羊蹄山

2007年9月9日(日)
天気:のち
メンバー:T
行程:比羅夫駅 6:35 …半月湖野営場 7:20 …二合目 8:15 …六合目 9:35 …九合目 10:45 …羊蹄山(1898m) 11:40〜12:20 …羊蹄小屋 13:20〜13:25 …九合目 13:45 …半月湖野営場 15:35 …羊蹄登山口バス停 16:00

9月7日(金)に札幌での仕事ができた。11日(火)は鳥取で仕事なので、10日(月)を移動日にして札幌から鳥取へ直行すれば、土日のまるまる2日間、北海道に滞在できる。これは北海道の山に登る絶好のチャンス。日本百名山で、札幌から公共交通機関でアクセスしやすい羊蹄山に登る計画を立てる。8日(土)、9日(日)は羊蹄山山麓に宿を取り、予め登山道具一式をザックに詰めて、宅配便で発送しておく。準備はOK、北海道に出発だー。

ところが、札幌に出発する6日(木)は折り悪く台風9号(アジア名FITOW)が関東を直撃。搭乗予定の羽田19:35発の便が飛ぶのか怪しくなったので、空港に早めに出かけて、16:05発の便に変更して貰う。あとで確認したら、19:35発の便はやはり欠航していた。危うくセーフ(^^;)。金曜日の仕事を無事に終え、北海道にまでやって来たFITOWが降らす大雨の中、すすきので打ち上げる。

翌日、札幌から倶知安に鉄路で移動する。途中、小樽で下車して観光。ロープウェイで天狗山に上がってみる。夜景の名所に昼間、しかも台風の影響で小雨がしょぼつく中で出かけるとは、我ながら酔狂だなぁと思うが、山頂駅に着いてみれば、小樽市街と港を眼下に見下ろす展望はなかなかで、来て良かったかも、と思う。酔狂ついでに傘をさして、山頂駅から徒歩8分ほどの天狗岳の三角点にも登ってみる。こちらの方は樹林と笹に囲まれて展望は全くなく、北海道の山らしい原始の香り?ただよう頂上だ。

小樽から再びJRに乗車して、倶知安へ。今夜の宿のくっちゃん温泉ホテルようていは、倶知安駅から歩いて15分程。宅配便は無事に届いていた。早速、100%かけ流しの温泉に浸かる。ここの露天風呂は羊蹄山の展望が名物なのだが、今日は残念ながら厚い雲の中だ。温泉の後はビール、日本酒と美味しい夕食を頂く。明日はいよいよ羊蹄山。天気予報では曇り一時晴れとなっているが、どうなるだろうか…

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ロープウェイ山麓駅から天狗山を望む

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ロープウェイ頂上駅から小樽市街と港の展望

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天狗山三角点(533m)

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くっちゃん温泉ホテルようてい

翌日早朝、歩いて倶知安駅に向かい、始発列車に乗って、次の比羅夫駅で下車する。山小屋風の駅舎の前には民家が数軒あるのみ。小雨が降り始めたので、雨具を着ける。国道に出て左手に羊蹄山登山口を示す大きな看板が立っている。晴れていれば、このあたりからは羊蹄山の雄大な姿が見えるはずだが、雨雲に覆われて影も形も見えない(T_T)

テンションが下がりつつも登山口を目指し、畑の中の真っすぐな道をとぼとぼ歩いていると、ピックアップトラックが追い越して前に止まった。運転していた男性が、登山口まで荷台に乗っていきますか、とありがたーい申し出。喜んで乗せて貰う。20〜30分は時間を短縮して、登山口の半月湖野営場に到着する。

この方は実は羊蹄小屋管理人の近藤さんで、これから小屋番の交替のために登るそうだ(羊蹄小屋は管理人が二人いて、交替で小屋に常駐している)。雨のために、登ろうかどうしようか、迷いつつあったので、これは心強い。登山口で登山届を記入し、大きな荷物を背負った管理人さんの少し後から登り始める。

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比羅夫コース登山口
行く手に羊蹄山が見えるはずだが…

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半月湖野営場
ここまで車で入れる

登山道は、最初は深い森林の中を緩く登り、やがて右手の尾根に向かってジグザグに急登する。途中に風穴という標識があり、岩の間から涼しい風が吹き上がっていた。尾根の上に出ると二合目で、丸太のベンチがある。管理人さんともう一人の登山者が休憩を終えて歩き始めたところだった。雨が止んだので、ここで雨具を脱ぐ。二合目からは尾根の上を登る。途中、管理人さんが台風で登山道に落ちた大きな枝をどけようとしていたので、ちょっと手伝い、先に行かせて頂く。

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二合目で尾根の上に出る

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三合目

四合目あたりで少しガスが上がり、振り返ると山麓の畑が見える。高度が全然上がっていないことがわかり、少なからずがっかり。五合目からは矮小なダケカンバが覆い被さる掘割のような道になり、急な山腹をジグザグに登る。

再び雨が落ちてきて、雨具をつける。今度は本格的に降ってきた。森林限界を超えたところで、強い雨風にならないか心配だ。しゃりばてしそうになったので、六合目で休憩してパンを齧る。七合目、八合目と同じような単調な登りが続く。雨具のフードのひさしからポタポタと滴が垂れる。

