鳳来寺山

2011年11月20日(日)
天気:
メンバー:T
行程:鳳来寺バス停 8:25 …表参道登山口 8:50 …鳳来寺本堂 9:30 …鳳来寺山(684m) 10:10 …瑠璃山(695m) 10:20〜10:35 …鳳来寺山 …天狗岩 10:55 …鷹打場 11:15〜11:30 …東照宮 11:45 …鳳来寺本堂 11:55 …表参道登山口 12:15 …鳳来寺バス停 12:30
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、緑:復路、谷の中で測位誤差多し)を地理院地図に重ねて表示します。

週を跨いで、豊橋に所用で出かけることになった。滞在中の日曜日はまる1日休みなので、軽い山歩きを計画。愛知県の山には全く不案内なので、山と渓谷社の分県登山ガイドを参考にし、奥三河の霊峰・鳳来寺山に登って来ました。

前日の土曜日、豊橋は季節外れの台風の様な暴風雨に見舞われた。翌朝、まだ灰色の雲が上空を凄い速さで流れているが、天気は幸い回復に向かっているようだ。豊橋駅前のローソンで食料を調達したのち、豊橋7:01発の中部天竜行きのJR飯田線普通列車に乗り込む。

豊橋の市街を抜けた列車は、緩やかな丘陵を縫うように走る。本長篠7:59着で下車。駅前から少し歩いて表通りに出たところにバス発着所があり、8:15発の田口行きの豊鉄バスに乗車する。乗客は高校生と観光客が数名。

バスは山間に入って、鳳来寺バス停に8:23着で下車。ここが鳳来寺の表参道の入り口で、数軒のお土産屋が小さな門前街を成している。「鳳来寺山もみじまつり」の幟が立ち並び、観光のハイシーズンのようだ。ただし、朝早いせいか、人影はほとんど見かけない。

山間に並ぶ民家の間を通って、狭い車道を歩く。観光スポットらしく、道端には伝説に題をとった彫刻や鳳来寺を訪れた芭蕉、山頭火、牧水ら文人の歌碑が点々と並び、それらを見ながら散歩するのはなかなか楽しい。

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鳳来寺門前街入口

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酒と旅をこよなく愛した
若山牧水の像

民家の庭先の紅葉を愛でながら車道を歩いて行くと、鳳来寺山の一角が見えて来る。山中のあちこちに岩場を配して、山岳修験道の山らしい佇まいだ。やがて、表参道の登山口に着く。鳳来寺山の故事来歴を記した説明板があり、それによると、鳳来寺山は元は桐生山と呼ばれ、高さ150mもの桐の大木が生えていたとのこと。こんな所で桐生という地名を見るとは、奇遇だ。

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鳳来寺山の一角を望む

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表参道登山口

登山口から鳳来寺本堂までは、1425段の石段が延々と続く。長年踏まれた石段は丸く磨り減り、昨夜の雨で濡れて滑り易い。鬱蒼と茂る杉と檜の大木に囲まれて、霊山の雰囲気が漂う。5月には「仏法僧」の鳴き声で有名なコノハズクが飛来するそうだが、時期外れの今日は他の鳥の声もなくしんと静まり返って、沢音だけが聴こえる。

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杉の大木の間に石段が続く

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仁王門

仁王門を潜ってさらに石段を登ると、ひと際太い杉の大木が現れる。傘杉と呼ばれ、幹周7.5m、樹高60m、樹齢800年、新日本名木百選の一つとのこと。見上げても高過ぎてカメラに収まらないので、太い根元を撮影する。

まだまだ続く石段を登って行くと、参道の脇に僧坊の跡が多数あり、往時の信仰登山の賑わいを偲ばせる。現在は空き地に法華院趾、不動院趾などの名称を刻んだ石碑が建つ。堂宇が残る数少ない僧坊も無人のようだ。

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傘杉

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現存する僧坊の脇を急登

徐々に斜度を増した石段が踊り場の広場で一息付くと、終点はあと少しだ。石に腰掛けて休んでいるお兄さん、寝不足なのか頭を垂れてグロッキー気味(^^;)。

長い石段を登り切ると、鳳仙寺本堂に着く。本堂は背後に鏡岩と呼ばれる岩壁を巡らし、紅葉に縁取られた境内からは山麓の門前街が俯瞰できて、なかなかの景勝地だ。鳳来寺山パークウェイがすぐ近くまで通じているので(山頂駐車場から徒歩15分)、マイカーの観光客がぐっと増える。

