八王子丘陵縦走

2008年2月24日(日)
天気:時々
メンバー:T
行程:岡ノ上団地バス停 8:25 …荒神山登山口 8:45 …荒神山(218m) 9:05 …姥沢の頭 9:45 …茶臼山(294m) 9:55〜10:15 …姥沢の頭 10:25 …籾山峠 11:10 …天王山(243m) 12:00〜12:40 …唐沢山(261m) 13:30 …東澤寺 13:55 …桐生温泉湯らら 14:15
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

この週末の天気は荒れ模様。土曜日の午前中は晴れていたが、午後は急変して、強風に雪が舞う天気。仕方なく、溜まっていた仕事の片付けに充てる。翌日の日曜日の天気は、予報によると回復しそうだが、強い冬型の気圧配置となって寒さが厳しそう。

ということで、日曜日は近場の里山を登る予定を立てる。渡良瀬川の南に横たわる八王子丘陵は、標高が300mに満たない低山で、自宅裏の桐生川の土手からも眺められる身近な山だ。しかし、いつでも登れると思って、これまで行く機会がなかった所である。最高峰(といっても294m)の茶臼山は群馬100名山にも数えられているし、良い機会なので行ってみることにする。

やまの町 桐生」を参考にさせて頂き、荒神山から茶臼山、籾山峠、天王山、唐沢山と縦走し、ゴールは桐生温泉湯ららで、風呂上がりにビール飲んで路線バスで帰宅する、という計画を立てる。山歩きの準備をして、土曜日の夜は床に着く。

翌朝、6時に起床。天気はどうかな、と窓の外を見てみると…吹雪やんけ!あたり一面真っ白で、5cmくらい積もっている。これは予想外の事態だ。しかし、今日の山ならば、この天気でも行けるだろう。むしろ、頂上から桐生市街の雪景色を眺めるチャンス、却って面白い、と考えて、装備にスパッツ、軽アイゼン、ストックを加えて出発する(結局、スパッツ以外は使用しなかった)。心配なのは、登山口までの路線バスがちゃんと走るのかどうかだ。

自宅から徒歩でJR桐生駅に向かい、一つ手前の末広町バス停で岡ノ上団地行きバスを待つ。道路にも雪が積もり、人通りも車も少ない。たまに通りかかる車からはチェーンの音が聞こえる。案の定、定刻から10分遅れで、チェーンを着けたバスがやって来た。乗客は私一人。バスは吹雪の桐生市街を抜け、渡良瀬川を渡る。渡良瀬川の河川敷も真っ白で、地吹雪が舞っている。

R50のガードをくぐり、岡ノ上団地バス停で下車する。荒神山の裾を回り込むように笠懸の方に向かう。途中、桐生市街の眺めが開けた所があり、見渡す限り青みがかった白と灰色の世界だ。時折、強烈な風が雪を舞い上げて吹き付ける。いつもの見慣れた桐生とはまるで違う、別の土地だ。

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雪煙舞う岡ノ上団地と茶臼山

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新田義貞公鎌倉攻略挙兵地の石碑
背景は吾妻山

笠懸東小学校を過ぎた所に荒神山登山口の標識があり、ここから登り始める。この天気で登っている人はいないようで、白く積もった雪道に足跡はない。「笠懸東小学校自由活動登山道」という標識が立っていて、急坂には子供が喜んで登りそうな鎖が付けられている。この鎖も、今日は雪に埋もれている。

すぐに稜線に出ると、雑木林とスズタケに覆われた緩い尾根道となる。積雪は5cmくらいで、歩くのに支障は全くなく、純白の雪道を歩くのは楽しい。所々にカタクリ群生地という道標があるので、春先に歩くのも良さそうだ。

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荒神山登山口

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荒神山への山道

小さなピークをいくつか緩く上下すると、雑木林に囲まれた小広い平地の荒神山頂上に到着した。頂上には「荒神山の野鳥」の説明板と新しい石祠、その傍らに「荒神山友の会」が建てた石碑がある。石碑に刻まれた祠の由来によると、古くからここには荒神様が祀られていたが、明治10年に阿佐美生品神社に遷座され、H15年にこの地に戻って来たとのこと。頂上からの展望は限られているが、茶臼山や笠懸方面の山麓が見える。

