佐武流山

2010年7月18日(日)
天気:
メンバー:T
行程:林道ゲート 4:30 …檜俣川下降点 5:45 …檜俣川徒渉点 6:00 …物思平 7:10〜7:20 …ワルサ峰 8:20〜8:35 …西赤沢源頭 9:15〜9:25 …坊主平 9:40 …佐武流山(2192m) 10:20〜11:05 …西赤沢源頭 11:40 …ワルサ峰 12:15 …物思平 13:20 …檜俣川徒渉点 13:55〜14:20 …檜俣川下降点 14:35 …林道ゲート 15:50
ルート地図 GPSのログ(往復なので往路のみ)を地理院地図に重ねて表示します。

海の日3連休が始まるとともに、九州北部から関東甲信にかけて一気に梅雨が明け、待望の本格的夏山シーズンが到来した。さて、どこに登ろうかな〜。北アの高峰で涼むのも魅力的でちょっと考えたが、海の日連休の北アは混雑必至なので今回は避け、静かそうな山を求めて上信越の佐武流山に登って来ました。

登りのコースタイムが、林道歩き1時間20分を含めて、計5時間15分という長丁場なので、夜明けと共に歩き始めることにして、桐生を車で午前1時頃出発する。午後遅くなると雷雲が発生する可能性大なので、早発ちは必須だ。

関越道を塩沢石打ICで降り、十二峠、津南を経由してR405で夜明け前の秋山郷に入る。R405のどん詰まりで道は二手に分岐する。右は切明温泉へ下る車道、左が佐武流山方面への林道で、林道入口にはゲートがあり、「←佐武流山」の標識と「専用林道のため一般車両通行止、ゲート前駐車禁止」の看板がある。ゲート周辺には適当な駐車スペースがないので、R405を少し戻った道幅の広い場所に路駐する。

時刻は午前4時。朝食にコンビニで買い込んだサンドイッチを食べ、出発の準備をとろとろしているうちに夜が明けて、青空の中に鳥甲山の全容がくっきりと現われた。今日はドの付く快晴だ。4時30分。ゲートの下を潜って、未舗装の林道を歩き始める。昨夜の激しい雷雨で路面はねっとりと湿って、あちこちに水たまりと泥濘がある。

樹林に覆われた薄暗い林道を45分程も歩くと、左にエラクボ平への林道を分ける。そちらには「和山へ近道」という道標があった(佐武流山頂上で話をしたハイカーさんは、この近道を通ったそうだ)。佐武流山へは右の林道を行く。道標と「檜俣川林道」という標識がある。

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林道入口のゲート

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エラクボ平分岐

エラクボ平分岐から先は檜俣川を見おろして急な山腹を巻くようになり、多少展望が得られて林道歩きの単調さが救われる。振り返ると、ピラミダルでカッコ良い山が聳えている。最初は鳥甲山かと思ったが、岩菅山の北東の峰続きの烏帽子岳のようだ。この山域で次に登るとしたらあれだな。檜俣川の深い谷を隔てて、佐武流山への登路の水無尾根も眺められる。急でしょっぱそうな登りだなあ。

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烏帽子岳(左)と笠法師山を遠望

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水無尾根を見上げる

林道から月夜立岩の南画の様な岩峰群を見上げると、やがて檜俣川への下降点に着く。檜俣川まで15分という道標がある。雨露に濡れた草藪が覆い被さる山道に入り、沢に沿って下ると、どうどうと水が流れる檜俣川に着いた。

このところ雨続きだったので檜俣川の増水を心配していたが、確かに水嵩は増しているものの、渡るのに支障はなさそうだ。登山靴と靴下を脱ぎ、張り渡された太いロープを頼りにして徒渉する。川の水は冷たくて、とてもではないが長くは足を浸していられない。

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檜俣川下降点

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檜俣川徒渉点

対岸に渡り切ると「→佐武流山」の道標があり、いよいよ山道の登りが始まる。一旦、傾斜の緩いカラマツの植林帯に入るが、これを抜けると樹林の中の急登となる。高くなった陽射しが樹林の瑞々しい緑を鮮やかに照らし出して綺麗だ。木の間から振り返ると、月夜立岩の怪異な岩峰と頂上付近に草原が広がる大岩山が眺められる。ブナやダケカンバの森を登ってぐんぐん高度を上げ、1時間程で「物思平」の小平地に到着する。道標には 「ワルサ峰まで60分」と書いてある。急登で汗をかいたが、ここまではまだまだ元気だ。

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水無尾根の登り口

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樹林の中を急登する

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月夜立岩(左)と大岩山

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物思平

物思平からは尾根上の道となる。ヒノキの大木が尾根を鬱蒼と覆い、深山幽谷の雰囲気満点。南面の悪沢を隔てて、猿面峰の鋭いピークが見える。谷筋には名残の雪が残り、吹き上がって来る風はヒンヤリと冷たい。木陰に居れば十分に涼める。

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水無尾根のヒノキ林

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猿面峰の鋭峰

尾根の道も急登な上に木の根が露出して歩きにくく、結構ばててワルサ峰の頂上につく。「苗場山との分岐まで35分」の標識がある。頂上の樹林は立ち枯れて日陰がなく、強烈な陽射しが降り注いで暑い暑い。木陰を探して入れば空気はヒンヤリと冷たく、ようやく身体が休まる。