小広いガレ場となって九合目に到着。ここで森林限界を超えたようで、風が強い。休憩していると、雨具なし半袖姿の女性がささーっと登ってきて、頂上へ向かって行った。寒くないのかしらん(@_@)。私の方は、ここで濡れて風に吹かれたらやばい、などとさっきから考えていたのだが。まぁしかし、ここまできたら頂上へ行くしかないでしょう。右に羊蹄小屋への道を分け、左の頂上への道を登る。

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五合目付近から
矮小な岳樺のトンネルになる

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九合目で森林限界を超える

森林限界を超えて草原が広がっている。夏ならば高山植物がたくさん咲いているところだろう。今は、ガスの中に黄色や赤に色づき始めた葉がぼぅーっと滲んでいるだけだ。

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九合目から上の草紅葉

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いい色に染まってますねー

稜線(火口の縁)に出ても、相変わらずのガスで何も見えない。幸いなことに、風雨は弱まったようだ。先程の女性が立ち休みをしていて、さすがに雨具を着けていた。ここからザレた平地をしばらく進む。いくつかピークを越えると、一等三角点が現れた。しかし、ここは最高地点ではなく、頂上はもう少し先だ。岩がゴロゴロしたピークをさらに超えると、ようやく羊蹄山頂上(最高地点)に到着した。

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火口まわりの稜線

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羊蹄山三角点(最高点ではない)

頂上では、おじさん2人組が休憩していた。風の当たらない岩陰に座り込んで、まずは缶ビール。昼食はパンやクッキーであっさり済ませる。そのうちにガスが一部切れて、周囲の稜線や、火口の底が雲の中に見え隠れする。わずかな展望だが、少しでも見えただけ吉でしょう。火口の反対側からなにやら賑やかな話し声が、風に乗ってずーっと聞こえている。移動する様子がないので訝しく思うが、反対側まではガスで見えない。

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羊蹄山頂上より火口の縁

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羊蹄山山頂

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火口の底を覗きこむ

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火口を一周する
岩が多い

しばらく山頂に留まっていたが、これ以上は晴れそうにないので山頂を辞す。火口の縁を一周するコースを歩く。岩場が多く、危険はないがなかなか歩きにくい。

やがて真狩コースの分岐点の鞍部に下り着く。ザレた平地の真ん中に岩があり、その陰で中学生?の男子グループ4,5人が、ビニールシートを引っ被っておしゃべりに夢中になっていた。頂上で聞こえた話し声は彼等らしい。こんな、風がびゅうびゅう吹いている場所で、何しているの、と尋ねると、待ち合わせをしていて、1時間くらいここにいるとのこと。地元っ子は逞しいというか、おっぱっぴーというか(^^)

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真狩コースを九合目まで下る

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エゾオヤマリンドウ

羊蹄小屋に立ち寄ってみたいので、鞍部から真狩コース九合目まで下る。周辺はハイマツの緑の中に点在する紅葉が美しい。この頃から、急速に青空が広がり始めた。

羊蹄小屋は、見晴らしの良い尾根の上に建つ大きな山小屋だ。小屋の前のベンチに荷物を降ろして中に入ると管理人さんがいらして、昼食のラーメンを作っているところだった。中は広く、居心地が良さそう。管理人さんに紅葉の話を伺うと、羊蹄山は独立峰で風が強く、葉が散ってしまうのだが、今年の紅葉は先週辺りから始まって見頃、とのことだった。記念バッジ(500円)を購入して、小屋を出る。

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羊蹄小屋

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羊蹄小屋付近の紅葉

羊蹄小屋から比羅夫コース九合目へのトラバース道も紅葉がきれいだ。眼下には比羅夫から倶知安市街にかけての山麓の展望が開けて、素晴らしい。この眺めが見たかった。樹林の緑と畑の褐色・黄色などのモザイク模様が北海道らしい。上空はすっかり晴れ上がって、登りの時とは全く印象が違う山になった。そういう意味では雨の中の登りも変化を付けたことになる訳で、結構味があったなあ、などと思い返す。喉元過ぎれば…ですね。

九合目からは往路を下る。半月湖野営場に戻ると、樹林の上に高々と羊蹄山が聳えているのが見える。さすが、高度差1500m。これは登る前に見ていたら、びびっただろうな。朝、提出した登山届に下山時刻を記入する。他のパーティの登山届を見ると、雨のため途中で引き返した人も多かったようだ。

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比羅夫コース九合目から
山麓の倶知安市街の眺め

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半月湖野営場から羊蹄山を仰ぐ

国道に出たところで、目の前を倶知安行の路線バスが通過。まあいいか。さすがに倶知安駅から宿まで歩くのはしんどいし。バス停隣りに公衆電話があり、備え付けの電話帳を見て倶知安ハイヤーを携帯で呼ぶ。10分程で到着したタクシーに乗って、宿に直行する。露天風呂に入ると、羊蹄山がばっちり見えた。満足、満足。

翌日、JRで新千歳空港まで行き、航空機を乗り継いで鳥取に向かった。


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