荒神山から茶臼山に向かい、緩い山稜を辿る。里山らしく、四方から道が通じている。右斜面にフェンスで囲まれた広い区画があり、どうも大きな屋敷?があるようだ。東武鉄道が立てた看板を過ぎると、黒石山への緩い登りとなる。黒石山の頂上ははっきりしない。左の林の中に石祠がある。ピークを越えてわずかに下った所が黒石峠のようだ。峠道はスズタケが被さって、少し藪っぽい。

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荒神山頂上から茶臼山を望む

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黒石山付近の山道

黒石峠から、右側が杉林の少し急な登りになるが、それも僅かの距離だ。左には岡ノ上団地への道がたくさん分岐している。どれにも古びた道標があるのは、地元の人によく歩かれているからだろう。木立を通して見える茶臼山の電波塔が近づいて来る。再び、東武鉄道の山火事注意の看板を見る。このあたり一帯は東武の社有地?一旦、急な下りがあり、ちょっと山らしくなる。鞍部から急な登り返しで、茶臼山へのジャンクション・ピークの姥沢の頭に着く。頂上の小平地にはベンチがあり、北東の眺めが良い。

ここから茶臼山を往復する。緩く下ると左へ一木口への道を分け、ちょっと明るい尾根道(10数年前に山火事があったらしい)を階段で登ると茶臼山の頂上だ。

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姥沢の頭

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茶臼山に向かう

頂上は電波塔に占領されて、その縁に「三等三角點」の標石、台座に載った三つの石祠がある。コース案内板に温度計があり、気温1.2℃を示していた。今日は赤城山は雪雲の中だが、展望は良く、足利から桐生にかけて渡良瀬川の流域に広がる街並、桐生競艇場、鹿田山、そして荒神山への緩やかな尾根が見える。山麓の所々に白い雲が見えるのは、地吹雪が舞い上がっているようだ。南側の展望も、八王子丘陵の山並と、その向こうの関東平野の眺めが良い。

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茶臼山より荒神山

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茶臼山より雪雲に覆われた
赤城山方面の展望

頂上から一段下ったところに東屋があり、そこのベンチにザックを置いて一休み。周囲の展望の写真を撮っていると、強烈な突風が吹いて来て、周囲の雪を巻き上げ、ザックをベンチから転げ落としてしまった。急に寒くなったので、休憩もそこそこに出発する。

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電波塔が林立する茶臼山頂上

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茶臼山より仙人ヶ岳

茶臼山から姥沢の頭に戻る。行きには気が付かなかった分岐があり、西へ「木戸口コース。下り近道途中洞窟有り」という標識があって興味を引く。途中で、単独のハイカーさんとすれ違う。姥沢の頭から籾山峠に向かう。先程のハイカーさんの足跡が雪道に付いていた。逆コースを歩いて来たようだ。

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茶臼山より姥沢の頭

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姥沢の頭より茶臼山

次の小さなピークには「金山城北の砦古井戸跡」という道標がある。その傍らに雪が詰まった小さな穴があり「古井戸跡」という標識がある。さらにその奥に進むと、「籠山千日満行所」と刻まれた石碑と、なにやら由緒がありそうな「八王子」と刻まれた大きな石碑、八王子山の山名標があった。

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八王子山の石碑

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八王子山頂上
背後の山は茶臼山

縦走路に戻って先に進む。しばらく行くと庚申塔のある姥沢峠で、真っすぐ登ると水道山、籾山峠への縦走路は右に行く。ずっと整備されたハイキングコースが続くが、石尊宮への道を右に分けると、少し道が細くなる。

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庚申塔のある姥沢峠

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籾山峠越えの旧道に降り立つ

相変わらず雑木林とスズタケの尾根を歩く。御所山を過ぎると、籾山峠に向かって少し急な雪道の下りとなる。籾山峠越えの旧道に出て、もう一段下った所が現在の車道で、案内図と道標がある。ここで単独のハイカーさんとすれ違う。今日会ったハイカーさんは二人目で、これが最後。