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ヒノキの大木

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ワルサ峰
左奥は上ノ倉山と忠次郎山

陽当たりが良い分、ワルサ峰からの展望は頗る良い。雲が少しかかっているが、苗場山の頂上湿原が一望できる。苗場山から佐武流山へ延びる信越国境稜線も間近に見え、赤倉山、ナラズ山のピークを持ち上げている。いずれも深い樹林に覆われて、見るからに暑そう(^^;)。信越国境稜線の向こうには、上越国境の上ノ倉山から忠次郎山辺りの稜線が遠望できる。方角を変えると、烏帽子岳、岩菅山から鳥甲山にかけて一望だ。その間にはまだべったりと雪を残した北アが、遥か遠くに白く見える。

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ワルサ峰から苗場山

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ワルサ峰から鳥甲山

ワルサ峰から、展望の開けた稜線を上下する道となる。行く手には佐武流山がこんもりと盛り上がっているが、本当の頂上はその後ろに隠れてまだ見えないようだ。樹林に入って少し登ると、苗場山からの縦走路と合流する。「西赤沢源頭」、「水場 赤倉山方面へ10分」、「佐武流山まで70分」の標識がある。佐武流山の方向を見上げると、陽当たり最高の斜面を山道が登って行くのが眺められる。暑さで、気力がちょっと萎える。

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見晴らしと陽当たりの良い稜線歩き

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西赤沢源頭

急坂を太陽に炙られながら15分程で登り切ると樹林の木陰に入り、傾斜も緩んでホッとする。坊主平には標識とベンチがある。テント一張りくらい張れそうな平地もあるが、水場が遠いのが難点。

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西赤沢源頭からの急登

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坊主平

傾斜が緩く広い尾根を巻き気味に登る。雨水で道が抉れて泥濘が多く、登山靴がどろどろになる。後ろに気配を感じたら、年配男性のハイカーさんに追い付かれていた。速いなあ(@_@)。それとも、こっちが遅いのかな?実際、暑さでへろへろになっていた。山道が再び稜線に上がると、左側は雪崩斜面の笹原となり、豪雪地帯らしい風景が広がる。山と高原地図ではこの辺に池塘があると記述されているが、実際は笹原の中に小さな水たまりがあるだけだ。

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樹林の中の泥濘道

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池塘(笹藪の中)から
佐武流山の頂上稜線

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苗場山への稜線を振り返る
右のピークはナラズ山

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佐武流山東面の雪崩斜面

稜線や、眼下に広がる清津川流域の広大な森林の展望をデジカメに収めている間に、ハイカーさんには先に進んで頂いて、その後をゆっくり歩く。ゆるゆると稜線を登って行くと、佐武流山の標柱と三角点の標石がある小平地に着いた。ここが佐武流山の頂上か、ようやく着いた。頂上は樹林に囲まれて展望に乏しく、清津川側の樹林が切れてナラズ山の辺りが見えるくらいだ。その展望も、周囲の山々から湧き出した雲で覆われようとしていた。

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佐武流山への稜線

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佐武流山頂上

木陰に腰を下ろして、まずは500ml缶ビール。ハイカーさんには、デカイの持って来ましたね、と半ば呆れられるが、この暑さと長丁場にはこれでちょうど良いのだ(^^;)。缶詰の鯖の味噌煮をつまみに飲む。やがてもう一人ハイカーさんが登って来た。二人はおにぎり等で軽く昼食を済ませると、雷雲が来る前にとそそくさと下山して行った。私もラーメンを作って食べた後、少し遅れて下山を開始する。往路を戻るのだが、先は長く気は重い。

途中で、登って来るご夫婦1組とすれ違った。今日、佐武流山に登ったのは計3パーティ4人で、これ以降、誰にも会わなかった。西赤沢源頭辺りまで下ってくると上空全面に白い雲が広がって、佐武流山の上部は雲の中に隠れてしまった。ワルサ峰はまだ陽が当たって暑いので通過。もう少し下って、ヒノキ林の木陰で休憩する。ここでとっておきのグレープフルーツを食べる。甘い果汁がたっぷりで、人心地がつく。谷からは涼しい風が吹き上がってきて、元気回復。

物思平で2ℓポリタンの水を飲み切って、檜俣川に下る。檜俣川の水量は朝に較べるとかなり減っていた。ここを渡ってしまえば、大雨が降っても大丈夫な安全地帯。冷たい川の水を飲み、顔や身体を拭ってリフレッシュする。

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復路のワルサ峰

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林道から見上げた積乱雲

しかし、林道への登りと長い林道歩きがまだ残っている。周囲の山々に沸き上がる積乱雲を眺めながら、林道をのんびり歩く。和山への近道を右に分けると樹林の中の単調な林道歩きとなり、ゲートまではやっぱり長かった。晴れているうちに車まで戻る。切明雄川閣の風呂に入って、汗をさっぱり流す。帰途について車をスタートさせると、程なく雨がフロントガラスを叩き始めた。


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