残馬山〜座間峠

天気:
メンバー:T
行程:源蔵橋バス停 8:30 …寄日峠 9:15 …残馬山(1107m) 11:10 …岳山(1075m) 12:15〜12:50 …座間峠 13:05 …神戸駅 14:20
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

(2017-05-19追記)記事中の「岳山」は誤称で、正しくは「白萩山」です(桐生地域百山No.10)。本編での表記は掲載時のままとしますが、読み替えが必要な個所に下線を付しました。

先日、桐生山野研究会の増田さんが執筆された残馬山の紀行(「山の本」2009年春号に掲載)を読ませて頂いた。この紀行で紹介されている忍山(おしやま)山稜から残馬山に登るルートは、私も1996年2月に歩いたことがある。そのときは植林地に藪が蔓延っていて、道と呼べるものはなかったように覚えているが、紀行によると桐生市青少年野外活動センターがコースを整備したそうで、今はもう少し良い道になってそうだ。また久し振りにここを歩いてみようかな。

そんなことを考えていたところ、この週末のアカヤシオの開花状況をネットで伝え聞いた。鳴神山では早くも見頃のピークが過ぎつつあるらしい。ということは、少し北で標高も高い残馬山では見頃を迎えているかも、と考えて出かけて来ました。残馬山からは座間峠へ向かい、まだ歩いていなかった座間峠北側の峠道を辿って、神戸(ごうど)駅に降りました。

自宅から最寄りの本町三丁目バス停で、8:03発梅田行きおりひめバスに乗車する。桐生女子校前で部活の生徒さんがぞろぞろと降りると乗客は私一人となり、周囲の新緑の山々を車窓から眺めながら桐生川上流に向かう。源蔵橋バス停で下車。橋を渡って戻り気味に車道を歩き、民家の前を通る。石垣の間にキランソウが紫の花をつけている。

民家の脇から林道に入り、杉林の中を登る。すぐの分岐は沢を渡って左へ。ミツマタの群落が花をつけている。道は荒れていて、これは間違えたかなと危ぶみながら進むと、古い道標があって正しい道であることがわかる。


源蔵橋


残馬山への道標

その後、道は不明瞭になる(途中で左の尾根に上がるべきだったらしい)。伐採された杉の枝を踏んで浅い谷を詰め上がると、すぐ目の前に忍山山稜があり、その鞍部が寄日(よっぴ)峠だ。少しトラバースして、ツバキの叢の中に石祠が祀られた峠に到着する。ここにも古い道標が地面に落ちている。

寄日峠から北に向かう。尾根の左を絡んで登り、尾根上をブルトーザーで均したような古い作業道を辿る。このあたりが前回(13年前)は藪だったと思うが、今は藪はなく歩きやすい。天気は最高に良く暑いくらいで、新芽の淡い緑が日に照り映えて鮮やかだ。


寄日峠の石祠


尾根上の作業道跡を行く

作業道が尽きると雑木林の尾根となり、少し急な坂を登って北沢山を越えると、左側が大規模に伐採された尾根となる。行く手には残馬山、伐採地の下方には忍山川と林道、谷を隔てて岳山あたりの稜線が見える。展望は抜群だが、谷底まで皆伐された山肌は痛々しい。伐採地が終わると、アカヤシオが点々と現れ始める。開いたばかりの瑞々しさで、ちょうど見頃だ。


大規模な伐採地に出て
奥に残馬山を望む


アカヤシオ(1)
背景は残馬山

岩場混じりの痩せた稜線を登る。今度は右側に野峰から丸岩岳にかけての展望が開ける。岩場にはアカヤシオが多い。ここもなかなか見事。


展望の良い痩せ尾根


アカヤシオ(2)
背景は岳山付近


丸岩岳(左)と野峰の展望


アカヤシオ(3)

灌木の小枝がちょっとうるさい尾根道となり、アカヤシオは途切れる。途中、「ガクラクボ下山」と書いたテープが木の幹に巻き付けられた地点を通る。大きな岩場を過ぎ(小松山神はこのあたり?判らなかった)、枯れ葉を踏んで登ると残馬山の頂上に着いた。新しい山名標が木に掛けられていたので、誰が付けたのかな、と思って裏を見ると「SHC井の頭2009.4.26」と書いてあった。今日は19日だが、はて。

昼食には少し早いので、すぐに座間峠方面に向かう。残馬山のアカヤシオは、ひとつ三境トンネル寄りのピーク直下と、座間峠側へすこし下った痩せ尾根に多い。まだ蕾もあるので、しばらくは見頃が続きそうだ。


残馬山頂上


残馬山北西稜線のアカヤシオ

冬枯れの明るい雑木林の尾根を、ふかふかの枯れ葉を踏んで進む。岳山までは意外に遠くて正午をまわり、はらぺこになって最後の坂を登る。クマに齧り倒された座間峠への道標を過ぎた僅かに先が岳山の頂上で、「オッサンの山旅」のオッサンが取り付けた山名標が木の枝からぶら下がっている。アカヤシオの大きな株もあるが、まずは缶ビール、次に飯だー。ベヤングソース焼きそばを食べて、一息つく。


岳山頂上


岳山頂上のアカヤシオ

昼食後、岳山から座間峠に下る。この間も雑木林のゆったりとした尾根だ。座間峠から神戸側に下る峠道は、尾根をジグザグに絡んで歩きやすい。ところどころに「座間峠ハイキングコース」という道標もあり、整備されている。


座間峠


座間峠から神戸へ下る

下るに連れて、段々緑が濃くなる。新しい林道を横断し、右に山腹をトラバースして沢沿いに下る。ここから道が若干荒れているが、やがて古い林道に出て、あとは林道沿いに歩くと舗装道路に出る。右に下ると童謡ふるさと館があり、前庭にはレンゲソウが咲きそろっていた。


建設中の林道を横切る


童謡ふるさと館

あとは山麓の山村風景と満開のヤエザクラなどを眺めながら、ぷらぷらと神戸駅に向かう。途中の萬年橋から見た渡良瀬川の渓谷は、新緑に包まれてきれいだった。草木ダムが出来る以前の足尾線の軌道跡を利用した遊歩道があり、探勝できるようだ。


萬年橋から草木ダム下流の
渡良瀬川の渓谷を望む


神戸駅に到着する上り列車

晴天の休日だからか、神戸駅には観光客と鉄道ファンが多い。ちょうど桐生行の列車が来たが、一本待って列車レストラン清流に入る。実はここに一度来たかったこともあって、山越えをしたのだ。一汗かいた後の生ビールは、うま〜い(^^)


神戸駅構内にある
列車レストラン清流


冷えた生ビール♪

そして次の上り列車は、これも今回初めて乗車するトロッコ列車。通常は事前予約と整理券(500円)が必要なのだが、わたらせ渓谷鐵道開業20周年記念で、この便は特別に予約なしで乗れるのだ。ということで予定通りに山行を終え、爽やかな風の吹き抜ける列車に揺られて帰途についた。


トロッコ列車わたらせ渓谷号
20周年記念号


トロッコ列車の車内

後記:3日後の4/22に赤城良常さんが残馬山に登って、アカヤシオの様子をレポートしています。