籾山峠の車道を太田の方に少し進むと、左手の小沢の脇にスズタケに踏み込む道型があり、ここが八王子丘陵東部縦走路の入口だ。「やまの町 桐生」の「高尾山」の項では、この辺りの雰囲気は最低最悪と書いてあったが、確かに不法投棄のタイヤがあったり、左側は大規模な土砂採石場でヨロシクない。

松の幼木が生えた急な斜面を登ると、雑木と赤松の林の尾根歩きとなる。左側には杉林を通して採石場が見える。採石場を過ぎると、左の桐生側は小さな尾根と谷が入り組んで意外と山奥深く、イイ感じの尾根歩きとなる。

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籾山峠

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天王山への山道

判然としない高尾山のピークを過ぎ、縦走路から一旦分かれて、南へ天王山に向かう。踏み跡ははっきりしていてテープの類も多い。緩い尾根を下って登り返すと、雑木林に囲まれた平地に三角点と石祠、山名標がある天王山頂上に到着した。山麓から正午のサイレンの音が聞こえて来る。すっかり天気も回復した。頂上の日溜まりで昼食にし、缶ビールを飲んで、餅を入れたもつ煮込を温めて食べる。

エネルギーを補給した後、縦走路まで戻る。このあたりの木への雪の付き方は面白い。一定の方向から雪と風が吹き付けていたことがわかる。

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天王山頂上

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面白い着雪

縦走路をさらに東に向かう。次の日向山のピークで、縦走路は左に折れて急降下する。ここには桐生倶楽部歩く会の道標があるが、文字が擦れて、かろうじて「唐沢山(石尊山)」と読める。ちょっと急な斜面を下ると、切り通しになった菅塩峠に降り立つ。雪の斜面を登ると高壷山だが、頂上を示す目印は何もない。ここで縦走路はまた左に曲がる。黄色のビニル紐や赤テープの目印がたくさんあるが、GPSでも進路を確認しながら進む。気温が上がったせいか、雪はだいぶ少なくなってきた。

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菅塩峠

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唐沢山への山道

低木の小枝がちょっと煩い尾根を登り詰めると唐沢山の頂上に着いた。一等三角點の立派な標石と石祠、山名標がある。雑木林に囲まれて展望にはあまり恵まれないが、木の間から渡良瀬川周辺と仙人ヶ岳あたりの山並が見える。静かで落ち着ける山頂だ。

唐沢山から下る尾根は陽当たりが良く、雪が消える。まっすぐ下ると露岩のある小平地があり、その先もはっきりした道があるが、小平地の手前でテープに導かれて左に分岐する道に入る。山腹を少し巻いて北東に落ちる尾根を下る。笹が少し被る道だが、道型ははっきりしている。

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唐沢山頂上

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唐沢山の北東尾根を下る

少し急な下りになって、稲荷大明神に着く。ここからさらに北向きの急斜面をジグザグに下り、墓地の裏手の鳥居をくぐって山麓の車道に出た。少し左に進んだ所が東澤寺だ。市街の雪はすっかり消えているので、ここでスパッツと上着を脱ぎ、車道を歩いて湯ららに向かう。

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稲荷大明神

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鳥居をくぐって麓に降り立つ

途中、R50のガードをくぐる手前に大きな石碑が2つあった。ひとつは「開田碑」、もうひとつは「渡良瀬川農業鉱害解決記念碑」というもので、足尾銅山の鉱毒による農業被害の補償に関して、古河鉱業と円満に解決したことを記念して昭和51年4月に建立されたものとのこと。

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開田碑(左)と
渡良瀬川農業鉱害解決記念碑

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桐生温泉湯らら

ゴールの桐生湯ららに到着して、早速、風呂に入る(前回貰った割引券で700円→500円)。風呂上がりに、レストランで海鮮サラダと野菜コロッケをつまみに、生ビール2杯を飲む。これがやりたかったので、今回の山行計画があったと言っても過言でない(^^;)

15時45分発の路線バスに乗り、市内のあっちこっちをぐるぐる経由して(それでも200円)、最寄りのバス停から自宅に帰った。


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