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石段の途中で一休み

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鳳来寺本堂

鳳来寺山へは、本堂の左手の石段を登る。すぐ上に古いお堂があり、これが昔の本堂かな。横の説明板には、「鳳来寺。真言宗五智教団の本山。大宝2年(702年)文武天皇の勅命により利修仙人が開山した寺院。本尊は薬師如来で、薬師信仰と山岳修験道の霊山として信仰を集めた」とある。

お堂の左手から東海自然歩道の道標に導かれて山道に入る。すぐに沢に沿って岩場を登る。ここの石段も滑り易く、手摺が頼りになる。

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古いお堂

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山道に入る

急斜面をジグザグに登る道の傍らには石仏がいくつも立ち並び、○○童子という銘が読める。岩壁の基部をトラバースすると水垢離場と赤白のお堂がある。勝岳不動といい、鳳来寺開山の祖・利修仙人の入寂の地と伝えられているそうな。

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路傍の石仏

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勝岳不動の水垢離場

さらに山腹をトラバースして尾根の上に出ると、奥ノ院が建つ。朽ちて傾き、荒れ果ててお参りする雰囲気ではない。奥ノ院の裏手は岩場になっていて、山麓の門前街が俯瞰できる。ガイドでは遠く豊橋方面も見えるとのことだが、今日は靄って遠望がないのは残念。

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山腹のトラバース道

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奥ノ院の岩場から山麓を俯瞰

奥ノ院から、これも朽ちかけた東屋を経て、鳳来寺山の頂上までは僅か10分程の緩い登りだ。頂上は樹林に囲まれて展望はない。東海自然歩道の道標があり「棚山高原3.8km」と書かれている。そちら方面に少しだけ足を延ばして、瑠璃山まで行ってみることにする。

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奥ノ院近くの東屋

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鳳来寺山頂上

稜線を緩く辿ると直ぐに小岩峰があり、木の階段を登ると「瑠璃山」の表示がある。小岩峰に後ろから回り込んで登ると(簡単に登れる)、北側に奥三河の山々の展望が開ける。穏やかで特徴がない山並の中にあって、宇連山(うれやま)と三ッ瀬明神山は根張りが大きな山容で、抜きん出て立派だ。あの二座は登ってみたいかも。

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宇連山(左)と三ッ瀬明神山(右奥)

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この実は何の実?

鳳来寺山に戻り、鷹打場への稜線を辿る。緩く下ると天狗岩で、岩場から山麓の眺めが良い。東屋があるが、ここも老朽化して、ロープが張られて使用禁止になっている。全山、随所でリニューアルが必要だな。

稜線を進むと「巫女石と高座石」という標識があるが、それらしい石はない。稜線の下の岩場を指しているようだ。この先は短い急坂を下り、鷹打場の分岐に着く。鷹打場も展望が良いとの話なので立ち寄ってみる。突き出た岩場となっていて、期待通り四方の展望が開ける。ここは休憩にもってこい。岩場に腰を降ろして、眺望を楽しみながらランチパックで昼食とする。

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天狗岩付近の紅葉

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鷹打場から鳳来寺山方面を望む

分岐に戻り、山腹をトラバースする。枝尾根を乗り越し、杉の大木の林を下って行くと、鳳来山東照宮に着く。徳川家康のご母堂が、子供のないことを嘆いて鳳来寺に参籠祈願したところ、竹千代(家康)を授かったとの所伝により、三代将軍家光が造営したとのこと。パークウェイの山頂駐車場から近いので、特に家族連れの参拝客が多い。お参りして、お守りをいくつか購入する。

東照宮から鳳来寺本堂まではすぐだ。大勢の観光客に混じって歩く。昼近くになり、ようやく人出が増えたようだ。鳳来寺本堂からは往路を戻る。長い階段も下りは速いが、スリップには要注意。登って来る人は気息奄々、お疲れ様です。

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鳳来山東照宮

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表参道登山口に帰着

門前街を下って鳳来寺バス停に着くと、10分余の待ち合わせで本長篠行き12:43発のバスが来た。本長篠駅でも接続が良く、12:51に到着して、豊橋行き12:59発の列車に乗車。昼を過ぎ、すっかり晴れて暑いくらいの天気だ。列車の窓を少し開けて、気持ち良い風に当たりながら豊橋に戻った。


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