妙義山に着く。曇って遠くは霞んでいるが、360度の展望だ。頂上で、大坊山に往復して来たと言うおじさんの話を伺う。この辺りに詳しい方で、キレットはマンガン採掘跡とか、妙義山は春にはアオダモの白い花が一面に咲くとか、3.11の震災では岩船山で大きな崩落があり、ここから見える(実際、V字に割れているのが見えた)など、面白い話を拝聴。


妙義山頂上直下の不動明王


妙義山頂上

妙義山で展望を楽しんだ後、阿夫利神社へ下山する。鷹巣山のピークを越えて左に分岐する道に入り、大小の文字が掲げられた岩壁の横を下る。鉄製階段を降りると見晴台で、岩壁基部の小平地に東屋が建つ。ここは山麓の眺めも良く、休憩適地だ。


妙義山より西場富士を振り返る


見晴台より大小の文字を見上げる

見晴台から下るとすぐに男坂と女坂の分岐で、ここは左の男坂へ。短いが、面白い岩尾根の下りがある。途中で、おじいさんに連れられた小さな女の子に会う。前来たときも、ここで子供に会った気がするなあ。如何にも子供が喜びそうなルートではある。

岩尾根を下って仙間神社に着けば山道は終わり。あとは参道の細道を阿夫利神社まで下るだけである。阿夫利神社前の駐車場は狭く、まだ多くの車がある。我々が車を置いた広い方の駐車場は、ここから数分の距離だった。


男坂の岩尾根を下る


阿夫利神社の駐車場