神流川大神楽沢

2010年6月26日(土)
天気:のち
メンバー:M,T
行程:浜平登山口 6:00 …二俣 6:55 …長淵 7:35 …二ノ沢出合 8:20 …大滝下 9:25 …大滝上 10:20 …諏訪山(1549m) 12:05〜12:30 …ヤツウチグラ 12:55〜13:05 …湯ノ沢の頭 14:30 …浜平登山口 15:55
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

週末を控えた金曜日の晩、天気予報をチェックしても土日の天気はいまいちで、山行の行き先を決めかねていたところ、Mさんから「沢登りで大神楽沢に行きませんか」との電話を頂いた。大神楽沢とはどこのどんな沢か全く知らなかったのだが、上野村の諏訪山に源を発し、浜平に流下する日帰りの軽い沢(「沢登りルート図集100選」によると、グレード1級)らしい。天気は少々心配ですが、お誘いに乗って出かけて来ました。実際には意外とスケールが大きな沢で、滝の直登や大滝の高巻きもあり、なかなか歯応えのある沢登りが楽しめました。

桐生を早朝4時に車で出発し、上信越道・下仁田IC、湯の沢トンネルを経由して上野村に入る。上野ダム方面に進んで浜平トンネルを抜けた左側に諏訪山登山口の駐車場があり、すぐ下を流れる沢が大神楽沢だ。梅雨の最中のどんよりと曇った日にも関わらず、ハイカーさんの物と思しき車が1台ある。この様子ならば午前中は天気が保つかな。予定通り大神楽沢を遡行することにする。

諏訪山登山口の道標に従って虎王神社の鳥居の前を下ると大神楽沢を渡る橋があり、ここから入渓する。最初は広く穏やかな流れが続く。深い樹林に覆われている上に曇り空で陽が射さず、陰鬱な感じの谷だ。おまけに右側には車道の巨大な擁壁がしばらく続く。

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大神楽沢出合

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ゆったりとした下流部

砂防堰堤を一つ越えると、ようやく人工物が見えなくなる。緩い流れの間に小さなナメや滝が現われて、晴れていればなかなかの景観ではと思えるが、今日は薄暗くて、デジカメで撮影するときも露光が不足気味だ。

やがて水量が1:1の二俣に着き、ここから左俣に入る。ナメや小滝を交えた緩い沢歩きが長く続く。最初の難場の6m滝は直登できないので、左側斜面のロープを利用して高巻く。沢に戻る所は古くて細いロープに頼って下る。ここは要注意。これらのロープは釣師が残していったものらしい。

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左俣を遡る

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6m滝
左からロープを頼りに越える

6m滝から5分程歩くと、長淵と呼ばれるゴルジュが現れる。狭い所で幅50cm位のトヨ状の淵になっていて、面白い。出口に懸かる7m滝は右側のロープを使って越える。ここは見た目程危なくはない。

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長淵

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長淵の出口の7m滝

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7m滝を右から高巻くMさん

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長淵を背にして高巻く
(撮影:Mさん)

沢は少し傾斜を増し、苔むした岩の河原とナメ滝が続く。陽が高くなって、谷底も多少明るくなってきた。二ノ沢出合の手前には良い幕場がある。ここでテントを張るのも良いなあ。二ノ沢は出合に小滝をかけ、その奥には高い滝(15m滝)が見える。

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5mナメ滝

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二ノ沢出合

次の3m滝は滝壺が倒木で埋まっている。つるつるで登るのが難しそうに見えたが、水流の左を登れる。

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3m滝

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3m滝を登る
(撮影:Mさん)

しばらく平凡な流れが続いたのち、釜をもつ5m滝が現れる。この釜を覗き込むと、背が立たない程深い。滝は直登できないので、左から越える。すぐ上流に大神楽沢最大の大滝が現われるが、手前の8m滝に阻まれて近づけない。最初は8m滝を左岸から越えようとしたが、落口に降りられず、どんどん高みに追い上げられてしまったので、断念して戻る。

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深い釜をもつ5m滝

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大滝(見えない)の下流

少し下流に戻って、右岸の比較的緩い斜面を登って、8m滝と一緒に大滝を高巻く。落差40mという大滝の全貌が見えず残念。ルンゼ状のガレを30mザイルを2回使って懸垂下降し、ようやく沢身に戻る。大滝の高巻きに1時間近くかかってしまった。とても1級の沢とは思えん(^^;)

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大滝下流の8m滝

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大滝を高巻いて懸垂下降
(撮影:Mさん)

大滝の上流は小滝と小ゴルジュが連続する。1362m標高点の岩峰の基部あたりの遡行は両岸が険しく切り立ち、奥山の雰囲気が良いが、一部の区間で倒木が酷い。数年前に西上州で大きな被害を出した台風の爪痕だろうか。

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小滝を登る

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倒木が多い

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小滝が続く

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最後のゴルジュ

最後のゴルジュの出口の4mCS滝を越えると、あとは滝はない。遡行開始から4時間半が経過し、もう滝はお腹いっぱいな感じだ。苔むした岩を踏み、深い原生林の中をひたすら登る。小雨が降り出し、徐々に葉を叩く雨音が大きくなったので、雨具を着ける。シダの生えた斜面を汗をかきかき登ると、登山道が通る稜線に出た。諏訪山の頂上は右へひと登りだ。

諏訪山に来たのは、数年振り2回目だ(前回の山行記録)。相変わらず樹林に囲まれて展望は全くなく、静寂に包まれた頂上だ。雨も幸い小降りになったので、倒木の上に腰を下ろしてパンで簡単に昼食を済ませる。

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源頭を登る

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諏訪山頂上

下山は浜平コースの登山道を辿る。乙父・西沢への道を右に分けると、ヤツウチグラの岩峰への登りとなり、岩場をロープで越える。雨に濡れたアブラツツジを見ながら登ると、祠のあるヤツウチグラ(三笠山)の頂上に着く。雲が切れて展望が開け、遥か下に大神楽沢の渓谷を見おろす。遠くは赤久縄山や御荷鉾山まで眺められた。

ヤツウチグラの祠の中には、三笠山忉利天王、虎王山毘沙門天、諏訪山不動明王と書き記した木札が祀られ、紅白の祈願の幟が多数奉納されている。幟は新しく、現在も信仰登山が盛んであることがわかる。

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アブラツツジ

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ヤツウチグラから赤久縄山
御荷鉾山の展望

ヤツウチグラからの下りで方向をちょっと間違えたが、祠の裏手を下って岩壁の基部をトラバースする。次の小岩峰の上には新しい石祠と石碑が祀られている。梯子を下ると、尾根を絡んで歩く緩い道となる。

湯ノ沢の頭で楢原への登山道を分け、湯ノ沢に向かって谷を下る。この道は諏訪山のメインルートなので、ジグザグに道が付けられていて歩き易い。沢沿いの険しい個所には桟道が掛けられている。対岸に浜平温泉の源泉と送湯パイプを見る。このあたりの沢水は温泉のせいか、黄白色に濁っている。神流川に出て大神楽沢を渡り、車を置いた駐車場に戻った。雨はすっかり上がり、周囲の山肌をガスが上がって行く。遡行中に雨に降られなかったのは幸運だった。

早速、浜平しおじの湯に入って、汗を流す。それから南牧村の信濃屋嘉助に立ち寄り、和菓子を買って桐生に帰った。


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