雨ヶ立山

2011年4月17日(日)
天気:
メンバー:M,T
行程:宝川温泉 6:10 …板幽橋 7:50 …稜線に出る 9:40 …雨ヶ立山(1627m) 10:50〜11:55 …板幽橋 13:35 …宝川温泉 14:55
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先週の阿能川岳に続いて、この週末も県内の残雪の山歩き。Mさんに同行頂いて、奥利根の雨ヶ立山(あまがたつやま)に登って来ました。上越国境稜線の大烏帽子山から派生する布引尾根と称する枝尾根上の一峰ですが、頂上付近は膨大な残雪に覆われ、晴天の下、利根川源流域の雪山を見渡す大展望に大満足の山行となりました。

桐生を4時に車で発ち、北関東道、関越道を経由して、水上ICで高速を降りるところまでは先週と同じ。今日もドピーカン間違いなしの好天だ。宝川温泉を過ぎた少し先に広い駐車場があり、その先は未舗装の悪路なので、ここに車を置く。既に2台の車が停まっているのは、登山者か釣り師だろうか。駐車場は除雪されて、片隅に雪が残っている。周囲の山肌には残雪が多い。

雨ヶ立山周辺は山スキー適地として有名。テレマークで行きたいところだが、この山域に来るのは四季を通じてほぼ初めてなので、今回は偵察ということでワカンとストックで行くことにし、念のため軽アイゼンとピッケルを携行する(結局、アイゼンとピッケルは使用しなかった)。

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宝川温泉・林道入口の駐車場

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宝川に沿って林道を歩く

宝川沿いの林道を歩き始めると、直ぐに厚い雪が路面を覆う。宝川は雪解けで水量が多く、ドウドウと流れている。豪雪地帯の川沿いの林道歩きと言えば、十字峡から三国川沿いの林道を思い出す(山行記録)が、あそこのように川に落ちたら一巻の終わり的危険個所はない。もっと早い時期でも、問題なく歩けそうだ。

早朝なので雪はまだ固く締まっており、長い林道歩きも周囲の雪景色を眺めてのんびり歩けば苦にならない。トンネルを抜けると宝川に広い滑床が現われ、球形の大岩が立っている。送電線巡視路を右に見送ってしばらく行くとゲートがあり、周囲にトタン囲いの小屋と「宝川理水試験地」という看板、昭和53年建立の観音像がある。看板の説明によると、ここから上流の一帯は、奥利根の天然林の開発と水流出の関係を調査するフィールドになっているらしい。

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途中にあるトンネルの入口

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渓谷沿いの雪道

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滑床と球形の大岩

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宝川理水試験地

ゲートからさらに20分程歩くと、登り口の板幽橋に着く。小休止して、ワカンを着ける。ここから板幽沢左岸の緩斜面を登る。雪がべっとりと残る杉林の中に適当にルートをとる。左手に板幽沢が見え隠れするような感じで、顕著でない小尾根を辿る。ところどころに、最近登った足跡を見かける。

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板幽橋

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杉林の斜面を登る

やがて細尾根に乗ると、スキーの登りトレースがあった。若いブナが密に生えているので、この辺りのスキー登降は少々しょっぱそう。スキーならば、右手の浅い谷の中を登る方が楽そうだ。

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板幽沢上流部

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細尾根を辿る

板幽沢の奥を眺めると、真っ白な稜線が高々と聳えている。最初、朝日岳辺りかなと思ったが、実は布引山の南尾根が見えていたようだ。目印となる物の少ない雪山は、距離感、スケール感が狂う。平地を突っ切って、少し急な登りの小尾根に取り付く。疎らなブナ林の中、程よく締まった雪を踏んで至極快適な登りだ。

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布引山の南尾根を見上げる

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正面の小尾根を登る

標高が上がるに連れて、遠くの山が見え始める。こちら側から見る武尊山は、黒々とした岩壁が目立つ。標高1400m付近で、雨ヶ立山から南東に落ちる稜線(布引尾根左稜)に登り着き、一休みする。北面の展望が開け、武尊、至仏、燧、平ヶ岳にかけての利根川源流域の山々が眺められる。

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小尾根の登りから武尊山

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標高1400m付近より平ヶ岳(奥)と
至仏山(右)

ここからは広い雪稜をゆるゆると登る散歩コースだ。豪雪地帯の山らしい二重山稜のような地形も見られる。昨晩の冷雨がブナの梢に凍り付き、鈍く銀色に光って綺麗だ。

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二重山稜?

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残雪の尾根を登る

急な雪の斜面を一段上がると、右側は芦沢に向かってすっぱり切れ落ちた急斜面になり、行く手には芦沢源頭の岩壁が聳える。岩壁の上に乗っかったバームクーヘン状の雪の厚さが半端ない。その頂きの左肩に、山スキーのパーティーが現われ、こちらに滑って来た。楽しそうだな〜、いいな〜。すれ違うときに話を伺うと、我々よりひと回り?ご年配の3人パーティーだった。我々と同じコースを登り、前夜は山上に泊まったそうだ。

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岩壁を仰いで登る

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頂上へ最後の登り

最後は木立のない真っ白な稜線を登ると、誰もいない雨ヶ立山の頂上に着いた。頂上からの展望はまさに360度。まず、眼前に横たわる布引尾根と、朝日岳から大烏帽子山、そして遥かに巻機山まで連なる白銀の連峰の眺めがド肝を抜き、スキーヤーなら垂涎物の大斜面が広がる。

斜面を背にし風を避けて腰を下ろし、この大パノラマを見ながら缶ビールを開ける。朝日岳の左には谷川岳、天神平、先週登った阿能川岳、吾妻耶山の稜線が折り重なり、その後ろには白い浅間山が遠望できる。さらに榛名山、赤城山、武尊山と、群馬県北の山並みが続く。利根川源流を取り囲む主な山は、ほぼ全てが眺められる。

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雨ヶ立山から朝日岳(左奥)と
大烏帽子山(右奥)を望む

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雨ヶ立山から巻機山遠望

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雨ヶ立山から平ヶ岳遠望

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雨ヶ立山頂上で憩う

昼食のラーメンを食べ終わったころ、8人パーティーが登って来て、頂上は急に賑やかになった。話を伺うと、3月に全通した北関東道を使って宇都宮から来たそうだ。

頂上ではのんびりと1時間も過ごした。名残惜しいが、そろそろ下るとしましょうか。

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下山開始
武尊山(左)と赤城山(奥)を望む

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ブナの梢の着氷

下山は往路を戻る。雪の下りは本当に楽だ。下るに連れて往路のトレースは融けて不明瞭になるが、ルートは適当で問題ない。ずぼり始めた雪をざくざくと踏んで、板幽橋に着いた。

あとは林道を戻るだけだが、緩んだ雪は往路とは違って存外歩きにくく、長丁場に感じる。ようやく駐車地点に戻ると、途中ですれ違った山スキーの3人パーティーも直前に到着したところだった。林道は滑れる程の傾斜がなく、歩きが長いので、下りでのスキーのアドバンテージもかなり縮小したようだ。

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板幽橋に下り着く

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駐車場に帰着

帰りは先週に続いて、温泉センター諏訪の湯に浸かった(宝川温泉の露天風呂も魅力だが、かなり銭がかかるので^^;)。これまであまり訪れたことがなかった奥利根の山々だが、今回の山行で俄然興味が湧いて来た。今度はテレマークでも来たいなあ。夢を描きながら、桐生に帰った。


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